『エージェント・ウルトラ』ジェシー・アイゼンバーグ インタビュー

実際に行われていた! 封印されたCIA極秘計画でダメ男が覚醒!?

#ジェシー・アイゼンバーグ

僕自身は人と戦うのが嫌いで、血を見るもの苦手

CIAが実際に行っていたマインドコントロール・プログラムをテーマに、“覚醒したダメ男”の大活躍を描いた『エージェント・ウルトラ』 。『ソーシャル・ネットワーク』や『グランド・イリュージョン』などの若手実力派俳優ジェシー・アイゼンバーグが主演したラブ&アクションムービーだ。

謎の暗号をきっかけに、秘められた能力を炸裂させるコンビニ店員を演じたアイゼンバーグに、本作の見どころなどを聞いた。

──キュートで痛快な作品ですが、出演の決め手はなんだったのでしょうか?

アイゼンバーグ:初めて脚本を読んだ時、良い意味で「こんな脚本は今までに読んだことがない!」と思ったんだ。ストーリーがとても奇抜で登場人物も魅力的。僕が演じるマイクは、ハッパ好きの典型的なダメ男なんだけど、心優しい奴で、ガールフレンドと結婚したいと思ってる。でも、どうしたら結婚を申し込めるか悩んでいるんだ。
 そんな中、彼は最悪の状況に巻き込まれて、自分の命を守るために戦うことになるんだけど、彼はもともと平和主義であり、とても怠慢な性格でもあるんだ。だから彼にとってこれは、まさに最低・最悪の状況なんだよね。

『エージェント・ウルトラ』撮影中の様子
(C)2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.

──主人公のマイクは“ハッパ好きのダメ男”であると同時に、“最強無敵のCIAエージェント”です。全く異なる2つの役を演じましたが、どのように役づくりをし、何に一番苦労しましたか?

アイゼンバーグ:まずアクションは、撮影が始まる何ヵ月も前から訓練を受けたんだ。撮影現場で言われたことが直ぐにできるよう、何にでも順応して対応できるようにしたよ。一方で、僕自身はもともと怠慢な人間だから、そのシーンを演じるのはとても上手くできたよ(笑)。だらしない部分は、実生活をそのまま出したんだ。アクションシーンは、訓練でできるようになっていたから、両方を完璧に融合させることができたんだ。

──アクションの訓練はどのようにしたのですか?

アイゼンバーグ:僕が勉強したのはカンボジア、タイ、フィリピンといった東南アジアの格闘技スタイルだったんだ。トレーナーはフィリピン系のロバート・アロンゾ(*『ミッション:インポッシブル』や『オブリビオン』などを担当したスタントコーディネーター)。彼によると、マイクは(CIAで)このスタイルの格闘技を学んだはずだし、映画的にもこのスタイルが一番映えるらしいよ。格闘の技は他と違ってとてもユニークで、武器を使わずに相手を倒せるというものなんだ。だからこの映画にはぴったりだったよ。

 でも、僕自身は人と戦うのが嫌いで、血を見るもの苦手なんだ。

もし特別な能力や才能を持てるとしたら、泳げるようになりたい
『エージェント・ウルトラ』
(C)2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.

──恋人役を(『トワイライト』の)クリステン・スチュワートが演じています。彼女とは、6年間前の『アドベンチャーランドへようこそ』以来ですね。

アイゼンバーグ:彼女の出演を聞いて嬉しかったよ。だって、彼女は素晴らしい女優というだけではなく、このような映画にはぴったりだと思ったんだ。コメディとアクションの要素が上手くブレンドされたユニークな映画だし、ドラマとロマンスも含まれている。普通の映画はたいてい、(ジャンルが)一つだけ。でもこの映画は、全てがとても上手くブレンドされているんだ。そして彼女は、その全てのジャンルがこなせる人で、そんな人はあまりいないからね。

──あなたは俳優として活躍する一方で、劇作家としてもドラマ・リーグ賞にノミネートされるなど多彩な活動をしています。劇作家の見地から、時には、監督やプロデューサーにキャスティングの意見することがあるのでしょうか?

