1968年3月12日生まれ。アメリカ合衆国カリフォルニア州出身。大学時代に演技をはじめ、『In the Company of Men』(97年)で映画デビュー、インディペンデント・スピリット賞新人俳優賞を受賞する。『エリン・ブロコビッチ』(00年)で注目を集め、『サンキュー・スモーキング』(06年)、『幸せのレシピ』(07年)などを経て、『ダークナイト』(08年)に出演。
『アイ・フランケンシュタイン』アーロン・エッカート インタビュー
これまでにないフランケンシュタインを演じたハリウッド実力派スターが、自らの演技論を披露
1818年に出版され、ホラー小説の古典ともなっている「フランケンシュタイン」をベースにした『アイ・フランケンシュタイン』が、9月6日より公開された。
科学者フランケンシュタインが死体をつなぎ合わせて作ったモンスターが、もし現代に生きながらえていたら?──そんなテーマをもとにしたアクション大作で、天使と悪魔の全面戦争に巻き込まれていく“男”の戦いを描き出す。
主演は『ダークナイト』(08年)でトゥーフェイスを演じたアーロン・エッカート。鍛え上げた肉体とアクション、熱演を披露する彼に、本作について語ってもらった。
エッカート:この役は、人生において拒絶され、社会から追放され、だけど愛を探そうとしている。この役のそういう側面に1番惹かれたんだ。
エッカート:まず動きについてだけど、動物について調べてみた。特にゴリラについて調べたんだ。ゴリラがどのように行動するのか、どのように動くのか、そこから始めてみるのがいいと思えたんだ。ゴリラには凄まじい強靭さがあり、動きも迅速だ。だけど、内面的には非常に繊細な生き物だと思うんだよね。だからこの役の肉体的な面というのはすべてゴリラから学んだんだ。
エッカート:スチュアート・ビーティー監督はこの作品に様々な人間の普遍的なテーマを描いたと思うんだ。だから、それを楽しんでもらえれば嬉しいよ。究極的には、とにかく観客に思いきり楽しんでもらえる作品にしたかったんだ。
この作品を選ぶにあたってすごく僕が魅力を感じたのは、僕が俳優としてどれだけ新たな挑戦をできるのかってことだったんだよね。しかも、監督と会った後で、「この人を信頼できる。この映画で物語を語る上で、正しいことをやってくれるはずだ」と思えたんだよね。だから、そのなかで僕は自分ができる限り最高の演技をしようと思ったんだ。
エッカート:“彼”の抱えている問題というのが、そのまま僕ら人間が普遍的に抱えている問題だからだと思うよ。それは感情についてであり、そして人間についてだったりする。永遠に変わらないものだよ。文学や物語の始めにさかのぼってみても、そこに描かれているのはすべては人間についてだ。だから永遠に続くんだよ。それと同じ理由で、メアリー・シェリーが書いた「フランケンシュタイン」を世界中の人が永遠に愛しているんだと思うよ。つまり、僕らに共感できる部分があるんだよね。
エッカート:ある特定のキャリアを目指して映画を選んでいるわけではないんだ。それよりも、俳優として新たな挑戦になり、しかもそれをやることで満足できるような作品に出演するように心がけてきただけなんだ。だから、可能な限り演じたことのない役を選ぼうとしているし、それまでと違ったことができるのか試してみたいと思っている。
それから、僕は想像力がたくましいので、それを満たす必要があるんだ。その欲望を満たすための唯一の方法が、優れた監督と仕事するということなんだよね。そして、可能な限り幅広い役柄を演じるということ。でも1番大事なのは、チャンスが巡ってくるかどうかってこと。それから、自分が失敗するのか成功するのかということを、あまり真剣に考えすぎないということ。そう思えるためにはすごく勇気が必要になってくるわけだけど……すごく怖いことだからね。だって莫大な資金が関わるわけだし当然キャリアにも影響する。だけど、だからこそ上手くやっていかなくてはいけないと思うんだ。そのためには「面白い」と思えることだけをやり続けることが大事だと思う。
エッカート:それは僕が新しいことを学ぶのが好きだということだと思うよ。この映画に出演することで何を学べるのか、という部分だね。
エッカート:あると思うよ。なぜなら僕らみんな人間なわけだからね。すべてのキャラクターは人間であるという事実から逃れることはできない。それで、僕の場合は、毎回自分の役に自分自身を可能な限り投影しようとしているんだよね。自分の演じる役を可能な限り自分自身のように演じようとしているんだ。上手く説明できないけど。
僕は、自分のなかにすでにすべてがあると思っているんだよね。演じる上でやるべきことは、自分のどの面がその役を演じる手助けになるかを見極めること。そしてその面に意識を集中するということ。その特定の面に意識を集中して、それ以外の部分は取り去ることによって、外から見たら、まったく別の人間になることができると思う。もちろん、実際は完璧に違う人間になるわけではないんだけどね。時にそれがプレイボーイであったり、詐欺師であったり、何であってもね。それが演技だと僕は思っているんだよね。だから、それがしっかりとできてさえいれば、優れた演技派になれると思うんだ。そういう演じ方をするから、すべてのキャラクターは僕自身であると言えると思うんだよね。
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