余命わずかな旧友から届いた日記 20年以上の時を経て明かされる思い
ゲイ当事者の視点から人間の本質を捉えた映画『半端者』が、2026年9月4日よりMorc阿佐ヶ谷にて劇場公開されることが決定した。あわせて、キービジュアルと予告編、場面写真が解禁され、東慶太監督からコメントも到着した。
・東慶太監督が全額自費で10年をかけて映画化した『半端者』の場面写真を見る
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本作は、自身の内面と向き合い、男性同性愛者の本質を捉えることに重点を置いて書かれた原作を、著者である東慶太が全額自費で10年をかけて映画化した作品。
居場所を探し続ける主人公・英太を中心に、一つの過ちをきっかけに人々の運命が狂い始める。4つの年代が交錯する時間軸と、語り手の視点が入れ替わる構成を通して、抑圧や共感、時代とともに変化する人間関係を描写。ゲイをめぐる画一的な描かれ方に一石を投じるとともに、社会の中で自分らしく生きることの「正しさ」に潜む「ゆがみ」にまで踏み込んでいく。

妻と息子と暮らす神林大智のもとに、ある日、身に覚えのない小包が届く。中に入っていたのは、20年以上前に関係を断った友人・五十嵐英太の日記だった。余命いくばくもない英太に代わり、ホスピスの看護師から送られてきたその日記には、高校時代から病に侵されるまでの彼の人生が綴られていた。大智は読み進めるうち、英太が同性愛者として抱えてきた苦悩を知ることになる。
高校時代、英太は同級生で柔道部員の優輝に恋をする。しかし、その思いが周囲に知られたことで壮絶ないじめに遭う一方、優輝の恋人・理沙とは次第に心を通わせていく。
卒業後、1人で上京した英太は困窮の末に倒れ、当時大学生だった大智に助けられる。その後、大智のアパートに居候し、数年間をともに過ごすうち、2人の関係にも変化が訪れる。

そして現在、英太の日記を読む大智もまた、妻や思春期の息子・拓海との関係に悩んでいた。拓海は小学校時代の同級生をいじめていたことが発覚し、叱責されたことをきっかけに不登校となっていた。息子の気持ちを理解できずに苦しむ大智は、かつて英太の感情を受け止められなかった後悔と向き合いながら、他者を理解することの難しさを突きつけられる。愛とは何か、幸せとは何か。当たり前だと思っていたものが、静かに揺らぎ始める――。
高校時代から同性を愛することに悩み、葛藤する主人公・五十嵐英太を演じるのは、主演映画『海抜』(18年)で評価を受け、舞台でも活躍する阿部倫士。英太が大学時代に思いを寄せる神林大智役には、俳優に加えて脚本家、監督としても活動する遠藤祐太朗。神林の息子で、大きな問題を引き起こす神林拓海役には、2025年にオリジナルミュージカル『カミヒト』を舞台化し、「最年少の舞台プロデューサー」としてギネス世界記録に認定された高梨元秀が名を連ねる。

■東慶太(監督)
社会的マイノリティとしての自身の体験、家族や友人、社会で起きた事柄をベースに、一人の男の半生を綴ったフィクションとして、2017年に小説「半端者」を自費出版し、悲願だった映画化がついに叶いました。
全額自費での製作で、初監督だったこともあり、孤独な闘いも多かったです。また、制作途中で新型コロナウイルスが猛威を振るい無期限の延期という緊急事態を始め、様々な障壁がありましたが、何とか乗り越え、公開まで漕ぎつけたことは感無量です。
本作は、私自身を反映したゲイの人物が登場しますが、性的マイノリティの啓発活動ではなく、より幅広く一般社会に馴染めない人々の心理を浮かび上がらせ、「愛」とは何か、「幸せ」とは何か、を問いかけるために制作しました。
生きることに悩みを抱えている方、そうでない方にも、自己を見つめ直し、よりよい未来に向かっていくための思考を再構築する切っ掛けになり得る作品です。厳しい世界を描いた部分もありますが、次世代への希望を託した本作を、一人でも多くの方に届けられることを念じてやみません。皆様、よろしくお願い申し上げます!
『半端者』は2026年9月4日よりMorc阿佐ヶ谷にて劇場公開。
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