大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督が黒澤監督を見習ってわがまま宣言!

左から大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督
左から大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督
左から大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督
大友啓史監督
山崎貴監督
李相日監督
大友啓史監督
山崎貴監督
李相日監督
大友啓史監督
山崎貴監督
李相日監督
左から大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督

10月26日、現在開催中の第27回東京国際映画祭で故・黒澤明監督の名作『七人の侍』特別上映トークイベントが開催され、同映画祭が独自に選出した日本を代表する「7人の監督」のうち大友啓史監督、山崎貴監督、李相日監督が参加。黒澤映画の魅力や、日本映画の現状を語った。

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東京国際映画祭が、海外に発信したい日本を代表する映画監督として選んだ、山崎貴、吉田大八、大友啓史、中島哲也、羽住英一郎、三池崇史、李相日の「7人の監督」。この日は、その中から、大友、山崎、李の3監督がイベントに出席したが、彼らは口をそろえて黒澤監督の最大の魅力を「作品のためには妥協しないこと」だと言う。

現在、映画『るろうに剣心』シリーズが大ヒットしている大友監督は「時代劇は、衣装や作法が役者になじむまでに時間がかかる。黒澤さんの映画は、その準備に時間をかけているのが、作品を通じて厚みとして伝わってくる」と語ると「黒澤監督は、本読みも衣装を着てやったりしてたんですよね。(今の時代は役者のスケジュール的な問題もあり)なかなか難しいことだけど、近づけるように頑張りたいです」と今後の映画作りに思いを馳せた。

本映画祭で『STAND BY ME ドラえもん』と『寄生獣』が上映される山崎監督は「黒澤監督は映画スタジオと戦いながら撮っていた。それは現代だとわがままだと言われるのかもしれませんが、作品の中に、見えてくるものがある。監督とはわがままじゃないといけない職業なのかもしれない。今後は意図してわがままになろうと思います」と笑顔ながらも、強い意志で映画作りに臨むことを宣言した。

李監督は、山崎監督から「結構わがままにやっているって聞いてるよ」と振られると、苦笑いを浮かべつつも「黒澤監督は、俳優から本物を引き出すために徹底的にやるということがすごい。例えば、漁師の役をやってもらうとき、忙しい俳優さんを使った場合、撮影前1ヵ月くらい沖に出てくださいって言えないじゃないですか。もしそんなことしたら、フリーランスの僕らはいなくなっちゃう。どこかで戦いつつも落としどころを見つけないと(映画監督を)続けられなですよね」と映画制作の現状を面白おかしく解説した。

黒澤監督の妥協しない映画作りへの尊敬の念と、プロデューサー主導で大枠が決まっている映画制作の現状。大友監督は「それを悪いことと捉えるのではなく、作品の種類によって監督がどのパターンで勝負していくかを選んでいくことが大事だと思います。作るものに対しては正直に、そうでないところはズルくしていかないといけないのかなって思います」と持論を展開した。

第27回東京国際映画祭は10月31日まで開催中。(text&photo 磯部正和)

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