アイゼンバーグ:実は、僕あまり映画も見ないし、テレビも見ないんだ。唯一、見るとしたらNBAプロ・バスケだけ。だから僕は(キャスティングは)あまり適任じゃないと思う。
(自作の)芝居のキャスティングの時も、僕自身はあまりにも(役者を)知らなさ過ぎるから、キャスティング・ディレクターに全てを任せちゃうんだ。僕自身が起用するのは(過去に)共演した人とか、映画を通して出会った人だけだと思う。共演すると愛着が生まれるし、また一緒に仕事がしたくなるもんだよ。『アドベンチャーランドへようこそ』で共演したマイケル・ゼゲンという素晴らしい俳優も、この前、僕の芝居に出てもらったよ。
クリステンともまた共演するよ。一緒に仕事をすると気心が分かって、お互いに理解できることが増えるし、一緒にいると考え方が似たり、繊細な感受性を共有できるようになる。そういった点でも、僕たちは何度も共演するのかな。事実、クリステンとはこれで3回目の共演だよ。

──主人公のマイクには、非常にユニークな才能がありますね。あなたが何か特別な能力や才能を持つとしたら、何がいいですか?
『エージェント・ウルトラ』
(C)2015 American Ultra, LLC. All Rights Reserved.

アイゼンバーグ:うーん、泳げるにようになりたいね。水は好きなんだけど、泳げないんだ。練習したけど、ダメ。精神的な壁にブロックされているみたいだ。それは例えば、チョコレートが大好きなのに、アレルギーで食べられない、そんな状況だね。どうしても泳げない。だからその能力が欲しいよ。

──この映画の次に公開されるのは、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』ですか?

アイゼンバーグ:そうだよ。他にもウディ・アレンの映画でクリステンと共演しているよ。でも、これに関しては何も話せないんだけど。

──出演のオファーも多いと思いますが、作品選びのポイントは?

アイゼンバーグ:直感だね。僕は、その役を通して自分を表現できるものをやりたいんだ。多くの映画では、その役の設定がすべて決められていて、その映画にもともとないものを俳優が貢献するということはないんだ。だから『エージェント・ウルトラ』はとても希有な作品だと思うよ。主人公はとてもユニークな人物だよね。他の俳優が演じたら、全く別のものになると思うけど、今回は自分らしさを役に反映できたと思う。クリステンも自分の役に対して同じように思っていると思うよ。僕たちの役に、僕たちなりのユーモアのセンスとか自分なりのドラマやその感情を表現できた。だから『エージェント・ウルトラ』は僕にとって、すごくエキサイティングな映画なんだ。

──最後に、この映画の見どころを教えてください。

アイゼンバーグ:さっきも話したけど、ほとんどの映画は(ジャンルやテーマが)一つだよね。でもこの映画は色々異なった要素が上手くブレンドされているんだ。すごく変わっていて、エキサイティングな映画だよ。伝統的なアクション映画の凄みもあるし、ユーモアもあって…。僕にとっては、2、3年前に出演した『ゾンビランド』みたいだね。面白いし、登場人物はリアルで、アクションもあるというところが似ているよ。ジャンルという枠を超えていて、演技がいいし、感情もリアルだし、コメディ要素も笑えるユーモアもあるし、すべていいんだ。

ジェシー・アイゼンバーグ
ジェシー・アイゼンバーグ
Jesse Eisenberg

1983年10月5日生まれ、アメリカのニューヨーク市出身。役者のみならず劇作家としても活躍。現在、これまでの舞台作品では、自ら書いた戯曲「The Revisionist」でヴァネッサ・レッドグレーヴと共演。2011年には脚本・出演したチェリー・レーン・シアターでの公演「Asuncion」でドラマ・リーグ賞にノミネートされた。映画での出演作は『イカとクジラ』(05年)、『ゾンビランド』(09年)、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ソーシャル・ネットワーク』(10年)、『嗤う分身』(13)、『グランド・イリュージョン』(13年)などがある。公開待機作は、『The End of the Tour(原題)』、『Louder Than Bombs(原題)』、レックス・ルーサー役の『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(16年)など。