村人から移住者への嫌がらせの数々に『福田村事件』森達也監督&斎藤工 衝撃…心理スリラー映画『理想郷』特別映像

#ディエゴ・アニード#ドゥニ・メノーシェ#マリー・コロン#マリナ・フォイス#ルイス・サエラ#ロドリゴ・ソロゴイェン#斎藤工#森達也#理想郷#筒井真理子

『理想郷』
(C)Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S.
『理想郷』
『理想郷』
『理想郷』

第35回東京国際映画祭で主要3部門を獲得した話題作

第35回東京国際映画祭にて最優秀作品賞にあたる東京グランプリ(東京都知事賞)のほか、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞の主要3部門を獲得したスペイン・フランス合作の心理スリラー映画『理想郷』。本作より、都会から移住してきた夫婦を襲う、村人による数々の嫌がらせシーンを集めた衝撃の特別映像と、森達也、斎藤工、筒井真理子の絶賛コメントを紹介する。

・『福田村事件』が観客動員数10万人を突破!関東大震災後の混乱のなか”虐殺”はなぜ起きたのか…話題呼び多くの劇場で満席続出

都会を離れて田舎で過ごすスローライフに夢を抱き、スペインの山岳地帯ガリシア地方の小さな村に移住したフランス人夫婦のアントワーヌとオルガが主人公となる本作は、サム・ペキンパー監督の名作『わらの犬』(71年)でも描かれた“田舎と都会の対立”がテーマ。2010年の発覚から裁判が終わるまでの8年間、多くの新聞が報道するなど、スペイン全土に激震が走った実際の事件をベースに映画化している。

第37回ゴヤ賞で最優秀映画賞、最優秀監督賞など主要9部門受賞し、スペインで2022年に公開された独立映画の興行収入1位を獲得。その後も、第48回セザール賞最優秀外国映画賞をはじめ、世界で56の賞を獲(8月25日時点)するなど好評を博した。

『理想郷』

今回紹介する「移住者を襲う嫌がらせセレクション」と題した特別映像では、映画本編の中から、スペインの山岳地帯ガリシア地方の小さな村に移住したフランス人夫婦の、おもにアントワーヌ(ドゥニ・メノーシェ)を襲う村の隣人兄弟による嫌がらせの数々をピックアップ。

村に住む男たちが集うバーで彼らを避けるアントワーヌがシャン(ルイス・サエラ)からかけられた嫌味を捉えた【移住先で洗礼を受ける】。車が故障し立往生していたアントワーヌが、ロレンソ(ディエゴ・アニード)から車に乗るようと声をかけられるが、乗る前に何度も車を発車される【からかわれる】。庭に置いてある椅子に尿をかけられてしまう【庭の椅子を汚される】。

アントワーヌと妻のオルガ(マリナ・フォイス)が手塩にかけて育ててきた有機トマトに何かが混入され壊滅的なダメージを受ける【作物を台無しにされる】。車で逃げようとするアントワーヌにシャンから鬼のような形相で掴みかかられる【唾を吐きかけられる】。これら5つの衝撃シーンを紹介していく。

しかし、嫌がらせの数々に見舞われるアントワーヌにも、相手を明らかに見下す独り言をつぶやいたり、移住者のエゴを押し付けようとしたり、カメラで隠し撮りをしたりと、眉をひそめずにはおれない言動を取っている。嫌がらせをするこの隣人兄弟にも事情はあり、この村で一生生きていくしかないという悲哀や移住者によって故郷が脅かされる恐怖なども見え隠れし、映画は後者だけをことさら悪者として描くことはしない。

脚本も務めたロドリゴ・ソロゴイェン監督は、「ヨーロッパの都会人と、スペインの田舎の人間というと、後者がより無知で迷信深く、都会人の方が優れていると考える人が多いかもしれません。でも、彼らの対立を浮き彫りにしていくためには、前者と後者では与えられる機会が不公平なほどに違うということや、人の視野が広がるためには、文化が不可欠であるということも表現したかったのです」と、この対立を描き出す上での狙いを語っている。

『理想郷』

また、映画をいち早く鑑賞した各界著名人から絶賛コメントが到着した。実際の虐殺事件を元にした初フィクション監督作『福田村事件』(23年)も記憶に新しい映画監督・作家の森達也は、「不穏な光と音。そして複数の視線。中盤で定石を外すストーリー。そして女性の強さ。見終えて余韻に浸り続けている」とコメント。

昨年の東京国際映画祭で本作を鑑賞している俳優・映画監督の斎藤工は、「あまりにも他を逸する圧巻な悪魔的なエネルギーを客席に放ち、それが未だに内臓に残り続け一年経った今なお消化出来ずにいる」と、1年前に受けた強烈な体験を振り返り、「スペイン北部ガリシアの山村を舞台に個々の正義・集団心理・同調圧力・地域貧困・地方の過疎化…人間と言う種族の根幹的な醜悪さや執着故のある種の美しさが何重層にもなって襲って来るがそれは果たして遠くの出来事・物語なのだろうか 混沌とした現代を生きる我々が最も対峙すべき作品の一つと言い切れる」とコメント。

今年も最新主演作ともに出演作が目白押しの俳優の筒井真理子は、「ロドリゴ・ソロゴイェン監督のまなざしは人間の深部を掘り、底知れぬ恐ろしさを浮かび上がらせる」と、監督の手腕を称えている。

・『理想郷』の場面写真はこちらから!

・[動画]【実話】理想の移住生活のはずが 待ち受けていたのは? /映画『理想郷』予告編

INTERVIEW