ゆうばり国際映画祭「ニューウェーブアワード」受賞 松岡茉優インタビュー

バラエティやMCでも大活躍! ノリに乗ってる女優の素顔に迫る

#松岡茉優

「ヤバイ涙腺きてるな」って思って…もうダメでしたね

「第25回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」でニューウェーブアワード・女優部門を受賞した松岡茉優。近年は映画、ドラマ、バラエティーに引っ張りだこで、確かな演技力はもちろん、打てば響きまくる反応の良さは、誰もが認めるところだ。

芸歴12年のキャリアを持つが「ぎゅっと縮めたら3年ぐらいなんですよ」と屈託なく笑う松岡。そんな彼女に受賞の喜びや、女優としての目標、これまでの芸能生活を振り返ってもらった。

──授賞式では大粒の涙を流されていましたね。

松岡:授賞式は幸せな場所ですし、ありがとうを笑顔で伝えることが正解だと思っているんですね。でもオープニングアクトで武田梨奈が出てきて、披露した生アクションが格好よくて「ヤバイ涙腺きてるな」って思ったんです。それでも「笑顔、笑顔」って心に言い聞かせていたのですが、会場の方たちが、私みたいな若僧にも、とても優しい顔を見せてくれるんですよ! もうダメでしたね。

──武田梨奈さんを見て感極まったのですか?
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」武田梨奈(左)と抱き合う松岡茉優(右)

松岡:私が中学生の頃、アクション映画(少女戦士伝シオン)で共演しているんです。当時私たちは暇で暇で(笑)。レッスンが終わっても、することがないから居残ってお菓子食べたり、グダグダしていたんです。そんな梨奈が、同じ時間軸でアクション女優として活躍しているのを見て、心から嬉しかったんです。あの時はあんなに暇でどうしようもなかったのに、こうやってアクション女優の道を一人で開拓して格好いいなって。そんな二人が、こうして一緒のステージ(昨年の同賞受賞は武田)に立てたなんて、感動ですよね。

──思いもひとしおですね。

松岡:本当に映画が好きな人たちが、映画好きでよかったって思ってもらえるような俳優になることが、今日の賞をいただいた恩返しだと思っています。

年が近い橋本愛とかはしょっちゅう遊んでいますね
松岡茉優

──『桐島、部活やめるってよ』で共演した東出昌大さんや、『連続テレビ小説 あまちゃん』の脚本家の宮藤官九郎さんも昨年、この賞を受賞していますね。

松岡:そうなんです。去年のラインアップを見たときに、つながりのある人たちばかりだったので、嬉しい気持ちとちょっとした嫉妬というか、ゆうばりで楽しそうにしているのがうらやましかったんです。「桐島」ぶりに東出くんと(『問題のあるレストラン』で)共演しているのですが「ゆうばり行くんでしょ? 本当に素敵な映画祭だから、楽しんでおいで」って言われたんです。その通り、想定以上に素晴らしい映画祭でした。

──『桐島、部活やめるってよ』で共演された俳優さんたちはみんな活躍されていますよね。

松岡:「辞めようかな」なんて言っている人もいた中、みんな全員仕事を続けているのは想定していなかったですね。日本アカデミー賞(最優秀作品賞を含む3部門で受賞)獲ったのも想定外でしたし(笑)。でも本当にあのメンバーは印象的で、今でも共演したお友達以上の何かはあります。年々少なくはなってきていますが、今でも1年に数回は、ほぼ全員で“桐島会”をやってるんです。中でも年が近い橋本愛とかはしょっちゅう遊んでいますね。

──橋本愛さんと言えば『リトル・フォレスト 冬・春』の初日舞台挨拶でも松岡さんは泣いていましたね。
松岡茉優

松岡:あれは橋本が手紙とか読むから……。どうしようこんなに泣いていたら「松岡、泣きじょうご」みたいな印象で、劇団ひとりさんみたいに「泣け!」とか言われちゃうかもしれないですね。でもいつも泣いているわけじゃないんですよ!

──授賞式では「一生俳優宣言」をしていました。松岡さんはバラエティやMCでも活躍し、多方面で才能を発揮していますが、やはり柱は俳優?

