世界最高峰メゾン・ディオールの“オートクチュール”を手がけるお針子たちの朝…ピリリとした緊張と規律が流れる仕事の現場とは?

#オートクチュール#シルヴィー・オハヨン#ディオール#ナタリー・バイ#リナ・クードリ#パリ#ファッション#フランス映画

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孤独を抱えながらも仕事に打ち込んできた女性と、夢を見ることさえ知らなかった少女。境遇も年齢も正反対のふたりの人生が、世界最高峰の一流メゾン・ディオールのアトリエを舞台に交差する『オートクチュール』が325日より全国公開される。今回、本編映像が公開された。

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監督こだわりのセットにも注目「ムッシュ・ディオールの最初のアトリエのようなドラマチックなものを目指しました」

アトリエ責任者であるエステルは、次のコレクションを最後に退職が決まっている。準備に追われていたある朝、地下鉄で若い女性にハンドバッグをひったくられてしまう。犯人は郊外に住むジャド。警察に突き出してもよかった。しかし、滑らかに動く指にドレスを縫い上げる才能を直感したエステルは、ジャドを見習いとしてアトリエに迎え入れる。時に反発しながらも、時に母娘のように、そして親友のように、美の真髄を追い求め濃密な時間を過ごす2人だったが、ある日突然エステルが倒れてしまう。ショーは1週間後に迫っていた……。 

エステルを演じるのは、フランスを代表する大女優ナタリー・バイ。薔薇に話しかけて孤独を癒す寂しいプライベートと、アトリエに現れただけで空気がピンと張り詰める責任者としての鬼の二面を見事に演じ分けた。そして、わがままな母に振り回されながら、新しい仕事と生活に不器用に挑戦するジャドに、『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』で大注目のリナ・クードリ。本作品では大ベテランのバイ相手に罵り合う度胸のよさを見せる。

今回公開された本編映像では、誰もが憧れる世界最高峰メゾン、ディオールのアトリエにて、顧客のためだけに完全オーダーメイドでデザインされた高級服オートクチュールを手がけるお針子たちの朝が静かに、そして規則的に始まるシーンが映し出される。アトリエの責任者であるエステルが出勤をしたのは、定められた始業時間である8時の3分前。

チョコレートをひとつ口に入れて今日の仕事内容を入念に確認する姿に、彼女がプレッシャーを抱えた完璧主義者であることが見て取れる。そして、次々と出勤するお針子たちのしっかりとアイロンがかけられた白衣姿にも、爽やかな朝の風景の中にもピリリとした緊張感と規律が流れていることが分かり、世界最高峰メゾンと言われるアトリエの空気が存分に感じられるシーンとなっている。

そんなアトリエについて、監督のシルヴィー・オハヨンは、「使われなくなった省庁の中に、昔ながらのアトリエを作りました」と語る。現在のアトリエは、お針子たちの眼に負担がかからないよう、明るい光のニュートラルな空間になっているというが、本作品では「装飾的にもっと詩的なものを取り入れたかった」と言い、「フランソワ1世通りにあるムッシュ・ディオールの最初のアトリエのようなドラマチックなものを目指しました。金箔やモールディングを施したヴェルサイユ宮殿のような雰囲気です」と、アトリエのセットへの思いを語った。本編では、普段は目にすることがない、世界最高峰メゾンのドラマチックなアトリエの雰囲気もぜひ楽しんで見てみよう。 

『オートクチュール』は、325日より全国公開される。