綾戸智恵、ハリー杉山、萬田久子「おかげで少し今を受け入れられそう」「ハビエル・バルデムありがとう」

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認知症の父に寄り添う娘の心の機微描く『選ばなかったみち』

若年性認知症と診断された弟を介護した経験をもとに描かれた映画『選ばなかったみち』が２月25日に公開される。本作品に対し、イメージイラストや絶賛コメントが続々寄せられている。

・認知症の弟に捧げる…もしあのとき、あの人を選んでいたら？あの仕事を選んでいたら？

このたび寄せられたイラストは4点。DEKO（イラストレーター）、miii（作家・イラストレーター）、眼福ユウコ（画家・イラストレーター）、せき（イラストレーター）の4名が描いた作品は、1人では生活もままならなくなっている父・レオ（ハビエル・バルデム）の“居場所”を知りたいと奮闘する娘・モリー（エル・ファニング）の強い願いに寄り添うかのようだ。

自身の“介護あるある”に照らし、賞賛の声多数

一足早く作品を鑑賞した著名人は、次のように感想を語る。

長年母の介護を経験したジャズシンガーの綾戸智恵は、「演じる名優の凄さ、幻想を映像化できる凄さ、この映画のおかげで少しこの今を受け入れられそうや。ありがとうパパ！頑張りやモリー！」と綴る。

認知症と向き合う父を持つタレントのハリー杉山は、「痛いほど響く美しい作品。自分、もしくは自分の最愛の人が認知症と向き合うようになった時、人生は逆さまになります。でも最初のパニックから認知症と正しく向き合えば日常もさほど変わらず、むしろ心と心は接近し、人生に対して更にありがたみを持てるようになります。ハビエル・バルデム……ありがとう」とコメントした。

老人介護の“あるある”を描いた『老親』に主演した女優の萬田久子は、「必死と書いて必ず死ぬ。人生舐めたらあかんで！色々あるのが人生。選ばなかった道は人それぞれ。後悔するかしないかも人それぞれ。『パパ何言ってるかわからないよ』17年前に母を看取った私自身が鮮明に蘇った」と感想を述べた。

漫画家の今日マチ子は、「過去と現在、父と娘。混乱した断片が重なる奇跡。苦くて美しい認知症の描写は、全ての人が知るべき世界だ」とコメント。

映画コラムニストの新谷里映は、「記憶と現実が混在する世界がとても美しく残酷に描かれ、胸を突き抜いたクライマックスのあの輝きと繋がりはとても意味深く、今も心に留まり続けている」と綴る。

女優の檀れいは、「たくさんの岐路の中、後悔のない決断なんてなかなか無い。でも、どんな人生になろうと受け入れ自分の意思で生きていきたい。改めてそう思った」と語る。

フリーアナウンサーの中井美穂は、「父が生きているのは目の前の娘がいる現世だけではなかった。あったかもしれない世界を脳内で旅する父を深い愛で追いかける娘エルファニングに震えました」と感想を述べた。

芸人のにしおかすみこは、「現実1＋幻想世界2＝3本分のドラマを同時進行で見た気がしました！認知症側と寄り添う側の歩く道の深さ。この映画を選ばないという道はないです！」と感動した様子。

タレント・グラビアアイドル・YouTuberのRaMuは、「大好きなハビエル・バルデム主演!! 特にノーカントリーが好きな私はこんなハビエル見たくないよ!! って思ったが、見れば見るほどこの役似合うなぁ……と新たな発見」とコメント。

映画評論家の渡辺祥子は、「娘の知らない心の旅をする父が、突然、自分の名を呼んだとき、娘の心に光が差し込む。人生にはただ一言で悲しみに凍りつく心が溶ける瞬間がある、と嬉しくなった」と琴線に触れたポイントを語った。

人生の選択を振り返る父と寄り添う娘の心の機微描く

本作品は、人生の岐路でもしも別の選択をしていたら？を問う、胸の奥底にしまい込んだ過去の大切な出来事や記憶を繋ぎながら、人生の奥深さに迫る感動作だ。

ニューヨークに住むメキシコ人移民レオは作家であったが、認知症を患い、誰かの助けがなくては生活はままならず娘モリーやヘルパーとの意思疎通も困難な状況になっていた。ある朝、モリーはレオを病院に連れ出そうとアパートを訪れる。モリーが隣りにいながらもレオは、初恋の女性と出会った故郷メキシコ、作家生活に行き詰まり1人旅をしたギリシャへと彼女とは全く別々の景色をみるのだった──。

『選ばなかったみち』は、2月25日より全国公開される。