母娘の感情の行き違いがせつない、母を受け入れられない少女は…

#アメリカから来た少女#カリーナ・ラム#ケイトリン・ファン#パラダイス・ネクスト#ロアン・フォンイー#トム・リン#台湾#金馬奨

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乳がんになった母をもつ少女の心の軌跡描く

ロアン・フォンイー監督作『アメリカから来た少女』。中華圏を代表する映画賞である金馬奨で最優秀新人賞を受賞するなど高い評価を受ける本作の予告編映像が到着した。

SARSウィルスが猛威をふるった2003年、台北を舞台に、乳がんになった母をもつ少女の心の軌跡を描く、注目の新星ロアン・フォンイー監督による半自伝的映画だ。

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母と妹とロサンゼルスで暮らしていた13歳のファンイー。母が乳がんを患ったため、3人で父が暮らす台北に戻り、久々に家族4人で暮らすことになった。台北の中学校では「アメリカン・ガール」と呼ばれ、学校生活には馴染めない。ある日、教師から勧められたスピーチコンテストで、母への正直な想いを伝えようとするが、その前日に妹がSARS感染の疑いで家族全員が隔離され、想いを伝えられなくなってしまう……。

映画『アメリカから来た少女』

本作は、母の病気を受け入れられず、やり場のない感情から身勝手な行動を重ねてしまう13歳の少女が、自分の弱さに気づくことで成長していく様を描く家族の物語。演技経験はなかったにも関わらず、バイリンガルの少女を探す本作のキャスト募集のオーディションで主人公に大抜擢されたケイトリン・ファンのみずみずしい演技が大絶賛され、金馬奨と台北映画祭のいずれも最優秀新人賞を受賞するなど、2021年の台湾映画界で話題をさらった。

病への恐れと母としての強さを見事に体現した母親役に、香港映画・台湾映画で活躍してきた歌手で女優のカリーナ・ラム(『男人四十』『百日告別』)、病気の妻と娘たちを気遣いながらも生活のため仕事に多忙な父親役に、台湾の映画とドラマで活躍し、豊川悦司、妻夫木聡主演の映画『パラダイス・ネクスト』で殺し屋役を演じたカイザー・チュアンという実力派を配する。『百日告別』『夕霧花園』で知られる台湾恋愛映画の名手トム・リン監督が製作総指揮を務めている。

予告編では、母の病気への不安と戸惑い、アメリカとは違う台北の学校で感じる疎外感、やり場のない怒りを募らせる主人公13歳の少女ファンイーが捉えられ、どこにでもある家族の日常が、陰影深い圧倒的な映像美で映し出されていく。不安と不満が入り混じったようなファンイーの眼差しが印象深く、本編への期待が高まる詩情あふれる予告編映像となっている。

映画『アメリカから来た少女』は、10月上旬より順次公開。

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