山時聡真、母と勝ち取った主演作に笑顔 『90メートル』完成披露で明かした涙の裏側

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『90メートル』
(C)2026 映画『90 メートル』製作委員会
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「自分らしくいられますように」大切な人への願いを語った感動の舞台挨拶

映画『90メートル』の舞台挨拶付き完成披露上映会が行われ、W主演の山時聡真と菅野美穂をはじめ、共演の西野七瀬、南琴奈、田中偉登、さらに脚本も手がけた中川駿監督が登壇した。

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母と2人暮らしで、人生の岐路に立つ高校3年生の主人公・藤村佑を演じた山時は、「本来ならば緊張するはずだけれど、皆さんに本作を届けることができるんだというワクワクが勝っていて…あまり緊張していません!」と満面の笑み。

実母に電話して会話するという一風変わったオーディションで役を勝ち取り、「10分くらいスピーカーでお母さんと話しているのを監督に聞かれるという異様なオーディションでしたが、これは母と勝ち取るオーディションなんだと思いました。受かった時には母から『私のお陰だからね!』と言われました」と照れながら明かした。

中川監督はすでに山時の演技力を高く評価しており、自然な様子を観察するために母との会話オーディションを行ったといい、「10代の息子と母親の会話を聞き続ける異様な光景はとても楽しかった」と思い出し笑いを浮かべた。

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難病を抱えながらも息子の幸せを願う、もう一人の主人公である母・美咲を演じた菅野は、「脚本に感動したとともに、打ち合わせの際に監督の人柄に惹かれて『これは良い機会を頂いた』と思いました。監督は大柄ですが、謙虚で真摯な目をされていて小さく見えたくらいなので(笑)、良い方なんだと思いました」と出演の決め手をユーモア交じりに回想。

中川監督は、「菅野さんが演じた美咲は自分の母親をモデルにした役です。そんな母親と唯一一緒に見ていたドラマが菅野さん主演の『イグアナの娘』でした。運命的なものを感じて、母も喜ぶだろうと思いました」としみじみ語った。

美咲が利用する介護施設のケアマネジャー・下村香織役の西野は、「出てくるみんなが優しくてみんなが他人を想っている。見返りを求めず助けようとする。そんな世界が良いなと思って、自分もその中の一人の人間としていれるのが嬉しかったです」と世界観に惚れ込んで出演を決めたという。

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本作は、ケアマネジャーやヘルパーといった方々の姿もリアルに描かれており、中川監督は「母を介護していた時、感謝してもしきれないくらい助けていただいた。ケアマネジャーやヘルパーの方々の仕事ぶりは、(家という)クローズドの環境なので、なかなか外からはわかりにくい。素敵な仕事だということを伝えたいという思いもありました」と西野に託した思いを語った。

佑の同級生でバスケ部マネージャーの松田杏花役の南は、演じる際に中川監督から「佑にとって安心できる心の拠り所になるような存在でいて欲しい」とのオーダーを受けたという。

また、中川監督の脚本には演者にセリフを委ねる部分も多くあり、「それを意識しながら、(山時と)2人のシーンのアドリブは自然と言葉が出て来る感覚がありました」と撮影を振り返った。

さらに、中川監督から「『世界中の人を虜にするくらいかわいらしく演じて』という演出もあったのですが『今もけっこう頑張ったのに』と思ってました(笑)」とお茶目に不満を明かす場面も。

一方、山時は南との共演シーンに触れ、「役として接していても安心感があって、僕は心を軽くしてお芝居ができたと思います」と感謝を述べた。

佑の同級生でバスケ部元チームメイトの大平翔太役の田中は、「僕だけが途中までバスケット映画だと思っていました(笑)。撮影に入る4ヵ月前からバスケ練習があって。ほかのみんなは元々上手な方が多く、圧倒的にできない僕のために中川監督からドリブルを教わったりして。でも、実際に撮影が始まるとバスケの撮影は1日しかなかったんです(笑)。それくらい、バスケの記憶しかないです」と笑わせた。

自身の母との体験をベースに本作を作り上げた中川監督は、「母は愛情深い人でしたが、僕は良い息子ではなくて反発してばかりで向き合うことができず、母は亡くなってしまいました。母に対する感謝の気持ちや尊敬の気持ちを伝えることができず後悔を抱えて今に至っているので、その思いを昇華するべく本作を作りました。僕の半自伝的な物語ではありますが、普遍的な内容になっているので佑と美咲を自分と大切な人に置き換えて見て欲しいです」と打ち明けた。

本作の「私は願う、あなたの未来を」というコピーにちなんで、舞台挨拶の後半では、「大切な人に対して願っていること」をそれぞれフリップで発表。山時は家族や友人に向けて「自分らしくいられますように」とし、「自分の素でいてくれるのが接しやすいし、僕も一番楽。強がったりせず、自分らしく悩みとかも打ち明けて欲しい」と期待した。

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菅野は本日(2月23日)が誕生日だという実の母に向けて「おめでとう!」とし、「お母さんの代わりに山時君に熱くぶつけます!」と山時を自分の母親に見立てて、「私も子育てをしているので、母親って凄いなと思うようになりました。自分が育ててもらっている時はそう思えなかったのですが、今改めて凄いなって! お誕生日おめでとう!」とぐいぐい距離を詰めながら山時に向かって、普段伝えられていない感謝の気持ちとともに誕生日を祝福。

まさかの即興劇に付き合った山時は「これ台本にないですよね!? 急に緊張してきた!」と大慌てで、菅野は「唐突なミニ寸劇、ごめんなさいね!」と笑い飛ばしていた。

西野は家族などの周囲の人たちに向けて「楽しく過ごしていてください!」、南は実家で飼う2匹の犬に向けて「仲良くなってほしい」、田中は友人たちに向けて「1人じゃない」と、それぞれの願いを明かした。

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最後にW主演の菅野は「色々な世代の方に普遍的な親子の絆とは何かということを見ていただけるはずです」とアピール。

昨年祖母を亡くしたという山時は、「亡くなる1週間前に会いに行けなくてそれを凄く後悔していましたが、本作を見た時にそんな後悔さえ優しく包み込んでくれる優しさのある作品だと思いました。この映画の感想を自分自身の言葉で家族や友だち、SNSに思うがまま書いていただくことが、この作品がより多くの方に届くきっかけになると思います。2回、3回と見ていただければと」と呼び掛けた。

『90メートル』は2026年3月27日より全国公開。