83歳アンソニー・ホプキンス、認知症に侵されてゆく切ない老人を熱演

#ファーザー#アンソニー・ホプキンス#アカデミー賞#オリヴィア・コールマン#映画

ファーザー
(C) NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020

83歳を迎えたアンソニー・ホプキンスが、第93回アカデミー賞の主演男優賞に“史上最高齢”でノミネートされた『ファーザー』が5月14日から全国公開される。同作は、認知症となり、現実と幻想の境界線が曖昧になっていく主人公アンソニーの視点で、誰にも訪れる、老いという人生の夕暮れと、親子の絆を見つめた感動の物語だ。

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オリヴィア・コールマン「テーマはすごくシンプル。愛する人が自分を忘れていくことの切なさ」

愛する父の変化に戸惑い悩む娘アンを繊細に演じるのは、初の助演女優賞ノミネートを果たしたオリヴィア・コールマン。コールマンは、インタビューの中で、役に惹かれた理由について「主演のアンソニー・ホプキンスと脚本に惚れ込み、難しくて何度か読みました」と明かす。また「認知症というテーマを美しく描いた作品で、アンソニーの目を通して誰もが彼の戸惑いを理解し、こんな状態はさぞ大変だろうと思います」と語っている。

認知症が進行していく父の世話をするべきか、自分の人生を歩むべきか葛藤する娘アンの難役に挑んだコールマンは「彼女の変化を時系列で説明するのは難しいです。彼女はいい娘で仕事をしながら父の世話をしています。でも彼女の手に負えないほど父の症状は進んでいきます」と語る。親世代の老いについては「自分の親とはまだ役割を交代していませんが、そういう友人はたくさんいます。愛されて育った人ほどその愛を親に返したくなるはずです。自分に依存していく親を見るのはつらいでしょうね。仕方ないことですが想像するだけで悲しくなります」と自身のエピソードも交えて表現した。

ファーザー

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ホプキンスの“史上最高齢”オスカーなるか

名優たちによる圧倒的な演技力と、長編作品初監督となるフロリアン・ゼレールによる、これまでになく重厚感ある映像で、ゴールデングローブ賞4部門ノミネートなど世界中の映画賞を席巻し、アカデミー賞では主演男優賞、作品賞、助演男優賞など計6部門にノミネートを果たした同作。中でも、アンソニー・ホプキンスの史上最高齢でのオスカー獲得なるかが注目される。その発表は4月25日(現地時間)だ。

ファーザー』は5月14日より全国公開。