コロナがファミリー映画を直撃、『クレしん』以外は子ども向け映画軒並み大幅減

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クレヨンしんちゃん
『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』
(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2020

9月11日から『映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』が公開された。当初は4月24日公開だったが、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、延期されていた。28作目となる本作は、描いたものが具現化するミラクルクレヨンを手に入れた主人公しんのすけが、ラクガキをエネルギー源とする王国ラクガキングダムの進撃から春日部を守るため奮闘する。

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公開後3日間の興収は2億8940万円億円で、前作の約92%。配給元・東宝の初日アンケート調査によると、男女比は45対55。年齢別では、小学1~3年生が29.8%。幼稚園児・保育園児が17.0%、小学4~6年生が13.5%、親世代の30代が16.4%。夏の大ヒット作『今日から俺は!!劇場版』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』は多くのシネコンで1館あたり2~3スクリーンを使い、1日10回以上上映され、興収増につなげた。だが『クレヨンしんちゃん』は通常通り、1スクリーンで1日5回上映のシネコンが多い。シネコン側では『今日俺』『コンフィデンスマン』に比べると出足は強くないと判断し、上映回数を増やさなかったようだ。また11日は『ミッドウェイ』『窮鼠はチーズの夢を見る』など新作公開が多く、スクリーン数に余裕がなかった側面もある。

『クレヨンしんちゃん』は前作並みの出足となったが、家族をターゲットにした作品の興収が伸び悩んでいる。『映画ドラえもん のび太の新恐竜』は9月13日時点で興収28.4億円と前作(50.2億円)の57%。ピクサーの新作『2分の1の魔法』は7億円で、ピクサー作品としては12年『メリダとおそろしの森』以来となる10億円未満の興行成績だ。『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』『東映まんがまつり2020』も振るわなかった。映画館では1席ずつ開けてチケットを販売しており、隣同士に座れないことに抵抗感のある家族や、感染を恐れて映画館に来ない家族客がいるものと思われる。

逆に、若者は今の状況をあまり気にせず映画館に足を運んでいるもようで、ホラー映画『事故物件 恐い間取り』は好調だ。全国週末動員ランキングでは2週連続1位で、先週末は2位。9月13日時点で興収14.6億円をあげている。(文:相良智弘/フリーライター)

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