第97回キネマ旬報ベスト・テン
第97回キネマ旬報ベスト・テン
第97回キネマ旬報ベスト・テン

主演女優賞は趣里、日本映画第1位には阪本順治監督の『せかいのおきく』

第97回キネマ旬報ベスト・テンが決定。日本映画第1位に阪本順治監督の『せかいのおきく』、外国映画第1位にトッド・フィールド監督の『TAR/ター』、文化映画第1位に井上実監督の『キャメラを持った男たち-関東大震災を撮る-』が輝き、主演女優賞を趣里、主演男優賞を役所広司が受賞した。

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主演女優賞を受賞した趣里は、「歴史ある賞をいただき、とても光栄です。自分の中では何一つ変わらないのですが、お陰様で、自分にできることをやって皆さんに『よかった』と言っていただければそれでいい、と思える1年となりました」とコメントを寄せた。

趣里 
(C)富取正明
趣里 
(C)富取正明

主演男優賞を受賞した役所広司は、「今年も素晴らしい俳優さんたちが活躍された中で、世界の中でも長い歴史を持つ『キネマ旬報賞』を4度目の受賞、本当に幸運な男だと思います。良い脚本と良い監督が存在しなければ俳優一人では何も出来ません。この出会いと今まで自分に影響を与えてくれた沢山の人たちに心から感謝します」と喜びを明かした。

役所広司
役所広司

主演男優賞の役所は4度目の同賞受賞、『せかいのおきく』で日本映画脚本賞を受賞した阪本順治も4度目の脚本賞受賞となる。また、『ほかげ』で新人男優賞を受賞した塚尾桜雅(8歳)は、史上最年少での受賞となる。

キネマ旬報は1919年に創刊し、現在まで続いている世界一の歴史を誇る映画雑誌。最初にキネマ旬報ベスト・テンが行われたのは1924年度で、当初は編集同人のみによる投票で、〈芸術的に最も優れた映画〉〈娯楽的に最も優れた映画〉の2部門(外国映画部門のみ)のみだったが、1926年に日本映画の水準が上がったのを機に、現在と同様〈日本映画〉〈外国映画〉の2部門にわけたベスト・テンに変わった。戦争による中断があったものの、大正年間から継続的にベスト・テンは選出され続けており、今回発表となった2023年度ベスト・テンで97回を数える。

ベスト・テン2位以下の作品と各個人賞の詳細については、2月5日に発売される『キネマ旬報2月増刊2023年キネマ旬報ベスト・テン発表号』にて掲載される。

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【作品賞】

■日本映画ベスト・テン第1位 『せかいのおきく』
(監督:阪本順治/配給:東京テアトル、U-NEXT、リトルモア)

■外国映画ベスト・テン第1位 『TAR/ター』
(監督:トッド・フィールド/配給:ギャガ)

■文化映画ベスト・テン第1位 『キャメラを持った男たち-関東大震災を撮る-』
(演出:井上実/配給:記録映画保存センター)

【個人賞】
日本映画監督賞 ヴィム・ヴェンダース『PERFECT DAYS』
日本映画脚本賞 阪本順治『せかいのおきく』
外国映画監督賞 トッド・フィールド『TAR/ター』
主演女優賞 趣里『ほかげ』
主演男優賞 役所広司『PERFECT DAYS』『ファミリア』『銀河鉄道の父』
助演女優賞 二階堂ふみ『月』
助演男優賞 磯村勇斗『月』『正欲』『渇水』『最後まで行く』『波紋』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-運命-』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編-決戦-』
新人女優賞 アイナ・ジ・エンド『キリエのうた』
新人男優賞 塚尾桜雅(つかお・おうが)『ほかげ』
読者選出日本映画監督賞 瑠東東一郎(るとう・とういちろう)『Gメン』
読者選出外国映画監督賞 マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

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