世界的な注目を浴びる芥川賞作家・村田沙耶香のベストセラー小説『消滅世界』が、RADIOHEAD、OASISなどのMVやショートフィルムなどで知られる気鋭の映像ディレクターである川村誠により映画化。その予告編が解禁となった。
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数々のMVで知られるアニメーション作家Wabokuによるキャラクターデザイン
舞台は、人工授精で子どもを産むことが定着した近未来の日本。
夫婦間の性行為はタブーとされ、恋や性愛の対象は“家庭の外”の恋人か、二次元キャラが常識になっていた。それは“両親が愛し合った末”に生まれた子は異常とされる世界。
主人公の雨音（蒔田彩珠）は、「お前、人工授精じゃないの？ 気持ち悪い」と学校で虐められ、母親の雫（霧島れいか）に嫌悪を抱き、「私はお母さんとは違う。みんなと同じなんだ」と自分に言い聞かせていた。
(C)2025「消滅世界」製作委員会
雨音の性愛の対象は二次元キャラのラピス。自分がラピスに恋をしていると実感する時、自分は母とは違うのだ、周囲と同じく正常だとわかって喜びを感じる雨音。
「初めて恋をすることを教えてくれた」ラピスを同じく愛する同級生の水内（結木滉星）と特異な性関係を持つようになる雨音は、水内との身体のつながりに心が満たされていく。
大人に成長した雨音は、性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外の男性やキャラクターと恋愛を重ねていたが、彼は「身体が反応してしまって…」と“妻”である雨音に性行為を求める。
それは、この世界では“近親相姦”と非難される行為で、夫が許せなかった雨音は離婚、間もなく元夫とは正反対の朔（栁俊太郎）と出会う。
元夫から非常識な行為を受けた雨音に心からの同情を寄せる朔。
その朔も、雨音との結婚を意識しながらも他の恋人がいるが、雨音は朔と結婚を選び、穏やかな生活を楽しんでいた。
その頃、住民全体で計画的に人工授精、出産、管理を行い、住民みんなで子育てをする実験都市「エデン」が千葉に作られていた。
そんな「理想の楽園」で、雨音は朔との子どもを人工授精で妊娠する。
「私ね、怖いの。どこまでも“正常”が追いかけてくる」と困惑を見せはじめる雨音。ふたりの関係は次第に狂いを見せ始める。
果たして「エデン」は、本当にユートピアなのか。それとも、ディストピアなのか——。
予告編では、 見る者の「正常」を試すような世界設定と物語、性が消えつつある日本の衝撃的未来が鮮烈なビジュアルで提示される。
さらにはEve、ポーター・ロビンソンなど数々のMVで知られるアニメーション作家Wabokuデザインによる、「二次元の恋」にリアリティを与えるアニメキャラクターの造形や、世界で注目のバンドD.A.N.による本作のために書き下ろされた主題歌「Perfect Blue」も流れる。
SFの空気をまといつつも、“普通”や“正しさ”という問題に独自の視点で切り込んでいく物語の結末はいかに。
『消滅世界』は2025年11月28日より全国公開。
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