綾瀬はるか、大悟を絶賛「ちゃんとエスコートしてくれて偉い」 『箱の中の羊』初日舞台挨拶
大悟のエスコート秘話や9分間のスタンディングオベーション裏話で会場沸く
第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作『箱の中の羊』が5月29日に公開初日を迎え、同日にTOHOシネマズ日比谷で初日舞台挨拶が開催された。イベントには是枝裕和監督をはじめ、W主演の綾瀬はるかと大悟(千鳥)、さらに息子とヒューマノイドの翔役を演じた桒木里夢が、カンヌからの帰国後初めてそろって登壇した。
・綾瀬はるかと大吾が主演、是枝監督のAIへの戸惑いにうっすら共感する『箱の中の羊』
この日の舞台あいさつは上映後に実施された。作品の余韻が漂う会場にキャストと監督が登壇すると、観客から大きな拍手が送られた。
そんな中、階段を上る綾瀬を大悟が手を添えてエスコートすると、会場からは大きな歓声が上がる。さらに、エスコートを終えたばかりの大悟を今度は桒木がエスコートしてみせるという展開に、会場からはさらなる歓声が沸き起こった。
・【動画】綾瀬はるか、千鳥・大悟、カンヌで9分間のスタンディングオベーションに感激!/カンヌ国際映画祭『箱の中の羊』公式上映

熱気あふれる会場を前に、綾瀬は「あたたかい拍手で迎えてくださってすごくうれしかったです」と笑顔を見せる。
大悟も「今入ってきた時に、皆さんがいつもの大悟を見るのとは違う目で見てくださったのでホッとしております。ここへ来た時に、ワーッて手を叩いて笑われたら終わりだなと思ったんですけど。どうやらそうじゃなかったみたいで良かったです」と安堵の表情を浮かべた。
さらに桒木が「出てくる時から本当に緊張していました。すごく良かったなと思いました」と語り、会場を笑顔に包み込むと、大悟が「(ロボットでなく)人間です」と付け加え、会場を沸かせる。
最後に是枝監督は「こんな風にたくさんのお客さんの前で初日を迎えることができまして、本当にありがとうございます。いいチームワークで作品作りができたなと改めて実感しております」としみじみ語った。
あらためて初日を迎えた思いを尋ねられた是枝監督は、「映画の企画がスタートしてまだ2年ちょっとという、すごくスピーディーに完成までたどり着いたんですが、とても濃密な2年間でした。クランクインして、お芝居を見ながら台本を直したりとキャストの皆さんも少し戸惑われたこともあったかもしれませんが、その分、自分が感じたこと、考えたことがそのまま作品になっているなと、でき上がったものを見て感じています」とコメント。

綾瀬も「完成披露やカンヌでも温かく見ていただきましたが、いよいよ今日が本番のような感じがしています。皆さんに届けばいいなと、緊張とワクワクを感じています」と続けた。
一方、初主演作でカンヌの地を踏んだ大悟は、およそ9分に及んだスタンディングオベーションを振り返り、「日本であれだけの長い拍手というのは体験したことがないことだったので、嬉しかったんですが、5分を超えるとだんだん、どこまで続くんだろう、これは面白いなと思い始めてしまいました」と笑いながら語った。
カンヌ国際映画祭前の5月11日に行われた完成披露試写会では、「綾瀬さんをエスコートしてみせる」と宣言していた大悟。その結果について質問されると、「見事、エスコートはできました。緊張はありましたけど、ワシは46歳なんで。右手くらいは上げられるんですよ」と回答した。
これに対し綾瀬は、「すごく紳士的に、毎回ちゃんとペコっと手を出していただいて。すごく緊張もする場なのに、とっても安心感があって。大悟さん、ちゃんと手を出してくれて偉いなって思いました」とコメント。会場は大きな笑いに包まれた。
その言葉に大悟も「帰ってきて何度もこの話になるんですけど、大悟の手が緊張でビシャビシャだったとは言わないでいてくれる。そこがすばらしいですね」と明かし、会場は再び大爆笑。さらに桒木の方を見ながら、「今日は里夢に(エスコートを)していただきましたからね」と笑顔を見せていた。

