『Bittersand』萩原利久インタビュー

高い演技力が光るネクストブレイク筆頭株を直撃

#Bittersand#萩原利久

萩原利久

ナイーヴな子だと思われがちだったんですけど、意外とそんなことはない

『Bittersand』
2021年6月25日より全国順次公開
(C)Bittersand 制作委員会

『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の井上祐貴、『3年A組—今から皆さんは、人質です—』の萩原利久、『劇場版ウルトラマンR/Bセレクト!絆のクリスタル』の木下彩音ら、次世代を担う若手俳優たちが共演する映画『Bittersand』が6月25日より公開される。

高校時代の忌まわしい記憶から逃れられないまま、25歳になった若者たちが、過去の記憶を塗り替えるために、不器用ながらも必死に向き合う様子をビターに、かつミステリアスに描き出した青春映画となっている。そこで今回は、井上祐貴演じる主人公の暁人の悪友、井葉を演じる萩原利久に話を聞いた。

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──萩原さん演じる井葉は映画監督志望で、カメラを持って撮影しているシーンなどもありましたが、これを見て、ドラマ『3年A組 —今から皆さんは、人質です—』の逢沢を思い出してしまいました。もちろん両者の性格は全然違いますが、逢沢もカメラを持ってドキュメンタリー映像を撮影していましたよね。

萩原:懐かしい、カメラ持っていましたね(笑)。ただ逢沢に関しては、撮る事に対して使命感だったり、記録をしなきゃいけないという要素が強かったと思うんですが、井葉は言ってしまえば、自称映画監督ですからね。もちろん使命感も多少はあったかもしれないですが、それよりはもう少し自由に、自分の楽しみを追求するような役だったので。そういう意味では、同じカメラを回すといっても、意味合いはちょっと変わってくるかなと思います。

──萩原さん自身は映画を撮ってみたいという思いはあるんですか?

萩原:もちろん機会があればやってみたいとは思います。ただ、いろいろな現場でいろいろな監督さんを近くで見てきて、やはり監督ってすごいなと思いますし、なかなか手が出せないなという気持ちはありますよね。俳優はどちらかというと、まず台本があって、それをどう膨らませるか、ということで1を広げていくものですが、監督は現場のリーダーとして、0から1を作るものなので。井葉みたいに趣味でやっている感じだったら、なんとなく日常でもできそうですけど(笑)。

──杉岡知哉監督は、本作が長編映画初監督作となったわけですが、監督とはどのようなやりとりをしたんですか?

萩原:監督とはすごくコミュニケーションをとっていました。井葉の出方によって、そのシーンの先々のテンポ感やテンションが結構変わってしまうので。特に最後の方などはある意味、空気を読んじゃいけない。井葉がぶった切らなきゃいけなかったので。そういう意味でやりすぎとか、もっとやってほしいというようなやりとりがあったんですけど、そこは監督が明確に線を引いてくれたので何でもできました。だからすごくやりやすかったですし、ありがたかったです。

──萩原さんが過去に出演してきた作品ではわりとナイーヴな役柄が多かったように思うのですが、井葉という役は結構はっちゃけていて。萩原さんとしても新たな一面だったように思ったのですが。

萩原:そうですね。今までなかなかやったことないジャンルのキャラクターでした。確かに今までナイーヴな役が多かったせいか、初対面の時にナイーヴな子だと思われがちだったんですけど、自分自身は意外とそんなことはなくて。テンションという面だけで言うなら、ナイーヴというよりは井葉の方に近いのかもしれないです。もちろん僕はあそこまで破天荒に何でもやるわけではないので、キャラクターという面では自分と一緒だとは思わないんですけど、役として作りあげる部分と、自分の中にある部分の間をうまく探しながら演じられたかなと思います。

年齢不詳になりたい、幅広い年齢を演じられるようになりたい

──ここ数年、主役としてドラマや映画に出演するなど、俳優として重要な役を担う機会も増えてきていると思いますが、そういう意味で心境の変化はありますか?

萩原:それこそ10代の頃は制服を着る機会が多かったというか。やはり役として高校生を演じることが圧倒的に多かったんですが、ここ1年ぐらいで、社会人だったり、実年齢よりちょっと上だったり、という役もやらせていただくようになってきました。そういう意味ではすごく挑戦をできるようになったかなと思います。ある意味、高校生というのは自分も経験してきたので、共感できる部分や、引っ張ってこれるものもたくさんあったんですけど、未経験なものを演じる機会もだんだん増えてきたので、そういうところでは変化を感じてますね。

萩原利久

──本作では、17歳と25歳という役柄を演じています。萩原さんは今、ちょうどその中間である22歳ということで、やりやすさ、やりにくさというものがあったのではないかと思うのですが。

萩原:最近はある意味、年齢不詳になりたいという気持ちはありますね。それこそ自分が高校生だった時はただ立っているだけで高校生に見えたかもしれないけど、今はもう年齢も違うので、ただ立ってるだけでは高校生に見えないかもしれない。そういう意味ではどうやって高校生に見せるかというか、年齢というものはやはり意識するようになったのかなと思います。17〜18歳くらいから、上は25〜26歳まで演じられるように、幅を利かせられるようになりたいなと思っています。

萩原利久

──学園物となると同世代の役者との共演が多いと思いますし、本作でも同世代の役者が多数出演していました。そうした同世代の役者から受ける刺激はありますか?

萩原:やはりありますよ。同世代との共演は全然違います。コミュニケーションを取りやすい分、その人のことをよく知ることができるというか。共通の話題もたくさんありますし、役のことについても、わりとラフにコミュニケーションが取れるので。この人はこんなことを考えているんだとも思いますし。シンプルに刺激を受けるので、それがもちろんモチベーションになります。この人がこれだけやってくるなら、僕もこれだけやってみよう、みたいなものは常々感じることがあったので。相乗効果じゃないですけど、やはり特別ですね、同世代の集まる現場というのは楽しいです。

(text:壬生智裕/photo:谷岡康則

萩原利久
萩原利久
はぎわら・りく

1999年、埼玉県生まれ。2008年デビュー。主な出演作にドラマ『3年A組—今から皆さんは、人質です—』(19年)、『大江戸スチームパンク』(20年)、舞台「お気に召すまま -As You Like It-」(19年)、映画『帝一の國』(17年)、『アイネクライネナハトムジーク』(19年)、『十二人の死にたい子どもたち』(19年)、『恐怖人形』(19年)、『花束みたいな恋をした』(21年)、Huluオリジナル『息をひそめて』(21年)など多数。