橋口亮輔監督の傑作2本が4Kで蘇る “孤独とつながり”描く『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』

#ぐるりのこと。#ハッシュ!#橋口亮輔

『ハッシュ! 4Kリマスター版』
(C)2001 SIGLO
『ハッシュ! 4Kリマスター版』
(C)2001 SIGLO

他者と関わることに戸惑いながらも、それでも誰かと生きようとする人々の姿を描いてきた“寡作の名匠”橋口亮輔監督。その名作『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』の4Kリマスター版が全国順次公開されることとなった。『ぐるりのこと。』は2008年6月の公開から18年ぶり、『ハッシュ!』は2001年の製作から25年(公開は2002年4月)だという。

・『ぐるりのこと。』舞台挨拶

・【動画】ゲイカップル×妊活。新しい家族の形を20年前に描いた衝撃作/映画『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』予告編

誰かとともに生きることをあきらめない

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『ハッシュ! 4Kリマスター版』
(C)2001 SIGLO

ゲイカップルと一人の女性が模索する“新しい家族のかたち”をユーモラスに描いた『ハッシュ!』。新たなメインビジュアルは鮮やかな黄色の背景にキャストと監督名、題字が斜めに配置された、勢いのあるフレッシュなものに。

『ハッシュ! 4Kリマスター版』
(C)2001 SIGLO

『ハッシュ! 4Kリマスター版』
(C)2001 SIGLO

「ご飯食べたり、笑いあったり。誰かと一緒っていいね。」というコピーが、人と人とのつながりの温かさをストレートに伝える。さらに、三人がTシャツをめくり互いにお腹を見せ合う印象的なビジュアルは、思わずその関係性に想像をかき立てられる仕上がりとなっている。

『ぐるりのこと。 4Kリマスター版』
(C)2008 『ぐるりのこと。』プロデューサーズ

一組の夫婦の10年を通して人と人の間に生まれる希望を見つめた『ぐるりのこと。』は「どんなときも、そばにいる。」という柔らかなコピーとともに、日本画が描かれた天井を見上げる翔子とカナオの姿を捉えたもの。寺の柱の赤が印象的な画面の中、二人が床に座り込む穏やかな時間が静かに流れていく。

『ぐるりのこと。 4Kリマスター版』
(C)2008 『ぐるりのこと。』プロデューサーズ

『ぐるりのこと。 4Kリマスター版』
(C)2008 『ぐるりのこと。』プロデューサーズ

併せて解禁された予告編は、まず『ぐるりのこと。』で主演を務めたリリー・フランキーによる手書きの言葉「この映画は、人の人生を優しく動かす力がある。」が原稿用紙に綴られる印象的なカットから始まる。橋口亮輔監督のフィルモグラフィが紹介されたのち、『ハッシュ!』の物語へと続く。

「あたし、子どもが欲しいの」「はい?」――朝子(片岡礼子)と勝裕(田辺誠一)の会話から始まり、人と関わることを諦めかけていた朝子が、勝裕と直也(高橋和也)との出会いによって揺れ動いていく様子が軽やかに描かれる。

一方で「あなたは母親にはなれません」と言い放たれる厳しい現実や、衝突する感情も垣間見え、ユーモアと切実さが同居する『ハッシュ!』ならではの空気が立ち上がる。スポイトを取り出し水を飛ばす朝子に、思わず声をあげる勝裕と直也――三人の関係の行方を予感させる、印象的なシーンで幕を閉じる。

続いて映し出されるのは、『ぐるりのこと。』。法廷画家として働くカナオ(リリー・フランキー)と、「大丈夫、わたしがしっかりしてれば」と前向きに語る翔子(木村多江)の穏やかな日常から始まり、やがて訪れる喪失と回復が描かれていく。

Akeboshiによる主題歌が流れる中、子どもを亡くし心を病んでいく翔子と、寄り添い続けるカナオの姿。さらに、90年代の社会を震撼させた事件を背景にした裁判のシーンも挿入され、夫婦の10年という時間の流れと「誰かとともに生きることをあきらめない」姿勢を印象づけられる映像となっている。

『ハッシュ!』『ぐるりのこと。』4Kリマスター版は2026年7月24日より全国順次公開。