夫婦の日記を交互に示す手法で性の深奥を描きだした谷崎潤一郎の「鍵」。市川崑、神代辰巳、池田敏春ら名手によって幾度となく映像化されてきた官能純文学の金字塔が、谷崎生誕140周年を迎える今年、大胆なアレンジを加えたオリジナルストーリーとして令和に蘇ることが決まった。
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・【動画】日記に綴られた“妻の欲望”を盗み見た瞬間…谷崎潤一郎原作/映画『鍵』
「郁子を抱きたい。でも思うように抱けない」

「俺が死んだ後、誰かに抱かれるなんて我慢できない。どうすればいい?」
工務店を営む剣持耕三は医者に余命半年の宣告を受ける。歳の離れた妻・郁子を案じた剣持は、部下の木村と郁子を浮気させようと画策する。


思惑通りに事が運ぶも、どうしても郁子への想いを捨てきれない剣持は、次第に嫉妬を募らせていく。さらに郁子の日記を盗み見ると、そこには木村の肉体に強く惹かれる郁子の気持ちが赤裸々に綴られていた。死を前に燃え上がる男の執着と偏愛の行き着く先は……。


余命宣告を受けた主人公・剣持を演じるのは映画・TVドラマ・舞台と幅広い分野で変幻自在の演技をみせる吹越満。死を前に愛する女性を他人の手に委ねまいと嫉妬に身を焦がす不器用な主人公をユーモラスに演じた。
剣持の年の離れた妻・郁子を『海の沈黙』で映画初出演ながら存在感を残した菅野恵が大胆に演じるほか、物語のキーパーソンとなる男性・木村に小出恵介が扮する。さらに、丸純子、那波隆史、佐倉萌、新藤まなみ、治田敦ら多彩な俳優陣が集結。耽美小説の世界に血を通わせる。
メガホンをとるのは、脚本・監督業30年目を迎えたいまおかしんじ。『真夏の果実』に続き松本稔と再びタッグを組み、温かな筆致はそのままに新境地を開いた。
解禁されたティザービジュアルは吹越演じる剣持、菅野演じる郁子それぞれの横顔が切り取られ、「嫉妬がとまらない」のコピーが添えられたもの。真剣でありつつも滑稽な剣持の執着と、郁子の秘めた欲望を暗示するようなビジュアルに仕上がった。
併せて公開された特報映像には、剣持がエンディングノートを綴る様子が映し出される。「郁子を抱きたい。でも思うように抱けない。俺はどうすればいいんだ」。死を前に揺れ動くその感情は執着か、純愛か。ラストには海に向かって歩みを進める剣持に向かって呼びかける郁子の声が。「行っちゃダメだよ!」。切なさも滲む本編の一端が垣間見える。

『鍵』は2026年6月12日より全国公開予定。
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