綾瀬はるか×大悟『箱の中の羊』完成披露 是枝裕和監督「人間臭さが良い」と大悟を絶賛

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『箱の中の羊』
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『万引き家族』以来となる是枝裕和監督オリジナル脚本作

映画『箱の中の羊』完成披露試写会が5月11日に開催され、W主演を務める綾瀬はるか、大悟をはじめ、息子役とその姿をしたヒューマノイドを演じた桒木里夢、寛一郎、柊木陽太、野呂佳代、そして是枝裕和監督が登壇。作品に込めた思いや撮影現場でのエピソードをたっぷりと語ったほか、カンヌ国際映画祭への正式出品を控えた今の心境や、世界へ届けたい本作の魅力について、それぞれの熱い思いを語った。

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第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品作品『箱の中の羊』(5月29日公開)が、ついにお披露目された。5月11日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露試写会が実施され、W主演の綾瀬はるかと大悟(千鳥)、共演の桒木里夢、寛一郎、柊木陽太、野呂佳代、そして是枝裕和監督が登壇した。

満員御礼の中、客席通路を闊歩してステージに登壇したキャスト陣。建築家の甲本音々を演じた綾瀬は「本日はお集まりいただき、ありがとうございます。今日皆さんに見ていただけるということで、とても楽しみです」と微笑み交じりに挨拶した。

『箱の中の羊』

音々の夫で工務店タマケン2代目社長の甲本健介を演じた大悟は「登場する前に『映画の舞台挨拶って独特よな』って、舞台挨拶を経験したことがないのに言って…ちょっと恥ずかしいな。でもスッゴイ雰囲気ですね!」と、普段の畑とは違う状況に初々しい様子だった。

一方、甲本夫婦の一人息子の姿をしたヒューマノイド・翔役の桒木がしっかりとした言葉で挨拶すると、思わず大悟は「わしの挨拶なんやったん?」と肩を落としていた。

日本映画では『万引き家族』(18年)以来、約8年ぶりのオリジナル脚本作となる是枝監督は、生成AIを使用して死者を蘇らせる中国のビジネスが着想の出発点だと明かし、「起業した方にインタビューする中で、ロボット工学の進化に合わせてヒューマノイドとして『ただいま』と帰って来るところまで自分のビジネスを広げたいという話を聞きました。そうなると結構大変だけれども、それが実現した未来の設定で書いてみようと思いました」と述べた。

綾瀬は、初共演の大悟との夫婦役について「最初はビックリしたけれど、すぐに面白そうだと思いました。大悟さんの喋り方も聞き馴染みのある方言だったのでしっくりきました」と心境を述べると、大悟は「こっちの方がビックリしましたよ。監督にも『大丈夫ですか?』と聞きましたから」と、綾瀬の夫役という抜擢に驚嘆した様子。

『箱の中の羊』

是枝監督からは「大悟さんが思うほど、違和感はない。僕としては普通」と太鼓判を押されたという大悟だが、本作の取材を受ける中で、監督が「あの違和感がいいんです!」と発言していたことを暴露して笑いを取っていた。そんな大悟の魅力について、是枝監督は「人間味。今の若い人にはない人間臭さが良い」などと評していた。

人間とヒューマノイドの2役に挑戦した桒木は「是枝監督から、自分らしくやっていいよと言われたので普通に自分らしくやりました」と、伸び伸び演じることができたそうで、綾瀬と大悟のこともすぐに「パパ、ママ」と呼んでいたという。

タマケン従業員の日高玄役の寛一郎は、初の是枝組参加を振り返り、「楽しかったけれど怖かった。僕も里夢と同じように好きにやってくださいという演出をされて」と、是枝マジックに新鮮な面持ち。

『箱の中の羊』

大悟とは撮影以外でもコミュニケーションを取っていたそうだが、「初めてお会いした時に『寛一郎って本名? 長男?』と一通り聞かれて『そうです』と答えたものの、それから1週間後にお会いしたらまた同じことを聞かれて…」と大悟の天然ぶりを証言すると、大悟は「それはツッコめってことやんか!」と赤面していた。

ヒューマノイドのリーダー・今野詩季役の柊木は、前作『怪物』(23年)以来約3年ぶりの是枝組で、「監督から指示されたのは寛一郎さんたちと同じ、好きなようにやっていいよという感じで。楽しかったです」と笑顔を見せた。

音々に注文建築を依頼する夫婦・羽野佳澄役の野呂は、俳優・大悟について聞かれると、「勉強のために家族のシーンを見学しに行ったら、セットから降りてきた大悟さんに『俺の芝居、どやった?』と言われた」と爆笑。さらに「大悟さんはバラエティ番組のお芝居をするコーナーで『是枝やってる』と言っている」と是枝監督に告げ口した。

大慌ての大悟をよそに、是枝監督が「画面に『是枝』と文字が大きく出るやつですよね? 写メ撮りました。もっと言って欲しい!」と意外にも声を弾ませると、大悟は「怒ってなかった…」と胸を撫で下ろしていた。

また、『海街diary』(15年)以来となる是枝監督の様子について、綾瀬は「11年前ももちろん凄く穏やかでいらして、でも今回はさらになんだか凄い領域に行かれていた。監督の空気と目の奥にある自信…」と綾瀬節で語ると、すかさず大悟は「目の奥にある自信を見られていたそうですよ。それはなかなか恥ずかしいですよね」と大笑いだった。

劇中にはデッサンを描くシーンのある綾瀬だが、「小さい頃から美術の成績が良くて、模写とかも得意で模型を作るのも得意」だそうで、是枝監督曰く「(手元は)プロの方の吹き替えの予定が、綾瀬さんから『私できると思います。美術、得意だったんで』と言われて。でも実際に素晴らしかったので、そのまま綾瀬さんの手元を使いました」と舞台裏も明かされた。

第79回カンヌ国際映画祭での公式上映は現地時間5月16日で、是枝監督、綾瀬、大悟、桒木が現地に参加する予定。是枝監督、綾瀬、桒木が現地の反応に期待を寄せる中、国際映画祭初体験の大悟は「レッドカーペットで最初に車を降りたわしが綾瀬さんに手を出せるかどうか。これが出せたら大悟はまだ冷静やけれど、出ていなかったらド緊張していると思ってください」と予告していた。

『箱の中の羊』

最後に、上映に向けて大悟は「見た人によって思うことも違うと思いますが、それも良しです。大悟は笑かしてはいません。ちゃんとやっています」と俳優として挨拶。

綾瀬も「AIやヒューマノイドを題材にしていますが、喪失や愛情、家族とは?などを丁寧に描いた作品です。見終わった時にジワッと残るものがあると思います」とPRした。

是枝監督も「原案から立ち上げて作った映画は久しぶりで、自分の頭の中にあったことというよりも、その間に出会った方々との交流の中ででき上がった作品。自分で見てもとても豊かなものが映っているし、あの空気感の中でしか生まれなかったものを皆で作り上げる事ができたと実感しています」と手応えを述べていた。

『箱の中の羊』は2026年5月29日より全国公開。