鈴木亮平「この映画は作られないんじゃないかという瞬間がありました」ゲイ演じた主演作の苦難語る

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鈴木亮平が2月11日、都内で実施された映画『エゴイスト』の公開記念舞台あいさつに登壇した。本作にまつわるトークで会場を盛り上げた。

・『エゴイスト』鈴木亮平インタビュー

鈴木亮平「ひとツイートも逃さず。批判も称賛も全部見ました」

鈴木は、1月19日に行われたプレミア試写会の際に「『エゴイスト』だけにエゴサーチをしますので、どんどん感想を書いてください」と呼びかけていたが、その言葉通り、「ひとツイートも逃さず。批判も称賛も全部見ました。うれしかったですね」と切り出すと、「ほとんどの方が褒めてくれる内容でしたし、そうでない方もなるほどなと思わせるような内容でした。中でもうれしかったのは、この映画を観た時に、SMAPさんの『夜空ノムコウ』の『ぼくの心のやわらかい場所を〜』という歌詞が頭に流れてきたという感想。それをはじめとした、いろいろな感想を拝読できてうれしかったです」と笑顔を見せた。

鈴木はさらに「この映画には答えがないと思うんです。見ていただいた方がこれを愛と思うか、エゴと思うか、依存しあっているだけの関係だと思うのか。本当に人それぞれだと思います。もしかしたら、これからの人生のどの瞬間に観るのかということによっても、捉え方が全然違う映画なんじゃないかなと思います。分かりやすいものを提示するのではなく、いろんなものを提示しているこの映画を誇りに思っております」とコメント。

「これまで何度か、この映画は作られないんじゃないかという瞬間がありました」と続けた鈴木は「僕も原作に感動して、ぜひやらせていただきたいとまわりを説得して。演じさせていただくことになったのですが、届いた台本を見て、監督に『これじゃやれない』と電話をしたこともありました」と告白。「その時に監督がおっしゃったのが、『僕を信じてくれ。僕が作るのは、この脚本から役者がリハーサルをして、演じているのを見て、どんどん生き生きとしたものにしていくんだと。僕の作品はこの台本だけでは伝わらないんだ』と一生懸命説得してくださったんです」と明かした。「この映画を見て、皆さんの表情を観ていると、本当にあの時、監督を信じて良かったなと思います。こんな作品が出来上がるとは思いませんでした。ありがとうございます」と松永監督に謝辞を述べ、頭を下げた。

そんな鈴木の瞳はいつしか涙でうるみ始め、さらに言葉を絞り出すように、「この作品を生んだのは(原作者の)高山真さんという方で。その方がいなかったら、今日ここで皆さんにお会いすることはありませんでした。残念ながらこの映画の最終決定を聞くこともなくお亡くなりになってしまったのですが、ひとりの人間が遺したものが、いかにいろんな人に影響を与えるのか。人生って突然終わることもあるけど、ひとりの人間が世の中に与える影響ってすごいなと、今日あらためて思っています」とコメント。「高山さんはあまり天国という言葉は信じていないと思うんですが、それでも今日は天国の高山さんに感謝したいと思います」と呼びかけた。

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