また、甲本夫婦の一人息子の姿をしたヒューマノイド・翔を演じた桒木は、カンヌでの公式上映日に10歳の誕生日を迎えていた。
桒木は「誕生日におめでとうと言われて、監督や綾瀬さんや大悟さんから(プレゼントを)いっぱいもらったので嬉しかったです」とカンヌでの思い出を明かし、大悟も「すごいですよね。レッドカーペットの日が誕生日だというんだから。持ってる男ですよ」と感心した様子を見せた。
そんな彼らと過ごしたカンヌについて、是枝監督は「今回はけっこうリラックスしていました。意外と冷静な自分がいて、大悟さんがちゃんとドレスを踏まないといいなとか、そういうところが目に入ってくるんで。そして、レッドカーペットの正面に(バラエティー番組の企画のために相方の)ノブさんがいて。とんでもない衣装とメイクでいらっしゃったんですが、大悟さんからは『無視してくれ』と言われました」と笑いながら振り返った。
この日は終始、和気あいあいとした雰囲気だった甲本家のキャスト陣。撮影現場でのコミュニケーションについて尋ねられた綾瀬は、「クランクイン前に監督がジェスチャーゲームをして遊ぶ時間を作ってくださって、それで仲良くなりました」と述懐した。
大悟も「最初に撮影したのが、AIの里夢ではなく、実際の子どもだった時の里夢とのシーンだったんですけど、あの後に3人でジェスチャーゲームをやっていて。楽しかったな」と笑顔で振り返ると、桒木も「はい、本当の親子みたいにやっている感じになりました」と楽しそうに語った。
3人の関係性について是枝監督は、「撮影がない時も控え室に戻らず、セットのたまり場で3人が集まっていました。家族がするような、どうでもいいような話をそこでしていて。そのまま撮影に呼ばれるという感じでした。それは意図していたわけではないんですが、すごく作品には反映されたなと思って。しかも綾瀬さんが遊んであげているというよりも、自分が楽しんでいる感じが本当に素敵でした」と回想。さらに3人について、「理想的でしたね」と満足げに付け加えた。
また、綾瀬と大悟の印象を聞かれた桒木は、「すごくきれいなお母さんと、かっこよくて社長みたいなお父さん」と回答し、会場を大いに盛り上げた。さらに「綾瀬さんも大悟さんも、一緒に話したり、遊んでくれたりしたのがすごくうれしくて。そこが好きなところです」と付け加えた。
そんな中、印象に残っているシーンについて質問を受けた大悟は、「強いて言えば、綾瀬はるかに膝枕されて照れていない大悟はすごいですよ。あそこでニヤつかないのは相当すごい。ニヤついてなかったでしょ。そこは評価してほしい」と会場に向かって誇らしげに語りかけ、観客から大きな拍手を浴びた。
しかし、そのシーンの撮影にはちょっとしたハプニングがあったという。大悟は「監督が『よーい、スタート!』ってやったら、綾瀬さんが台本の真ん中をすっ飛ばして、最後の方のセリフを言っちゃったんですよ。膝枕のところを早くにやってしまって。『あれ?』と思いながらそのままやっていたんです。あそこで使われているのはNGテイクなんですよ。だからニヤニヤしてなかったのかも」と明かし、会場を沸かせた。
その真相について是枝監督は、「綾瀬さんが台本を少しすっ飛ばしたので大悟さんは戸惑っているんですけど。カットがかかるまで綾瀬さんが全然気づかなくて。でもやってみたら、『その方が自然だな』というか、こっちの方が面白いなと思ってそのまま採用しました」と振り返った。
イベントでは、本作のタイトルにも通じる「最近ふとした時に気づいた『大切なもの・大切なこと』」についてもトークが展開された。綾瀬は「人とのつながりです。当たり前のように誰かを思うあたたかみって伝わるじゃないですか。そういうのって大切だなと思います」とコメント。
続いて桒木が「愛です」と答えると、会場は大盛り上がり。当たり前のように洗濯や食事の準備をしてくれる家族への感謝を語る桒木のコメントに、会場は笑顔に包まれた。
そして締めくくりに大悟は、「この映画に出させていただいてから、こういう場というか、ちゃんとした式典のような場に行った時に、ちゃんと立つとか手を前にやるということが意外と大事だなと思って。いくらちゃんとしたことを言っていても、こうやって(だらけた格好)していたら変じゃないですか。それを46歳になって気づきました」と明かし、会場を沸かせた。

大盛り上がりとなったイベントもいよいよ終盤に。最後のコメントを求められた桒木は、「最初の日からこんなにファン(観客)ができてホッとしました。応援してくれてありがとうございます」と感謝を伝え、会場には自然と笑みが広がった。
続いて大悟は、「初日から来ていただいて、皆さんの顔を見ているとよかったなと思います。でも家に帰るまでが試写会なので、気をつけて帰ってください」とメッセージを送った。
さらに綾瀬は、「音々の目線、健ちゃんの目線から、目には見えない大切なものが届いていると嬉しいです。皆さんの言葉で、多くの方に届くといいなと思います」とコメント。
最後に是枝監督が、「視点を変えると、2度3度といろんな味わいができる映画になったかなと思います。もし気に入ったら、お友だちを誘っていただいて、里夢くんのファンを増やしていただけたら嬉しいです」と客席に語りかけた。
温かな拍手に包まれる中、初日の舞台あいさつは幕を閉じた。
『箱の中の羊』は現在公開中。
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