松岡:もちろんです。私のキャリアの中で、継続して続けさせていただいた最初の仕事が『おはスタ』のおはガールなんです。だからバラエティーに帰ってくると、ホーム感じゃないですが落ち着くというのはあります。需要がある限りやらせていただきたいなと思っています。でも本筋としては、しっかり俳優をやっていきたいと思っているのですが、最近私の意志が届かないので、再度お伝えしておきます!(笑)。

──2014年は大活躍の年でしたが、2015年はどんな目標を掲げていますか?

松岡:昨年は“初めて”という経験が多かったのですが、踏み出した一歩を、舞台、映画、ドラマ、バラエティーなど、すべてのジャンルでもう一歩進めていきたいです。見ている方が笑顔になったり、人生を思い返すきっかけになるような作品を作ることに貢献できるような俳優になることが20歳の抱負です。

──どんな俳優さんになりたいですか?

松岡:俳優をやっていこうと思った15歳の頃から、私は女版の八嶋智人さんになりたいって申し上げているんです。八嶋さんの何が素晴らしいかというと、映画やドラマに出ている時、八嶋さんの役って八嶋さん以外の人がやっても面白くないと思うんです。作り手の方たちもそう思っているから、八嶋さんがキャスティングされるんですよね。松岡もそう思っていただける俳優になることが目標です。

落ち込んだ時は「モーニング娘。」の映像を見て奮起
松岡茉優

──すごく仕事に対して志が高い印象を受けますが、落ち込んだ時はどうやって気分転換するのですか?

松岡:お芝居できなかったなとか、余計なことしちゃったなって時は「モーニング娘。」のプロモーションビデオやライブ映像を見ます。こんなに頑張っているんだから、私も頑張らなきゃって思います。

──他にはまっていることや好きなものってありますか?

松岡:ココナッツオイルですね。ある日突然、母が「ココナッツオイルは、身体に塗っても食べても身体にいい」って持ってきたんです。「オイルでしょ、食べるって……」と思っていたのですが、蜂蜜と混ぜてパンにぬってみたらメチャクチャおいしかったんです。健康に良いっていうからたくさん食べていたら「アレ? なんか(体重が)増えているぞ」って(笑)。でも本当に肌の張りがよくなったんです。あとはマンガが好きです。

──おすすめのマンガはありますか?

松岡:ほしよりこさんの「逢沢りく」ってマンガです。家族の関係が淡々と描かれているのですが、胸にずしりときて、最後ちょっと救われるような……。衝撃的な作品です。主人公のりくちゃんは実写でやるなら橋本愛しかいないです。

──松岡さんにオファーが来たら?
松岡茉優

松岡:絶対ありえないです。逢沢りくは誰が見ても美しくて、距離を置いてしまうような存在なので。

──橋本愛さんしかありえない?

松岡:美しい人はたくさんいますよ。山本美月も広瀬アリスもきれいだし、(川口)春奈ちゃん、(二階堂)ふみちゃんもきれい。みんなきれいですが、橋本愛は15歳の頃から知っているんです。彼女が美少女から美しくなっていく過程を見ているんです。他の子は、すでに美しく完成しているときに会ったので昔を知らないんです。橋本愛は、その成長していく姿をスクリーンで一生見ていたいですね。

──母親目線ですね。

松岡:なに言ってるんですか!(笑)。ファンって言ってくださいよ、1歳しか年が違わないんですから!

──また来年もゆうばりに来たいですね。

松岡:「お帰り! ただいま!」ってやりたいです。今年は作品がありませんでしたが、来年は作品を持って、文化祭みたいに「何時から上映です!」って言いたいです。母が北海道出身なので、母の地元のお祭りに参加できて幸せでした。

(text&photo:磯部正和)

松岡茉優
松岡茉優
まつおか・まゆ

1995年2月16日生まれ、東京都出身。2008年テレビ東京の『おはスタ』で“おはガール”を務める。13年、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』に出演し、注目される。16年NHK大河ドラマ『真田丸』で主人公・真田信繁の正室・春役を演じる。『ちはやふる』3部作(16年、18年)に出演し、『勝手にふるえてろ』(17年)で映画初主演を果たす。第71回カンヌ映画祭パルムドール受賞の話題作『万引き家族』にも出演。白石和彌監督の『ひとよ』が11月8日より公開される。