ジョージ・クルーニー、ヴェネチア栄誉金獅子賞で魂のスピーチ「恐怖を煽る者たちにとって、物語は常に危険」
#ヴェネチア国際映画祭#ジョージ・クルーニー#第83回ヴェネチア国際映画祭
45年にわたる俳優人生に感謝 妻アマルへの愛情と子供たちへの誇りも語る
第83回ヴェネチア国際映画祭が2日(現地時間)に開幕し、ジョージ・クルーニーが栄誉金獅子賞(生涯功労賞)を受賞した。授賞式でクルーニーはユーモアを交えつつ、映画の力と現代社会への強いメッセージを込めたスピーチを披露した。
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クルーニーは「生涯功労賞をもらうと、2つのことが頭に浮かびます。『なんて素晴らしい栄誉だ』と『彼らは私の知らない何かを知っているのか? 私の医者と話したのか?』」と自虐ジョークも交えて切り出した。
「45年間役者をしてきましたが、計画的だったわけではありません。ほとんどは家賃を払い、ケンタッキーに戻ってタバコを刈る……これが昔の仕事でした……のを避けるための『幸せな偶然の連続』でした」と、最初の仕事が次の仕事へとつながり、監督や脚本家、共演者に助けられてここまで来られたとし、「誰も一人ではどこにもたどり着かない」と謙虚に語った。
そしてヴェネチア映画祭について「「90年間、政治も宗教も言語も違う人々が集まってきたこの場所で、言葉が違っても、笑うときは同じです。泣くときも同じ。親は同じように心配し、子どもは同じように夢を見ます。愛のあり方も驚くほど似通っています。そう考えると、私たちが絶えず言われているほど互いに異質な存在だとは、とても思えません」と、映画を介して人間の普遍性を強調した。
クルーニーはさらに現在の社会情勢に触れ、「権力を握る人々や最もお金を持っている人々が『互いに恐れよ』と語る時代を私たちは生きています。権威主義者たちが最初に黙らせようとするのは政治家ではありません。疑問を投げかけるジャーナリストです。単純な答えを拒否するアーティストです。会ったこともない誰かであっても共感に値すると訴える、映画製作者、作家、俳優、ミュージシャンたちです」と続けた。
「恐怖を煽る者たちにとって、物語とは常に危険なものなのです。本や音楽、物語を恐れる人々は、歴史の中で英雄になることは決してありませんでした。確かに、映画が戦争を止めることはない。インフレを抑えたり、選挙の不正を正したりもしません。しかし、映画には驚くべきことをします。それは、見知らぬ他人が決して『他人』などではないばかりか、その人は誰かの物語の英雄かもしれないと気づかせてくれることです。もし私たちが、今なお暗闇の中で一緒に座り、会ったこともない人々を気にかけることができるのなら、きっと、私たちは大丈夫なのだと思います」
最後に妻アマルへの深い愛情と子どもたちへの誇りを語り、「誰もこの人生から生きて抜け出すことはできないけれど、決意と愛、そして敬意を持って社会と向き合えば、私たちはどうにか『自分らしさ』を保ったまま、この旅を終えられるかもしれない——そう気づかせてくれたこと皆さんに感謝します」と結んだ。
クルーニーとヴェネチアの縁は深い。1990年代から出演作が映画祭で上映され続け、監督作『グッドナイト&グッドラック』(2005年)も出品、2014年には愛妻のアマルとの結婚式を当地で挙げた。
昨年の主演作『ジェイ・ケリー』では「イタリアの映画祭で生涯功労賞を受けるスター」を演じており、今回の受賞は彼の実人生が芸術を模倣するような展開となった。
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