無垢な子どもたちの恐るべき暴走! 取り返しのつかない“衝撃の夏休み”が始まる 映画賞総なめの話題作『イノセンツ』

#イノセンツ#エスキル・フォクト#ホラー#ヨアキム・トリアー#北欧#映画

『イノセンツ』
(C)2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES

『ミッドサマー』『ハッチングー孵化ー』などに続く北欧スリラー最新作

アカデミー賞脚本賞にノミネートされた北欧の新たなる鬼才エスキル・フォクト監督の最新作にして、世界の映画賞を総なめにしたサイキック・スリラー映画『イノセンツ』。本作より日本版ビジュアルと30秒予告を紹介する。

・[動画]大友克洋『童夢』から着想、北欧サイキック・スリラー『イノセンツ』予告編

・子どもの“遊び“が狂気に変わる! 大友克洋「童夢」にインスパイアされた北欧サイキック・スリラー

本作は、ジャンル映画ながらそのクオリティの高さを世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラー。2021年第74回カンヌ国際映画祭ある視点部門正式出品、2022年ノルウェーのアカデミー賞と称されるアマンダ賞で、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞。世界の映画祭で16映画賞を受賞し、アメリカの批評家サイトRottenTomatoesでは満足度96%を獲得した。

ノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友だちになった4人の子どもたちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった…。

監督を務めたのは、『わたしは最悪。』(21年)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、これまで『母の残像』(15年)『テルマ』(17年)『わたしは最悪。』の共同脚本をトリアー監督と共に手がけてきた。本作はフォクト監督の長編2作目となり、監督作品としては日本劇場初公開となる。

団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げる物語と言えば、大友克洋の傑作漫画「童夢」を想起する人も多いはずだが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げた。

紹介する予告は、両親と重い自閉症でまったく言葉を話せない姉アナとともに緑豊かな郊外の団地に引っ越してきた9歳の少女イーダに、同じ団地の別棟に住むベンが「いいもの見たい?」と声を掛けるところから始まる。

無邪気に森の中で遊び始めるベンとイーダ。ベンがイーダが構えた木の棒の方に向けて力を込めると、真っ二つに木が折れ、2人は大興奮する。実はベンは心の中で念じただけで、小石などの物体を動かすことができる特殊な能力を持っていたのだ。

魔法のような力に驚いたイーダは、たちまちベンと親しくなり、大人たちの目が届かないところで、サイキック・パワーのテストを繰り返していく。しかし、他人を自在に操れるようになったベンのネガティヴな想念が暴走し、もはやとどまるところを知らずにふくれ上がり過激になっていく──。

「やめてママ!」と怯えるアイシャ、突如吠え出す犬、指に抵抗し曲がる水、額から血を流す女性、ガラスを手で握り滴る血、倒れ込む少女…。これらは一体、何を表すのか? 遊びだった時間は次第にエスカレートし、取り返しのつかない狂気となり、“衝撃の夏休み”が始まるのだった。

日本版ビジュアルは、トリアー監督作『わたしは最悪。』も手がけたアートディレクターの石井勇一がデザインを担当。重力に反し、逆さまになった少年少女が住む団地とブランコの前に、仰向けでブランコに乗る少女の姿が不穏にたたずむ。重力がぐちゃぐちゃになった世界に、ところどころ半転した「大人には、秘密。」の文字が。一筋縄ではいかないドラマを予感させるビジュアルに仕上がっている。

映画『イノセンツ』は7月28日より全国公開。

INTERVIEW