宮崎駿作品や『この世界の片隅に』に影響受けた、賞総ナメのフランスアニメ「日本での公開に興奮しています」

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ジュゼップ 戦場の画家
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ジュゼップ 戦場の画家
ジュゼップ 戦場の画家
ジュゼップ 戦場の画家

宮崎駿作品や『この世界の片隅に』からもインスパイア

セザール賞長編アニメーション賞などヨーロッパの映画賞を総ナメし、「東京アニメアワードフェスティバル2021」でも絶賛されたオーレル監督の長編アニメーションデビュー作『ジュゼップ 戦場の画家』が、8月13日より公開中だ。このたび、オーレル監督からコメントおよびメッセージ映像が届いた。

・色のない強制収容所で、実在の画家が青い手の女性画家を夢見る…「あなたの指は唇みたい」

オーレル監督は、主人公の画家ジュゼップ・バルトリが実際に強制収容所で過酷な日々を送ったことを描いた点について、「収容所での暗いシーンは映画のメインテーマではない」と説明。ジュゼップの人生に深みを与える一種の時代背景であり、有刺鉄線を超えた友情、フリーダ・カーロとの隔てられた恋をより濃密かつ象徴的に示したかったとその意図を明かす。

ジュゼップ 戦場の画家

オーレル監督

また、かつて収容所の憲兵だったセルジュの孫であるヴァランタンというキャラクターについては、まさに“戦争の語り部”としての役割を与えたと説明。

「スペイン内戦については、スペイン、フランスでほとんど語られてこなかった歴史です。セルジュの過去を通して、戦争の悲惨さを語り継ぎ、歴史を継承していくことの大切さを表現したかったのです。また、ヴァランタンを通してこの物語が進んでいくので、彼は言わば“観客の視点”を体現しているのです」

ジュゼップ 戦場の画家

そんなオーレル監督が影響を受けたアニメーション映画について問われると、「アニメというジャンルに縛られず、あらゆる作品からインスパイアされています」としながらも、宮崎駿監督作品、片渕須直監督『この世界の片隅に』を挙げる。また、パルムドール受賞のケン・ローチ監督や『キリマンジャロの雪』ロベール・ゲディギャン監督といった社会派作品からも影響を受けたと語っている。

イラストレーターとして日本に思い入れ「東京アニメアワードグランプリは光栄でした」

こうしたメッセージと共に、オーレル監督は日本のファンに向けて動画でもメッセージを寄せてくれた。

「日本での公開に興奮しています」と語るオーレル監督は、イラストレーターとして日本への思い入れが強く、「東京アニメアワードグランプリは光栄でした」と思いを打ち明けている。

そして「本作はデッサンがテーマなので、日本での公開は格別の思いです。日本は、漫画・アニメの大国ですから、皆さんの反応がとても気になります。どんな感想でも是非聞かせて下さい」と笑顔で語りかけてくれた。

実在の画家ジュゼップ・バルトリの生き様描く感動作

本作品の舞台は、1939年2月のスペイン内戦を逃れた大勢の難民が押し寄せた南フランス。フランス政府によって強制収容所に入れられた難民たちは、劣悪な環境のもとで飢えや病気に苦しみ、監視役のフランス人憲兵たちにより虐待が加えられていた。そんな中、粗末な小屋の壁や地面に黙々と絵を描いているジュゼップ・バルトリという画家がいた。新米の憲兵セルジュは先輩の憲兵たちの目を盗み、ジュゼップに紙と鉛筆を与え、ふたりの間にはいつしか有刺鉄線を越えた友情が芽生える。セルジュは、ジュゼップがスペイン脱出のとき離ればなれになった婚約者がいたことを知り、再会を夢見る切なる思いに触れ、彼女を探すのを手伝うが……。

『ジュゼップ 戦場の画家』は、8月13日より公開中。