後編/またもやディズニー・東宝が激突! 夏休み映画の大本命が今週末そろい踏み

#週末シネマリサーチ

『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku 
(C)Pokemon  (C)2016 ピカチュウプロジェクト
『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon  (C)2016 ピカチュウプロジェクト

【週末シネマリサーチ】後編
(…前編「大本命! 驚異的ヒットのアニメがついに公開」より続く)

◆意外な伏兵?『シン・ゴジラ』便乗映画にも注目!

〇【2位予想】『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z 「ボルケニオンと機巧(からくり)のマギアナ」』
人気アニメ「ポケットモンスター」の劇場公開版第19弾。ひょんなことから繋がれてしまったサトシとポケモン・ボルケニオンが、未知なる力“ソウルハート”が宿ったポケモン・マギアナをめぐる冒険に旅立つ姿を描く。ゲスト声優として女優の・松岡茉優、歌舞伎役者の市川染五郎らが参加している。

東宝の夏休み映画として毎年同時期に公開。『ポケモン・ザ・ムービーXY 「光輪(リング)の超魔神 フーパ」』(15年)は全国364スクリーンで公開され、初週土日動員35万1592人、『ポケモン・ザ・ムービーXY 「破壊の繭とディアンシー」』(14年)は全国357スクリーンで、初週土日動員36万0190人、『劇場版ポケットモンスター ベストウイッシュ 神速(しんそく)のゲノセクト ミュウツー覚醒』(13年)は、全国345スクリーンで初週土日動員46万4839人と非常に安定して高い数字を記録している。

本作は約360館での公開。7月3日には都内で完成披露試写が行われ、ゲスト声優の松岡が、おはスタで共演し“芸能界の父”と慕う山寺宏一から激励の手紙を受け取り涙を流すという感動のシーンが大きく報道された。これまでの実績から30万人のラインは下回ることはないと思われるが、超強力『ファインディング・ドリー』がどこまで数字を伸ばすかで順位は変わってきそう。どちらにしても上位予想の2作品は鉄板か。

▲【5位予想】『HiGH&LOW THE MOVIE』
「EXILE」らが所属するLDHと日本テレビがタッグを組み、総合エンターテインメントプロジェクトとして、ドラマやマンガ、ライブツアーなどが連動して展開される「HiGH&LOW」の劇場公開版。

昨年10月にテレビ放送されたドラマを再編集した『ROAD TO HiGH&LOW』(松竹)は、5月7日に全国142スクリーンで公開されると、初週土日動員9万2757人という高い数字を記録した。

本作は、約310館と公開規模も拡大。EXILEや三代目 J Soul Brothersらは非常に高い集客力を誇り、7月4日に行われた完成披露イベントでは、EXILE一族総勢50名が登壇。ファン4000人が大熱狂する姿は、ある意味驚異的だった。16日からの3連休、全国47都道府県で舞台挨拶を敢行。『ROAD TO HiGH&LOW』が全国142スクリーンで9万人という数字を考えると、本作は倍近い数字を叩き出す可能性もある。

【注目シネマ】
☆『AMY エイミー』
2008年の第50回グラミー賞で5部門受賞の人気歌手、故エイミー・ワインハウスの生涯を追ったドキュメンタリー映画。彼女自身、2011年に27歳の若さで死去するなどスキャンダラスな人生を送っているが、タブロイド紙の報道とは違う、知られざる素顔が描かれる。

公開時の劇場数は約10館と少ないが、立川シネマシティでは「極上音響上映」されるなど、音楽ファンにとっても魅力的な企画が目につく。F1の貴公子アイルトン・セナのドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』を手掛けたアシフ・カパディアがメガホンを執るだけに映画ファンにとっても注目の一作だ。

☆『大怪獣モノ』
映画『日本以外全部沈没』の河崎実監督が手掛ける怪獣特撮映画。東京に突如現れた“大怪獣モノ”。首都が壊滅的な状態に陥るなか、バイオ研究家の博士に万能細胞を投与され巨大化した男が、大怪獣モノに立ち向かう姿を描く。巨人化する男をプロレスラーの飯伏幸太が演じることでも話題になっている。

劇場公開数は10館弱。元IWGPジュニアヘビー級王者が映画で主演を務めることで大きな話題となっている本作。6月27日には完成披露試写会が行われ、河崎監督は「(7月29日に東宝配給で公開される)『シン・ゴジラ』の便乗です」とジョークを飛ばし会場を笑わせていた。「何でもあり!」の河崎ワールドが展開する本作は、B級映画ファンならずとも注目したい作品だ。(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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