『何食べ』ファンからも悲しみの声、シロさん父親役俳優が死去

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『きのう何食べた?』5話まで父親役を演じていた志賀廣太郎
『きのう何食べた?』5話まで父親役を演じていた志賀廣太郎

名バイプレイヤーとして活躍した俳優の志賀廣太郎が、4月20日、誤嚥(ごえん)性肺炎で死去していたことがわかった。俳優としてはまだまだ活躍できる71歳だった。

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名前だけでピンとこない方でも、トレードマークのバーコードヘアとメガネの姿を見ればすぐにわかるだろう。テレビ東京の人気ドラマシリーズ『三匹のおっさん』で彼を知る方も多いと思う。

彼は、同じテレビ東京のドラマシリーズ『きのう何食べた?』でメインキャラクターである筧史朗の父親役も演じていた。こちらも好評だったが、2019年春に志賀が脳梗塞で倒れたため第5話までの出演となり、後半は田山涼成が代役を務めている。

『きのう何食べた?』は同棲しているゲイカップルの日常を、毎回料理シーンを入れながら綴ったドラマだ。ゲイカップルの片方である筧史朗は弁護士で職場ではゲイであることをオープンにしておらず、両親もとても保守的で息子がゲイであることをポジティブに受け入れてはいない。

母親は梶芽衣子が演じ、なかなかアグレッシブな性格で史朗に歩み寄ろうとしつつ空回りして逆に彼を傷つけたりしている。それに対して志賀が演じる父親は控えめで柔和な性格で言葉数も少なく、史朗との会話の内容は主に電子機器やスマホの使い方という、ある種よくいるお父さんだ。

物腰は柔らかいが同性愛に対して理解があるかというとそんなことはなく、見当違いな発言もする。志賀は原作の父親のイメージの飄々としていてすっとぼけた雰囲気をうまく醸し出していた。いかにもコミカルな田山も悪くなかったのだが、個人的には志賀のほんわかしていて間の抜けたお父さん像が好きだった。

脳梗塞で倒れたのち復帰に向けてリハビリを行なっていたそうだが、かなわぬこととなった。非常に残念だ。(文:入江奈々/ライター)