『ナポレオンと私』濱正悟インタビュー

英雄ナポレオン役でアラサー女子を応援、 ツンデレ加減も絶妙!!

#ゲーム#ナポレオンと私#濱正悟

濱正悟

なかなか出会える役ではないので貴重な経験でした

『ナポレオンと私』
2021年7月2日より全国公開
(C)CYBIRD

全世界でシリーズ累計会員数3000万人を突破したサイバードの恋愛ゲームアプリ「イケメンシリーズ」。現在12タイトルが配信されている大人気シリーズのスタッフが贈る初の実写映画『ナポレンオンと私』が7月2日より公開される。恋愛ゲームアプリの主人公が突然現実世界へ飛び出し、悩めるアラサー女子を応援するという妄想系ラブストーリーだ。

監督は『あの娘、早くババアになればいいのに』(13年)の頃安祐良。武田梨奈が主演を務め、ゲームアプリ「イケメンヴァンパイア 偉人たちと恋の誘惑」に声優として参加する染谷俊之が出演。濱正悟はゲームから現れた英雄ナポレオンを演じている。前向きな役柄を演じたことで影響を受けたという本作との出会いと撮影全般について語ってもらった。

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──そもそも「イケメンシリーズ」はご存じだったのでしょうか。また出演が決まった時の感想は?

:「イケメンシリーズ」は友だちが舞台版に出演していたので存在は知っていました。オーディションで選んでいただいたので出演が決まった時には嬉しかったですね。普通に役者をやっていたらなかなか出会える役ではないので、貴重な経験ですし、演じるのがすごく楽しみでした。
ゲームは出演が決まった時にアプリをダウンロードしてやってみましたが、いろんな発見がありましたね。 次のストーリーがどうなるのか気になりますし、やればやるだけ楽しめるという感じでした。

──演じたナポレオンは歴史上の偉人をモチーフにした恋愛ゲームに登場する二次元のキャラクターです。“ナポ”を演じるにあたりプレッシャーはあったのでしょうか。またどんな準備をされましたか。

:原作ファンの方が大勢いらっしゃるので、期待というか気持ちを裏切らないようにどう演じればいいのかという不安やドキドキ感はありました。僕は普段の動作が大きいので、クールなナポが動きすぎると説得力がなくなると思い、所作を繰り返し練習しました。それと撮影時は髪が短かったのでウィッグにして髪とか目もちょっと色を変えてと、ナポの衣装全般は0から作っていく段階から関わっています。

──主人公の春子は自分に自信が持てずに悩んでしまい、一歩を踏み出せなくなっています。そんな春子にナポの言葉の数々が勇気を与えますが、見ているこちら側の心にも響いた気がします。
濱正悟

:僕も最初に台本を読んだ時に、セリフだったりシーンだったりがまるで自分に言われているような印象を持ちました。演じる側としてはそれを“ナポ”として伝えるということを意識しましたし、そもそもセリフとして説得力がある言葉だったので、それに身を任せて演じました。
一番印象に残っているセリフは「お前がいつの日か出会う災いは、お前がいつの日か疎かにしたある時間の報いだ」ですね。実は作品の中でナポは当たり前のことしか言ってないんですけど、当たり前のことって意外と見落としがちで、見失いがち。それに気づかせてくれるのがナポレオンであり、そんな中でのこの名言はやっぱり一番グッとくるセリフ。でもお仕着せがましくならないように、がっつりではなくサラっと言うようにしました。

──橋の上で春子に優しく靴を履かせてくれるシーンはかなりの破壊力がありましたが。

:あのシーンは特に監督もサイバードの皆さんもすごくこだわったシーンでした。靴の履かせ方やひざまずくポーズも「こっちの方が美しいよね」とかいろんな話をして。夕方で太陽が沈む前で撮影も少し“押して”いる状態で、春子とナポの動きがありつつもワンカットのシーンなので、入念に練習して本番は1テイクでいけました。結構緊張感があったんですが、ナポとしては息を吸うように自然にさりげなくやらないとだなぁ、と思って演じたシーンですね。

──靴が脱げた春子に「鈍くさい奴だな」と言いつつも……という、ツンデレ具合が絶妙でした。

:やれやれっていう感じを出しつつも、「やっぱりほっとけないよ」という流れでした。ナポレオンは厳しく現実的ながら優しさのあるキャラクターだと思うので、その優しさをどこで出すかと考えるとああいう仕草になるのかなと。あの場で春子に「岩田との恋を応援する」と告げるんですが、そこからはナポとしても人間味を出していきたいねという話を監督としていて。いろんな表情だったり気持ちだったりを大きく表現したので、僕としても注目してほしいシーンですね。

前向きになることの大切さと新しい価値観に出会えた作品

──ナポの出演シーンは長回しが多かった気がします。一番印象に残っているシーンを挙げるとしたら?

:岩田と春子がデートをした後に、ナポが「遅かったから迎えに来た…」から始まるシーンがすごく印象的ですね。多分一番長いワンカットなんじゃないかな。位置決めからその後の展開なんかも決めつつ、でもセリフも結構あって。セリフを言い終えることを考えながらも動かないといけないし、撮る側も音の問題も含めていろいろなタイミングが複雑に関係していてキャスト・スタッフ一致団結したのですごく印象に残っているシーンですね。それに一度コロナで延期してからの撮影だったんですが、たまたまイルミネーションのライトアップも重なって、結果的にいろんな意味でタイミングに恵まれたシーンだと思っています。

──改めてナポレオンを演じて苦労した点、良かった点はどんなところでしょうか。
濱正悟

:苦労した点は、こういう胸キュン系のラブストーリーで“頭ぽんぽん”とかプライベートはもちろん仕事でもほとんどしたことがなかったので、そこはハードルが高かったですね。
良かった点は、ポジティブに生きていくことって意外と難しいけど、すごく大事なことだなあと改めて思えたことですね。そしてナポレオンを演じる上で自分の意識にはなかったいろいろなアドバイスをもらうことで、「面白いな」と感じるような新しい価値観も発見できたので、頃安組の皆さんと出会えたことがなにより良かったです。

──今後の目標と、これからご覧になる方へのメッセージをお願いします。

:目標としては、演じたことがない役柄は全部やってみたいので、いろいろな役に巡り合えたら。特に、武田さんが出演していたYouTubeの動画がめちゃくちゃかっこ良くて憧れたので、アクションは挑戦してみたいです。
本作は春子が成長していく物語なんですけれども、ナポレオンとか岩田とか濃いキャラクターが様々に関係していてすごく面白いと思うので、ぜひ楽しんでいただけたら。さらにポジティブになれる映画だと思うので、観た後に何か一つでも新しい行動を起こすきっかけになったら嬉しいですね。

(text:足立美由紀)

濱正悟
濱正悟
はま・しょうご

1994年8月22日生まれ、東京都出身。2015 年にGirlsAward×avex『BoysAward Audition』で特別賞を受賞してデビュー。スーパー戦隊シリーズ「快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー」のルパンブルー/宵町透真役でブレイク。『人狼ゲーム プリズン・ブレイク』(16年)でスクリーンデビューを飾り、『転がるビー玉』(19年)、『酔うと化け物になる父がつらい』(20年)、『真・鮫島事件』(20年)などに出演。ドラマ・映画・CMと活躍の幅を広げている。