三浦友和、聴覚障害のプロボクサーと向き合い、自分は視力を失っていく…実話ベースの物語

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ケイコ 目を澄ませて
(C)2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

聴覚障害者のプロボクサーの自伝を映画化『ケイコ 目を澄ませて』

聴覚障害の元プロボクサー・小笠原恵子の自伝「負けないで!」を映画化した『ケイコ 目を澄ませて』が22年中に公開されることが決定、主要キャストと監督がコメントを寄せた。

生まれつきの難聴と付き合いながらプロボクサーとなった主人公・ケイコを演じるのは、『愛がなんだ』で第43回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた岸井ゆきの。クランクインの約3ヵ月前から厳しいトレーニングを敢行、劇中で使われる手話の練習も入念な準備を行い撮影に臨んだ。

全身全霊で役を生きた岸井は「3ヵ月のボクシング練習、手話練習もかけがえのない時間でした」とコメント。日々の練習にひたむきに向き合い、家族やトレーナーたちの思いに触れることで、揺れ動くケイコの感情の機微を眼差しで表現し、「この作品はケイコの日常であると同時に、今を生きること、自分の人生をどう生きるのかという問いなのかもしれません」と怒濤の撮影日々を振り返った。

セコンドの指示もゴングの音も聞こえないケイコを受け入れ、再開発が進む下町で小さなジムを運営するトレーナー・笹木には、三浦友和

「サンドバッグ、ミットを連打する音が強烈に耳に残る。街の喧噪、人々の声。だがこの音はケイコには聞こえていないのだと気づく度に、目にしている画面の風景が違った色に変化する。この作品には映画音楽がない。観客が耳を澄ませなければならない」

三浦は、喧嘩するように力んでしまうケイコに根気強く指導を行いながらも、次第に視力を失っていくという難役に挑み、「ケイコを抱きしめたくなるような、素直に心地よく余韻に浸れる作品」だと本作品をアピールする。

笹木会長の妻役には仙道敦子、ジムのトレーナーとして三浦誠己と松浦慎一郎。その他にも佐藤緋美、渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子など実力派キャストが名を連ねている。

この映画はケイコの生き様そのもの

監督は、『きみの鳥はうたえる』がベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品され18年映画芸術日本映画ベストテン1位を獲得した三宅唱。13年までに4戦を戦った耳が聞こえない元プロボクサー・小笠原恵子の自伝を原案に本作品を書き上げ、刻一刻と変化するケイコの眼差しと、彼女を案じる家族やジムの面々の心のざわめきを16mmフィルムに焼き付けた。

「彼女の信じがたいほどの勇敢さがなければこの映画は生まれていません。タイトル通り、彼女はこの映画そのものです。書きたいことは山ほどあるのですが、なるべくまっさらな気持ちで皆さんに『発見』してほしいので、いったんこのあたりで我慢します。言葉以上のものがスクリーンを通して伝わることを確信しています」

『ケイコ 目を澄ませて』は、22年中に公開される。