安倍元首相銃撃事件の混乱ぶり捉えたドキュメンタリー、異色コンビの監督が語った映画化への思いとは?

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センキョナンデス
左からプチ鹿島、ダースレイダー

ラッパーのダースレイダーと時事芸人のプチ鹿島が監督出演を務める『劇場版 センキョナンデス』が公開。ムビコレでは、ダースレイダーとプチ鹿島のインタビューを掲載中だ。

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「ある意味、この作品というのは僕たちの冒険譚でもあるわけですよ」(プチ鹿島)

本作はロンドンで育ち海外メディアの情報に精通するラッパーのダースレイダーと、新聞14紙を毎日読み比べしている時事芸人のプチ鹿島が初監督したドキュメンタリー。

ある番組で共演した際に意気投合した2人は、第1回緊急事態宣言下の20204月より、時事ネタトーク番組『ヒルカラナンデス(仮)』をYouTubeで配信開始。そのスピンオフとして立ち上がったのが、2021年の衆議院選挙への突撃取材企画だった。

きっかけの一つとなったのは、2020年にドキュメンタリー映画としては異例のヒットを記録した大島新監督の『なぜ君は総理大臣になれないのか』(以下、『なぜ君』)だ。

2人は、『なぜ君』の舞台でもある香川1区へ向かう。番組内では、平井卓也氏の不祥事や平井一族がオーナーを務める四国新聞のメディアとしての在り方に対して、プチ鹿島がたびたび苦言を呈してきた。

到着したときのことを「『なぜ君』に出ている小川淳也さんや平井卓也さんがいて、大島組も撮影をしていたので、マルチバースというか、物語のなかに自分たちも入ってしまったような不思議な感覚になりました」と振り返るプチ鹿島。さらに、「四国新聞の本社に行ったときも、“帝国”に潜入する感じがたまりませんでした。ある意味、この作品というのは僕たちの冒険譚でもあるわけですよ」と続ける。

敵地に乗り込むプチ鹿島とダースレイダーの突撃ぶりが配信ライブで届けられると大きな反響を呼び、手応えを感じた2人は、20227月の参院選も“現地”に行くことを決意し大阪へ向かう。そんな中で起こったのが、安倍晋三銃撃事件だった。

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「あの日は、辻元清美さんと一緒にいましたが、安倍さんが亡くなったという一報を聞いたときの政治家たちがどんな表情をして、どんなことを話していたのかをすべて現場で見聞きしていました。しかも、僕たちはカメラをずっと回していたので、記録映像としてもすごいものが撮れている。これは残していくべきだなと」と語るプチ鹿島。

事件をきっかけに映画化について考えるようになったという2人だが、そこには「将来、コロナ禍のなかで人々がどう考えていたのかを知るアーカイブの1つになればいいな」という思いも。

「僕たちにも子どもがいるので、若い世代に対しての思いもありますね。彼らが大人になったとき、『よくわからない病気が世界中で流行ったときに大人たちはどう対応していたのか』ということがきちんとわかる記録があれば、間違いを繰り返すことはないのではないかなと。同じような事態に直面したときに判断できる材料を作ることは、親としての責任でもあると感じています」とダースレイダー。

インタビューでは、2人が映画を公開するまでの道のりや日本のメディアに対する思いを、全3回に渡って語っている。【日本映画界の問題点を探る/YouTubeから映画界に殴り込み!? 1】はこちらから!

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