釜山国際映画祭で行定勲監督、三浦春馬らが舞台挨拶
第19回釜山国際映画祭正式招待作品の『真夜中の五分前』。この映画のオープントークが、映画祭期間中に海雲台(ヘウンデ)の海辺に設営された野外ステージで10月4日に行われ、1000人を超える観客が集まるなか、行定勲監督、三浦春馬、中国の若手女優リウ・シーシー(劉詩詩)、台湾の俳優チャン・シャオチュアン(ジョセフ・チャン/張孝全)が参加した。
本作は、行定監督がオール上海ロケで撮影に挑み、美しい双子の姉に恋をした日本人青年(三浦春馬)が迷い込んだ不可思議な愛の世界を描くロマンティックミステリー。舞台をアジアに移し、原作の良さを生かしながらも、妖艶さを加えて映像化した。
本作のタイトルについて行定監督は「0時は次の日への希望や生まれ変われるという意味があって、その5分間ということなんですが、それは、希望を持つまでの5分間でもある。つまり、不安やドキドキ、生まれ変われるかどうかの不確かさがこの5分にはあると思うんです。みんなが感じているそういった不安を描きたいと思いました」と説明。
キャスティングに関しては「三浦春馬は、以前から彼の作品を見ていて、今もっとも注目されている俳優ですし、今回一緒に仕事ができて良かったです」とコメント。「リウ・シーシーはプロデューサーから紹介されてお会いしたのですが、今回の役はとても特別な女性で、内面的な芝居ができる人でなければいけなかったのですが、この人ならこの繊細な役を演じることができると確信しました」と話し、ジョセフ(チャン)に関しては、「出演している作品はよく見ていて、いつか一緒に仕事したいと思っていました。(中国語のセリフということで)言葉の不安は付きまとっていましたが、実際に撮影に入ってみるとまったくなくなりました」と明かした。
また、「何より助けになったのは、三浦春馬が中国語を熱心に勉強してくれて、3ヵ月日本で、上海でも1週間取り組んでくれて、ニュアンスの違いまで表現してくれたこと」と明かすと、「この映画は人は人の何を愛しているのかを問う映画。自分が愛をもって接していても、本当にその人のが好きなのか、そういったことを考えていただくきっかけになればと思います」と語った。
一方、三浦は「僕が好きなシーンは、ルオランとルーメイ(双子)が教会で自分と向き合うシーン。マリア様が見下ろしているところに、このルオランとルーメイの2人が見上げて祈るこのシーンに、それぞれの心情の変化が現れるんです。そこがすごくよくて、ぜひ、注意深く見てほしいです」と話すと、自身の中国語に関しては「僕もちゃんと話せるわけではなく、ジェスチャーを交えながら、単語、単語をつなぎ合わせてなんとか話しているだけで……。笑いは所々にあったので、和やかな現場になったと思っています」と語った。
『真夜中の五分前』は本映画祭でのワールドプレミアを皮切りに、10月23日には中国公開されるほか、アジア各国での映画祭出品や劇場公開を予定。日本では12月27日より全国公開となる。
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