土葬にも火葬にもしたくない遺体が集まる“義荘”とは? 商業映画として初の撮影に挑む

#ダヨ・ウォン#マイケル・ホイ#旅立ちのラストダンス#香港映画

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マイケル・ホイ×ダヨ・ウォン共演『旅立ちのラストダンス』メイキング公開

香港映画界の伝説的喜劇王マイケル・ホイと、香港を代表するスタンダップコメディアンで俳優のダヨ・ウォンが32年ぶりに共演し、香港映画史上最高の興行収入を記録した『旅立ちのラストダンス』。本作より、舞台となった葬儀街・紅磡(ホンハム)のディープな魅力と、商業映画として初めて撮影が許可された「義荘」での貴重な裏側に迫るメイキング映像(ロケーション編)が公開された。

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本作は、香港歴代興行収入記録を塗り替え、社会現象を巻き起こした珠玉のヒューマンドラマ。「家族」「伝統」「死生観」といった普遍的なテーマを丁寧に描き、若者からシニアまで幅広い世代の共感を獲得。劇場では涙する観客が続出した。

また、批評家からも「2024〜25年で最も力強い香港映画」と高く評価され、第43回香港電影金像奨では最多タイの18部門にノミネートされ、主演女優賞、助演男優賞など主要5部門を受賞。興行・批評の両面で歴史に名を刻む一作となった。

ウエディングプランナーのトウサン(ダヨ・ウォン)は、コロナ禍で多額の負債を抱え、葬儀業へと転身することになる。しかし、結婚式とは勝手の違う現場に戸惑い、さまざまな困難に直面。中でも最大の壁は、葬儀を共に取り仕切る「葬儀道士」マン師匠(マイケル・ホイ)に認められることだった。利益優先のトウサンと、伝統を重んじるマン師匠は対立を繰り返し、関係は悪化していく。

だが、マン師匠と娘・マンユッ(ミシェル・ワイ)、その家族と関わる中で、トウサンのわだかまりは次第にほどけていく。そして彼はやがて、マン師匠が葬儀で執り行う儀式「破地獄」に込められた本当の意味を知ることになる。

「破地獄(はじごく)」とは、道教の伝統的な葬儀儀式。儀式では道士が独特の歩行法を使い、地獄に通じ、死者を地獄から導き、死者が執着を捨てて迷いから目覚め、二度と地獄の苦しみを受けずに済むようにする。また、それにより遺族にも安らぎと慰めをもたらす。

『旅立ちのラストダンス』

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このたび、本作の舞台となった香港のディープな葬儀街・紅磡(ホンハム)の魅力と、商業映画として初めて許可された「義荘」での貴重な撮影の裏側に迫るメイキング映像が解禁された。

人生の乗換駅、紅磡(ホンハム)

アンセルム・チャン監督が「幼い頃から不思議な場所だと思っていた」と語る紅磡は、香港最大のコンサート会場・香港コロシアムと、多くの葬儀場が集まるエリアが道一本を隔てて隣接する、生と死が交錯する特異な場所だ。

この街をチャン監督は「人生はバス旅行のようなもの。終点に着くと降りて乗り換えるんだ。紅磡はまさにその乗換駅だ」と表現。葬儀業者を演じたダヨ・ウォンも「どこで生まれたとしても、最後には紅磡に戻ってくる。これが人生の奥深さを示している」と語り、この街が持つ独特の引力を明かしている。

香港映画史上初、禁断の「義荘」での撮影

本作のリアリティを決定づけているのが、商業映画として初めて撮影が許可された義荘だ。義荘とは、土葬にも火葬にもせず棺に納めた遺体を一時的に安置する場所で、100年以上の歴史を持つ。

道士を演じたマイケル・ホイは「義荘という場所の存在すら知らなかった」と驚きを隠さず、「実際には100年安置された遺体もある」と語る。ダヨ・ウォンも「山も水も見えないが、霊気に満ちた涼しさがあり、休息の場所という雰囲気だ」と振り返り、その独特の空気感を語った。

チャン監督は、この厳粛な場所での撮影が実現した理由について「我々が葬儀というものを厳粛に捉えた作品を撮ろうとしていると、先方は理解してくれていた」と明かし、制作陣の姿勢が伝わったことを示している。

本物の棺材と、万国殯儀館の奥深くへ

さらに映像では、ダヨ・ウォンが100年以上前の本物の棺材に触れる場面や、通常は貸し出されない万国殯儀館の奥深くでの撮影風景も収められている。ダヨ・ウォンは「香港人であろうとなかろうと、とても身近な感じがするはずだ。地球上の誰もが関わる、唯一のテーマなんだ」と力強く語っている。

『旅立ちのラストダンス』は2026年5月8日より全国公開。

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