アメリカ西部開拓時代 “女性は女性らしく”に抗った少女がいた!伝説的ガンマン、カラミティ・ジェーン誕生秘話

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“ジェンダーレス”な生き方を選んだ最初の女性、マーサの成長物語

前作『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』でスタジオジブリの高畑勲監督より才能を絶賛され、世界的にも高い評価を受けているレミ・シャイエ監督。アヌシー国際アニメーション映画祭2020において、長編部門のグランプリを受賞した最新作、『CALAMITY(カラミティ)』が9月23日より公開される。この度、日本語吹替え版の予告編が解禁された。

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本作は12歳の少女マーサが様々な困難に立ち向う中で、大人たちもいつしか少女と共に成長していく物語。女性は女性らしく、という西部開拓時代のアメリカにあって、主人公・マーサは家族を支えるために髪を切り、ジーンズを履くことを決意する。そして、生きていくために必要な乗馬、馬車の操作、投げ縄といった“男の作法”を苦労して習得する。伝説的な女性ガンマン、カラミティ(厄介者)・ジェーンの誕生秘話でもある本作は、マーサを“ジェンダーレス”な生き方を選択した最初の女性として描いているのだ。

日本語吹替え版のボイスキャストとして、困難に立ち向かいながら自立していく主人公マーサには、YouTuberでモデルとしても活躍中の福山あさき。昨年公開のルーマニア・フランスのアニメ『マロナの幻想的な物語り』において演じた“通行人”役からの大抜擢となり、少女から芯の強い大人の女性への変貌を、新人ならでは思い切った演技でこなしている。

マーサの妹レナ役を『アイカツフレンズ!』の松永あかね、幼い弟エリージャを『あそびあそばせ』の木野日菜が演じ、マーサの親友イヴに木戸衣吹が扮している。他にも、ライバルのイーサンに畠山航輔、その父親で旅団長アブラハムには杉田智和、イヴの父親には上田燿司と、ベテラン声優が脇を固めている。また浅水健太朗、成澤卓、前内孝文といった『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』でもおなじみの声優陣も顔を揃えている。

物語後半の大事なバディ(仲間)役に、端役で出演した『マロナの幻想的な物語り』でのコミカルな表現力を買われた林瑞貴。福山あさき、林瑞貴両名の“端役からの大抜擢された”新人による、珍道中の掛け合いシーンも見逃せないポイントとなっている。

解禁された本映像では、冒頭、髪は長くスカートを履いたマーサの姿がある。その後、馬車の事故と父親の怪我が続き、家族ためにと髪を切りジーンズを手に取ったマーサが、様々な困難に立ち向かっていく様子が綴られていく。本映像中、絵本の翻訳経験もある藤井フミヤの「カラフルな風景は現代アートのようだ」、アニメーション監督・演出家の伊藤智彦の「このアートな画面に騙されてはいけない」というコメントも紹介される。

レミ・シャイエ監督は、本作の制作過程においても男女平等を意識していたという。制作スタジオのアニメーターの人数、管理職の男女比、そして給料の総額までをコントロール。アニメーション制作は長期的なプロジェクトであるため、制作期間中に女性アニメーターが産休を取得し、その後復職できる環境も整備したとのことだ。

こうした制作環境が、全編を通じて表現されている“優しさ”を生み出したであろう本作。マーサの物語の行方をスクリーンで見守りたい。