市川海老蔵、父・團十郎との最初で最後の共演を振り返り「言葉では言い表せない」

市川海老蔵(左)と中谷美紀(右)
市川海老蔵(左)と中谷美紀(右)
市川海老蔵(左)と中谷美紀(右)
左から田中光敏監督、市川海老蔵、中谷美紀

茶聖・千利休の半生を大胆に脚色した山本兼一の歴史小説を映画化した『利休にたずねよ』の完成報告会見が、7月10日に新宿バルト9で行われ、利休役の市川海老蔵、妻役の中谷美紀と田中光敏監督が登壇した。

このイベントの動画(『利休にたずねよ』完成報告会見)

本作は、利休の研ぎ澄まされた美意識は若き日の情熱的な恋に起因しているという仮説の下に描かれた、究極のラブストーリーにして極上のミステリーでもある作品。会見では、海老蔵の父である故・市川團十郎が利休の茶の師匠・武野紹鴎(たけの・じょうおう)役で特別出演していたことが明かされ、海老蔵は「シーンとしては3、4シーンなのに資料を山のように積んで、かなりこだわって役作りをしていました」と真摯な役作りを称えた。

海老蔵はこの最初で最後の親子共演について、「父は、この映画が公開されるときには自分の命がないかもしれないということを感じているんじゃないかと思ったりもしたので、言葉では言い表せないものがありました」と複雑な思いを語った。

また、海老蔵は、オファーを受けたときに「僕じゃないだろうと思った」と、自らと利休のイメージがそぐわないと感じたことも告白。だが、熱いラブコールを贈り続ける監督たちの熱意に、引き受けることになったと明かした。

一方、中谷は「利休さんを演じるのが“平成の狼藉者”の海老蔵さんなので、周囲には反対意見もかなりあったんです」と苦笑い。「でも、どんな困難があっても必ず演じてみせる。良い作品にしてみせると思ったんです」と熱く語っていた。

会見では、撮影中に監督が海老蔵のおごりで蟹を堪能したエピソードなども飛び出し、楽しい撮影現場だったことがうかがえる一幕も。さらに、利休を演じて得たことがあるかと聞かれると、海老蔵は「歌舞伎役者だからと言って歌舞伎だけできればいいわけではない。(お茶と)作法や間が一緒なんですね。お茶の世界を垣間見ることで勉強になることがあった」と語っていた。

『利休にたずねよ』は12月7日より全国公開される。

【関連記事】
市川海老蔵が瑛太からの挑戦状に「私も頑張る」
満島ひかりが「不甲斐ない父」海老蔵の手紙に苦笑い
市川海老蔵の意外な一面を三池監督と満島ひかりが暴露
『利休にたずねよ』作品紹介

INTERVIEW