建築家ビャルケ・インゲルスのキャラクター性にも注目!

映画『コペンハーゲンに山を』は、完成までの過程での苦難の連続を追う。ゴミ焼却発電所とスキー場はどう建造物として共存できるのか? 予算内に完成できるのか? 次々と疑問や課題が⼭積みになっていく。

・ジョシュ・ハートネット主演、サバイバル史に残る衝撃の実話/映画『マイナス21℃』本編映像

2011 年、デンマークの⾸都コペンハーゲンにある⽼朽化したゴミ処理施設建て替えのコンペ結果発表会が⾏われた。満場一致で決まった優勝者は、デンマークのスター建築家ビャルケ・インゲルス率いるBIG建築事務所。彼らのアイデアは、巨⼤なゴミ焼却発電所の屋根にスキー場を併設し、コペンハーゲンに新たなランドマークを作るという、実に奇抜なものだった。

本作の監督を務めたのは、キャスパー・アストラップ・シュローダー、ライケ・セリン・フォクダルの2人。「私たちは、建物が主役の映画を作りました。発電所のような技術的に複雑なものと、コペンハーゲンの人々を集める社会的な遊び場を組み合わせるプロセスを探求しました。この発電所は、未来の発電所の建設⽅法を変える可能性があります。この映画を制作するにあたり、これほど壮⼤なものには、イメージも、ストーリーの伝え⽅も思い切った決断が必要でした」と語った。

さらに、「建築を題材にした映画を作るのは、常にチャレンジングなことです。基本的に死んでいるものを、映画という⼿段で生き返らせなければならないのですから。しかし、この建物の建設に関わった人々は、時に対⽴し、同時に多様な意⾒を提⽰できる、映画にとって興味深い登場⼈物であることがわかりました。この建物は、ビャルケ・インゲルスが考案し、ウラ・レトガーが⽣活のために逆境に⽴たされても、それを⽀えたからこそ実現したものです。私たちは、このようなユニークな建物を建てることの複雑さを知ってもらい、強いイメージと⼒強い⾳楽が、このプロジェクトと同じくらい壮⼤なものとして映画を盛り上げてくれるような、そんな映画体験にしていきたいと思いました。そのために、リムスキー=コルサコフの交響曲で構成される章立ての映画にしました」と、そのこだわりを語った。

『コペンハーゲンに山を』は2023年1⽉14⽇公開。