『映画 みんな!エスパーだよ!』池田エライザ インタビュー

大胆かつ聡明なヒロインを演じ切った期待の若手女優を直撃!

#池田エライザ

オーディションでは、『落ちたら落ちただ!』って気持ちでした

鬼才・園子温監督作品から、新たなミューズが誕生した。その名は『映画 みんな!エスパーだよ!』で、主人公・嘉郎(染谷将太)の幼なじみ・平野美由紀を演じた池田エライザだ。

劇中では、超ミニスカートの制服姿で過激なシーンにも果敢にチャレンジ。多くの女優を世に送り出してきた園監督をして「今後とっても業界を揺るがすとてつもない存在になる」と断言するほど、その存在感は圧倒的だ。「自分を偽らずありのままでチャレンジした」と語る池田に、撮影エピソードやパーソナルなことを聞いた。

──オーディションにはどんな気持ちで臨んだのですか?

池田エライザ

池田:マネージャーさんから「園子温監督の『みんな!エスパーだよ!』のオーディションがあるけど受けるか?」と聞かれてたんです。園監督の作品ということで、それなりの覚悟も必要だし、ピンクシーンもあるだろうということも考えました。でも純粋に面白そうだなって思ったのでチャレンジしました。ただ、取り繕ってオーディションに行っても、見透かされてしまうだろうから、ありのまま、なるべく自分を偽らず臨もうと……。『落ちたら落ちただ!』って気持ちでしたね(笑)。

──見事ヒロインを勝ち取ったわけですが、プレッシャーはなかったですか?

池田:ありのままの自分を出してオーディションに臨んだので、それで選んでいただけたのなら「そのままの私で全力でやらせてもらいます。失礼いたします」みたな気持ちでしたね。尻込みしてしまって、自分のやりたいことをやれないのが一番悔しいと思ったので、余計なことを考えず「私が美由紀としてこの現場にいるんだ」ということを強く意識して撮影に挑みました。でも、最初、ドラマ版の雰囲気に飛び込んでいくのは緊張しましたね。

過激なシーンは「もう、やっちゃえ! やっちゃえ!って感じ」
『映画 みんな!エスパーだよ!』
(C)若杉公徳/講談社(c)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

──劇中では、下着姿で1人でコトに及ぶなど、過激なシーンもたくさんありましたが。

池田:もちろんすごく恥ずかしかったですよ。でもやるっきゃないでしょ(笑)。だって私の手元には台本があって、撮影のために毎日毎日準備しているスタッフさんがいて……。そのシーンが映画に重要ならば、あとは最高のシーンにすることに集中するだけ。もう、やっちゃえ! やっちゃえ!って感じです(笑)。

──園監督から演技指導は?

池田:基本的に段取りをやって、本番を撮って、面白かったらOKみたいな感じでしたが、感動的なシーンの時は、大きな声を出してもらって、気持ちを引き出していただきました。普段はモニターのところにいるのですが、そのシーンの時だけは、横に立って指導していだきました。

──そんな園監督は池田さんを絶賛していました。「エロイザ」ってフレーズも出てきましたね。

池田:ホゲーって感じ(笑)。なんでだろうって思いますね。園監督のセンサーにピピーンって引っかかった部分があったのかな? でも、園監督はシャイな方なので、あまりそういう褒め言葉を直接聞いたことはないですね。

──撮影に入る前に「楽しみたい」と意気込みを語っていましたが、いかがでしたか?
池田エライザ

池田:台本も本当に面白いし、みんなも面白がりながらやっていた現場。過激なシーンでも、少し楽しさを見出すことが上手くなった気がします。キツイんだけれど、頑張りたくなってしまう。映像の仕事の不思議なところだなって思いました。「何で私こんなに頑張っているんだろう」って思うんだけれど、やっていると楽しい、恋しちゃっているようなトキメキを感じていました。だから撮影が終わるときは、とても寂しくて「まだ続けばいいのに」って思っちゃいました。「良い現場」と言うと、言葉が薄っぺらいかもしれませんが、ハートフルで面白くて、楽しい現場でした。

──女優という仕事の魅力にとりつかれた?

池田:そうですね。この作品を見ていただいて、どんな仕事が舞い込んでいくのか、また自分がこれからどんなオーディションを受けていくのか、想像がつかないですが、ワクワクします。まだ私はガキんちょなので「これをやりたくない」というのではなく、自分の人生をより良くするという意味でも、色々なことをやっていきたいです。ピンクなシーンも楽しく乗り越えたのであれば、どんな仕事が来てもできるのかなって(笑)。

撮影中の園子温監督(左)と池田エライザ(右)

──もう怖いものがない?

