“ムーミン”のはじまりは、走り書きのイラスト。一人の女性との出会いが運命を変えた

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トーベの人生、そして創作の秘密とは

日本を始め世界中で愛されているムーミンの物語。原作者である、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの半生を描いた映画『TOVE/トーベ』が2021年10月1日より公開される。 “ムーミン谷のキャラクターたち”が、著名な舞台演出家ヴィヴィカ・バンドラーとの出会いによってその魅力を発見されるシーンを捉えた本編映像が解禁となった。

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本国フィンランドでは公開されるや大絶賛で迎えられ、スウェーデン語で描かれたフィンランド映画としては史上最高のオープニング成績を記録。第93回アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表へ選出されたのをはじめ、数々の映画賞を席巻した本作。

公開された映像では、トーベの部屋で偶然見つけた走り書きのようなイラストに興味津々のヴィヴィカ。そこに描かれた不思議な風貌の生き物について尋ねると「モラン(女の魔物)」「触れるものを氷に変えるの」だとトーべは説明する も、あくまでもそのイラストは「本業の合間の気分転換」だと受け流す。しかし、どうしてもそのイラストのことが気になるヴィヴィカ。もっと見せて欲しいとリクエストするがそのイラストに価値を感じていないトーベはからかわれていると勘違いし「私には財産なんてない」「これは食べるためよ」と抵抗、油絵を「これが私」だと主張する。

トーベがヴィヴィカに見せるイラストの中の1枚には、「たのしいムーミン一家」(1948 年)の中の挿絵の1枚、ムーミンと一緒にうっとりと美しいルビーを見つめる「トフスラン」と「ビフスラン」の姿もあり、 トーベ自身は気分転換のつもりで書き留めていたキャラクターたちが、ヴィヴィカとの出会いによってその魅力を“発見”、今や世界中で愛される“ムーミン谷”のキャラクターたちが世の中に出ていくきっかけとなったシーンが映し出されている。

父との軋轢、ヴィヴィカとの激しい恋…。

第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて彼女は爆撃で廃墟と化したアトリエを借り、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでゆく。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い激しい恋に落ちる。

それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった。

『TOVE/トーベ』は2021年10月1日より公開。