「この素晴らしい映画を届けたい」ケイト・ブランシェットが惚れ込んだ新しい才能!

#ヴェネチア国際映画祭#クリストス・ニク#ケイト・ブランシェット#ヨルゴス・ランティモス#リチャード・リンクレイター#林檎とポラロイド

(C)2020 Boo Productions and Lava Films

記憶を失う奇病が蔓延。口数の少ない男が治療を通して心に宿した思いとは?

第77回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門オープニング作品に選出されクリストス・ニク監督のデビュー作『林檎とポラロイド』が、3月11日より全国順次公開中だ。今回、本作品に惚れ込んでエグゼクティブ・プロデューサーに名乗りを上げたケイト・ブランシェットと、デビュー作とは思えない才能を見せたニク監督の対談映像第2弾が公開された。

・『林檎とポラロイド』に惚れ込んだケイト・ブランシェット×監督の対談第1弾

「お名前は?」「覚えていません」。バスの中で目覚めた男は、記憶を失っていた。覚えているのはリンゴが好きなことだけ。世界には記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延し、治療として「新しい自分」と呼ばれる回復プログラムが行われている。

男は毎日送られてくるカセットテープに吹き込まれた様々なミッションをこなしていく。自転車に乗る、仮装パーティーで友だちをつくる、ホラー映画を見る。そして、その新たな経験をポラロイドに記録する。様々なミッションをこなして行く中で、男は同じプログラムに参加する女と出会い、仲良くなっていく。

しかし、「新しい日常」に慣れてきた頃、男は忘れたはずの以前住んでいた番地をふと口にする。「哀しい記憶だけ失うことはできませんか?」。口数の少ない主人公が治療を通して心に宿した本当の思いとは?

監督のクリストス・ニクは、『6才のボクが、大人になるまで。』(14年)のリチャード・リンクレイターや『女王陛下のお気に入り』(18年)のヨルゴス・ランティモスの助監督を経験している。両監督譲りの奇抜なアイデアと人間への優しい眼差しを備えた本作品は、2020年ヴェネチア国際映画祭で上映されるや、「見事なまでに胸を打つ」(ガーディアン紙)、「魂のこもった今日性のある映画」(ヴァラエティ誌)と絶賛された。その評判を耳にしたブランシェットは、作品を見て監督に才能に惚れ込み、映画完成後にも関わらずエグゼクティブ・プロデューサーとして参加することとなった。

今回公開された映像は、ブランシェットとニク監督の対談映像第2弾。ヴェネチア映画祭で審査員長を務めていたブランシェットは、「胸を打たれたわ。完成度が高く心をつかまれた」「パンデミックで記憶について考えさせられた」と作品を評価する。そして「人とのつながりや自分探しをテーマにした映画」だと考え、「多くの人々にこの素晴らしい映画を届けたい」と自らプロデューサーに名乗り出たと明かす。

一方、映画の世界観について問われたニク監督は、「テクノロジーは記憶に影響を与えている。昔は多くの電話番号を覚えていたのに、(いまでは)1つ2つもすぐに思い出せない。Googleマップで道を調べて、前回行った道順を思い出すことをしません」とテクノロジー社会に危機感を訴え、「昔ながらの方法で映画を作るのが好きで、自分の世界からテクノロジーをなくします」と語った。

『林檎とポラロイド』は3月11日より全国順次公開中。

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