『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』記者会見

大ヒットファンタジーのスタッフ&キャストが来日!

『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』

この作品にかかわれたのは特別なこと(ベン・バーンズ)
  • 世界中で大ヒットしたファンタジー『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』の第2弾、『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』のプロモーションのため、スタッフ&キャストが来日。都内で記者会見を行った。チームワークの良さがにじみ出た和気あいあいとした会見だったが、兄妹役のウィリアム・モーズリーとジョージー・ヘンリーの仲むつまじさが印象的だった。

     

  • ──再び“ナルニア”に出演した感想は?
  • ジョージー・ヘンリー(以下、G):こういう記者会見も本当に緊張するのですが(笑)、初めての映画の現場に足を踏み入れるときにはとても緊張します。今回は2度目の現場に足を踏み入れたわけですが、前よりもずっと緊張しました。でも、現場で懐かしい顔を見たときはホッとしましたけど。
     
  • ウィリアム・モーズリー(以下、W):正直、前作の時には“素”の自分が多く出てしまっていたと思います。初めての映画撮影でしたし、いろいろな意味で多くの経験を積むことができました。撮影に入る前、前作と今回のナルニアは全然違うと聞いていましたが、今回のピーターは怒りを秘めているアンチヒーローです。そのため、撮影前にニューヨークでアクティングコーチに付き、3カ月半いろいろなことを学んで準備しました。準備万端で臨んだので、撮影もずいぶん楽しめたし、新しいチャレンジもいろいろとさせてもらえました。

    ──撮影の準備は、他にどのようなことをしたのですか?

  • W:今回の撮影は肉体的にとてもハードだと思っていたので、ボクシングのトレーニングを受けてからプラハでの撮影に入りました。プラハでも、様々なトレーニングをしました。1日おきに8マイル走り、2時間の筋トレも続けました。そして、10回目のテイクでも1回目と同じように元気よく撮影できるよう心がけました。実際の撮影ですが、アクションシーンの相手役の俳優さんは、カメラが回る前は結構結構ふざけているのです。でも、一旦カメラが回ると目がギラギラ光り、真剣に剣で責めてきます。僕は盾で自分を守りながら命がけで撮影をしていたのですが、撮影後、監督が「今のがすごく良かったからもう一度!」って言うんです(笑)。僕は命がけだったから、もう勘弁してほしいという気持ちで一杯だったのですが……。そんな感じのハードな撮影でした。

    ──ベン・バーンズさんにお聞きします。このような大作に主演した感想は?

  • ベン・バーンズ(以下、B):監督と同様、僕も8歳のときにこの物語を読み、様々なことを頭の中で想像したという記憶があります。そんな作品に関われたことはとても特別なことで、次の世代にこの物語を伝えていくことが大切だと感じています。これから、世界中のたくさんの人々がこの映画を見てくれるということにドキドキワクワクしています。

    ──プロデューサーのマーク・ジョンソンさんにおうかがいします。前作が世界的にヒットしたので、今回はプレッシャーも相当だったのではないですか?

  • マーク・ジョンソン:続編を作ることは、芸術的な側面やビジネス的な側面からいろいろなことを感じます。プレッシャーも義務も感じます。今回は2作目なので、1作目を見た方の期待も満たさなければならないし、前作との“つながり”も大事にしたいと思っていました。また、新しいもの、これまでとは違うものをみせなければならないというプレッシャーもありましたね。完成した作品の感想ですが、とにかく見ると疲れてしまうんです(笑)。なぜなら、製作が本当に大変だったので、(それを思い出し)“疲れ”を感じないで見ることができないんです。

    ──監督にうかがいます。撮影中、ベンさんとウィリアムさんのライバル心をわざと煽ったと聞きましたが、どんな風に演出したのですか?

  • アンドリュー・アダムソン監督:男の子というのは、当然、ライバル心がありますよね。でもそれは、彼ら自身のライバル心というよりは、キャラクターとしてのライバル心です。撮影中にライバル心を表現させるのに有効だった手法があります。撮影中は2人とも剣を持っていました。ウィリアムの剣は中世風。ベンの剣はスパニッシュスタイルなのですが、ライバル心が必要なシーンの前には、2人に「ちょっと剣を抜いてみて」と言うんです。そして「あれ? ベンの方がちょっと長くない?」と言ってからすぐに撮影を始めるんです。すると、とてもよくライバル心が表現されるんです。

    ──ベンさんにうかがいます。今回演じたカスピアン王子とあなたとの共通点はありますか?

  • B:カスピアン王子は、典型的なハリウッド映画の王子様とは違います。彼は当初、自分の置かれた立場に不安を抱いています。また、自分が背負ってしまった責任に対しても、まだ準備ができていない。王になるにはまだふさわしくないと思っています。今回はそういう部分を表現しなくてはならないと思っていました。カスピアン王子は最初の報せを聞いて驚き、不安を抱きながら進んでいきますが、それは僕と共通しています。僕も最初に役をもらったときにはとても驚きましたから。それに、俳優としての責任や注目されることに、僕もまだ慣れていない部分があります。

    ──ジョージー・ヘンリーさんに質問です。3作目ではウィリアムさんがいなくなってしまいますが、そのことについての感想は?

  • G:私自身には兄はいないのですが、ウィリアムは、本当のお兄さんのような存在です。彼はとにかく甘えさせてくれるんです。ウィリアムに寄り添ってハグしたりすると、彼もハグし返してくれる。彼がいなかったら、前作も今回もまったく違う作品になっていたと言っても過言ではないでしょう。3作目はウィリアムのアナ・ポップウェルもアンドリュー(監督)もいないので、私にとっては大きなチャレンジです。でも、撮影は今からとても楽しみです。「朝びらき丸 東の海へ」は、シリーズの中で一番好きなお話ですから。ベンと再び仕事をするのも楽しみだし、新しいキャラクターに会えるのも楽しみです。

    ──ジョージーさんが、前作と本作、2つの作品に出演して学んだことを教えて下さい。

  • G:今は12歳なのですが、7歳のときにオーディションを受けて、8歳のときに撮影が始まりました。この経験を通して、とても多くのことを学び、人生に対する地平線がすごく広がったと思います。そして、もっと多くの経験をしてみたいという意欲がわきました。素晴らしい人にも出会えたし、素晴らしい場所にも行けた。こういう映画に出なければ、そんな体験はできなかったでしょう。それは、ちょっと怖かったけど、チャンスに賭けて思い切って映画に出たからこそ得られた経験だと思うし、教訓だと思っています。

    (08/05/31)