ディズニー・ピクサーのヒットのヒミツ握るはこの人。ジョン・ラセターを直撃!

ジョン・ラセター
ジョン・ラセター
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ジョン・ラセター
ジョン・ラセター
ジョン・ラセターのサインポスター
ジョン・ラセターのサインポスター
『モンスターズ・ユニバーシティ』
(C) Disney/Pixar.All rights reserved.
『プレーンズ』
(C) 2013 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
『アナと雪の女王』ロゴ

この夏、日本で公開され、興収90億円に迫る大ヒット中の『モンスターズ・ユニバーシティ』をはじめ、12月21日公開の『プレーンズ』、2014年3月公開の『アナと雪の女王』と、ディズニー・ピクサーの作品は、日本でも大人気。これらのアニメ映画のクリエイティブ面を支えているのがジョン・ラセターだ。

ジョン・ラセターがハリウッドの殿堂入り

トレードマークのアロハシャツを軽やかに着こなし、いつもニコニコしている印象のラセターだが、2006年のディズニーによるピクサー買収以降、 CCO(チーフ・クリエイティブ・オフィサー/最高クリエイティブ責任者)に就任し、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ(以下ディズニー)、ピクサー・アニメーション・スタジオ(以下ピクサー)、ディズニー・トゥーン・スタジオ(以下ディズニー・トゥーン)という3つのスタジオの映画すべてを監修する立場にいる。

「よく、3つのスタジオすべてを見られるのかと聞かれますが、私の答えは『わからない』です。でも本当はわからないではなく、知っています。なぜかって、実際にやっているから」。そう話すラセターにディズニー・ピクサーのヒットのヒミツなどについて語ってもらった。

まずは、ディズニーとピクサーがどんなスタジオかについて質問。返ってきた答えは「ディズニーとピクサーは常に別々のスタジオであり続けます」というものだった。

「ピクサーはサンフランシスコのシリコンバレーにあって、ディズニーはロサンゼルスのハリウッド、バーバンクというところにスタジオを持っています。共通点はフィルムメーカー主体のスタジオであること。作品のアイデアはフィルムメーカー自身から生まれるものなのです。ピクサーでずっとこの方式をとってきましたが、7年前にディズニーのCCOになったときに、ディズニーにもこの方式を持ち込みました」とラセター。

一方、相違点については「ピクサーは反骨精神がある集団で、誰もできないと思っていたときに(『トイ・ストーリー』などの)コンピュータアニメーションを作り出しました。私はスティーヴ・ジョブズとずっと一緒にやってきましたが、やはり(アップルコンピュータなどの発祥の地である)北カリフォルニアに会社があるということで、パイオニア精神を持っている面もあります」と話し、ディズニーについては「伝統を重んじ、ウォルト・ディズニーが1932年に設立したスタジオをずっと守り続けてきたことをすごく誇りに思っている」と説明。スタジオ内では常に「高いところを目指せ」と言っているそうで、その理由に関しては「各作品にウォルト・ディズニーの名前がつくわけですから」と話していた。

そんなラセターが、一躍、世界中の注目を浴びるようになったのが、全米で1995年に公開された初の3DCGアニメ映画『トイ・ストーリー』を監督してから。以来、『バグズ・ライフ』『トイ・ストーリー2』とピクサー初期の作品では監督をつとめてきたものの、『モンスターズ・インク』で製作総指揮にまわったのを皮切りに、『カーズ』と『カーズ2』で監督したのを除き、すべての作品で製作総指揮にまわっている。

偉くなったことで監督から製作総指揮にまわり、残念に思ったりしないかと尋ねると、「最初にプロデューサーになったときに、監督するのが大好きだったので、それと同じようにクリエイティブ面での満足感を得られるだろうかと心配に思った時期もあったんです」と本音を吐露。だが、それは取り越し苦労だったようで「ほかの人を助けたり、一緒にクリエイトするのは非常に満足感を得られると、今は実際に感じているところです」と答えた。

その上で彼は「今はいろいろな作品があって、才能溢れる監督もいっぱいいるので、彼らの作品を最高のものにすることに焦点を合わせていますが、この先、自分の監督作も考えております」と明かし、「私は自分が監督を続けることで、ほかの監督を助けることができると思っているので、監督することはすごく大事だと思っています。こういうやり方はハリウッドのアニメスタジオのなかでも非常にユニーク」と語り、映画作りの現場経験者がスタジオの上部にいることの効用をアピールした。

また、ラセターがCCOをつとめるアニメスタジオ3社の今後の製作ペースについても話してくれた。

まずはピクサー。同社では1年目が1本だったら、翌年は2本と、2年に3本ペースでアニメ映画を生み出していく方向だ。理由についてラセターは「実は7年前にディズニーがピクサーを買収したときに、続編も定期的に作っていくことを頼まれたんです」とコメント。

そうは言ってもオリジナル作品もこれまで同様、年1本ペースで作っていきたい。そこで「少し人数を増やして、続編を作る部門も増やし、続編を2年に1本くらいのペースで作っていくことにした」と語る。

では、ディズニーとディズニー・トゥーンはどうなるのか? こちらに関しては共に年に1本ペースで作っていく方向で、日本では今年12月21日よりディズニー・トゥーンの新作『プレーンズ』が公開。ディズニーの新作『アナと雪の女王』は2014年3月公開予定となっている。

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