「俺に言ってるのか?」は完全アドリブだった デ・ニーロが明かす『タクシー・ドライバー』伝説の誕生秘話

#タクシー・ドライバー#ロバート・デ・ニーロ

The Guardianより
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50周年イベントで主要キャスト&スタッフが再集結

公開50周年を迎えた映画『タクシー・ドライバー』(1976年)の特別上映会が、ニューヨークで開催中のトライベッカ映画祭で行われ、監督のマーティン・スコセッシ、脚本家のポール・シュレイダー、主演のロバート・デ・ニーロ、共演のジョディ・フォスターが集結した。

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イベントでは『タクシー・ドライバー』が今なお強い共感を誘うのかについて語り合い、登壇者たちが、その理由は作品の根底に流れる「孤独」にあると口を揃えた。

スコセッシ監督は「誰ともつながれない感覚や孤立感は普遍的なものだ」と語り、この作品が若い世代に響き続けると分析。デ・ニーロも、自身が演じた主人公トラヴィス・ビックルの姿は現代にも通じるとして、「特にパンデミック以降、人々はより孤独になり、自分だけの世界に閉じこもるようになった。負の感情に執着してしまう人も増えている」と指摘した。

トラヴィスと交流する少女を演じたフォスターは彼には本当の意味での自己理解がない。観客は彼が転落し、精神的に崩壊してもなお、誰かとつながろうともがく姿を目撃することになる。彼は自分のことを全くわかっていません。その点こそがアンチヒーローとしての魅力」と語った。

撮影当時わずか12歳だったフォスターは、自身の思い出も披露した。母に連れられてスコセッシ監督の『ミーン・ストリート』を見て感銘を受け、すでに子役として活動していた彼女はスコセッシと仕事がしたいと考えて、すぐに『アリスのレストラン』に小さな役で出演した。

『タクシー・ドライバー』撮影中にはデ・ニーロが毎朝ホテルまで迎えに来て、一緒に朝食を取りながら撮影前のシーンの準備をしてくれたという。そして、デ・ニーロから即興演技を教わったことがキャリアの転機となったことを明かした。
「それまで私にとって演技とは誰かが書いたセリフをただ話すことでした。実際はそれ以上のものがあることを知らなかった。(デ・ニーロは)気づいていなかったと思いますが、あれは私の人生を変える出来事でした」

映画の内容とは対照的に、撮影現場は非常に楽しい雰囲気だったという。フォスターは「世界で一番真剣なことをやっているのに、ずっと笑っていた」と回想。壮絶なラストシーンの特殊効果撮影でスコセッシ監督の笑いが止まらなくなったというエピソードに会場は湧いた。

この日のハイライトとなったのは、映画史に残るトラヴィスの名セリフ「You talkin’ to me?(俺に言ってるのか?)」の誕生秘話だった。

脚本家のシュレイダーによると、鏡に向かって銃を構える場面自体は脚本に存在していたものの、有名なセリフは書かれていなかったという。デ・ニーロは「私が考えたんだ」と完全なアドリブだったことを認めた。

スコセッシ監督は当時を振り返り、「ボブ(デ・ニーロ)はトランス状態のようになっていた」と証言。撮影はすでに予定を2時間もオーバーしていたが、デ・ニーロが即興を続ける様子を見て、監督はカメラを止めなかったという。助監督から終了を促されても、「これはいい。もう少し続けよう」と撮影を継続。その結果、映画史に残る伝説的なシーンが生まれた。

イベントの最後には司会者からのリクエストに応え、デ・ニーロ本人が「You talkin’ to me?」を再現。観客の大きな歓声に、公開から50年を経ても色あせない名作への熱狂が込められていた。