池田:いやいや。怖いものだらけですよ。でもビビリだけれど、やるっきゃない! そうしているうちに強くなれたらいいかなって思います。

──この作品には、エロくてダメな男が可愛らしく描かれていますが、そういう男性をどう思いますか?

池田:美由紀は「オイ」って喝を入れる側ですが、私はいいんじゃないかなって思います。気まずいけれど、誰もが共感できる話。気取っているのも嫌だし、男子はそれでいいのかなって思いますね。

男子が思春期にエッチな妄想をするくらいは、健全だと思う
池田エライザ

──男兄弟はいますか?

池田:兄2人、弟1人なんです(笑)。

──それでは、思春期にエッチな妄想をする男子の気持ちは分かりますね。

池田:そのぐらいは健全じゃないですかね。この作品に出てくる男性はみんなピュアなので、根っこの部分に強い気落ちを持っている。その流れでの自然な行動なのでいいと思います。

──美由紀は人の心の声が聞こえてしまう能力を持っていますが、実際そうなったらどうですか?

池田:絶対嫌ですね。人と関わるのが嫌になっちゃうと思うんです。私は人と話すのが大好きなので、そんなの寂しい。その人の情報が増えてしまうと、偏見が生まれるので……。

──この能力を持っていれば、好意を持っている人の気持ちを知ることもできますし、自分の気持ちを察してもらえることもできますよね。

池田:それは大変ですね。私はあまり恋をするタイプではなかったのですが、幼稚園の年少さんから小学校5年生まで、ずっと好きな人がいたんです。8年間片思い。声もかけないし、目も合わせない。結構恥ずかしがり屋で、器用ではないんです。

──相手に想いを伝えようとはしないのですか?

池田:(消え入りそうな小声で)ないないない! 恥ずかしくてできないです。お願いだから気づかないでって思っていました。片思いで十分です(笑)。

『映画 みんな!エスパーだよ!』
(C)若杉公徳/講談社(c)2015「映画 みんな!エスパーだよ!」製作委員会

──染谷さんとの共演はいかがでしたか?

池田:染谷さんは完全に嘉郎でしたね。だからそこに身を委ねることができて、自分が予期していない感情が沸いてくるんです。声が大きくなったり、涙が出たり、自分の想定していない間が自然とできたりしました。

──自分にない感情を引き出されるというのは凄いことですね。

池田:みなさんその役になりきっているので、演技をしているというより、美由紀としてそこにいるという感覚になれるんですよね。ありがたい環境でした。

──この作品に出演したことによって得たものは多かったんじゃないでしょうか。

池田:日頃の行いが、演技に反映されるんだなって実感しました。引き出しを増やさないとダメだなって思ったので、色々なものを見るだけではなく、何を感じたのかをしっかり忘れないようにしたいです。それがモデルのお仕事なのか、文字のお仕事なのか、はたまた演技のお仕事なのか……。どちらにしても表現するお仕事をする限り大事なことだなって思いました。

池田エライザ

──劇中の制服姿でインタビューさせていただきましたが、今年の3月まで高校生だったのですよね? すごく短いスカートでの撮影はいかがでしたか?

池田:制服に関しては、肌を露出することにちょっぴり恥じらいを感じるタイプだったので、私生活では膝丈ちょっぴり上とかだったんです。でもこの制服は、スカートが短くて、何をしてもパンツがどうしても見えてしまう。恥ずかしくて最初は隠すようなそぶりをしていたのですが、途中であきらめました(笑)。こんなに短いなんてびっくりですよ!

──最後に見どころを。

池田:王道の青春コメディですので、みなさん楽しんでください!

(text&photo:磯部正和)

池田エライザ
池田エライザ
いけだ・えらいざ

1996年4月16日生まれ。福岡県出身。09年、ファッション誌「ニコラ」の第13回モデルオーディションで、1万4000人の中からグランプリを獲得し、同誌の専属モデルとしてデビュー。13年から18年3月号まで「CanCam」の専属モデルを務めた。2011年、『高校デビュー』で映画初出演。『映画 みんな!エスパーだよ!』(15年)のヒロインを演じ、『一礼して、キス』(17年)で映画初主演。映画は『オオカミ少女と黒王子』(16年)、『ReLIFE リライフ』(17年)、『ルームロンダリング』(18年)、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18年)、『億男』(18年)、『映画賭けグルイ』『貞子』(共に19年)などに出演。主演作『ぼくは麻理のなか』(17年)ほか、テレビや配信のドラマ、CMでも活躍し、NHK BSプレミアムの音楽番組『The Covers』で司会を担当。今年、映画監督デビュー作『夏、至るころ』が公開予定。