水沢林太郎、コロナ禍で抱えた“伝えられなかった思い”を星空の下で明かす 『この夏の星を見る』イベント
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桜田ひより「コロナの時、子どもたちを見守ってきた大人の方々にも刺さる作品」
『この夏の星を見る』の完成報告を兼ねた星空観測会イベントが開催された。桜田ひより、水沢林太郎、中野有紗、山元環監督が登壇し、作品への思いや裏話を語り合いながら星空を観察するという、珍しい趣向のイベントとなった。
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イベントが行われた会場は、本作のメイン上映劇場となる新宿バルト9の屋上にあるヘリポート。主人公の亜紗を演じた桜田は実際にこの場に立ち、「今日はまさかのヘリポートからお送りすることになるなんて、夢にも思わなかったです。東京の空を見るというイベントを実現することができて、すごくうれしいです。今日は短い間ですが、よろしくお願いします」とあいさつ。そしてあらためて会場を見渡して、「ヘリポートに立つなんて人生初めて。雨も降らずに、本当にひと安心しました」と笑顔を見せた。
一方、本作の撮影で東京だけでなく、茨城・土浦や長崎・五島の星空も見てきたという山元監督も「ここはすごいですね…」と驚きを隠せない様子。「なかなか東京って空が広く見える場所がないので、こういう景色の中で撮影したかったな。今日は特別な日だと感じております」としみじみ。さらに「五島列島の満点の星空もとてもすごかったのですが、ここはやっぱり東京でしか見られないようなネオンがあって。それが星屑のような気もするので、なんだか“東京の夜”という感じもしますね」と感慨深げな様子を見せた。
主人公の亜紗と同じ茨城県立砂浦高校に通う生徒・凛久を演じた水沢は、「実際にこんな高いところから夜空を見ることも、ビルを見ることもなかったので、感動しています。茨城では、そこまで星を見てきたというわけではないのですが、山の中で撮影があった際に、夜、ホテルで空を見上げるとたくさんの星座が見えました。その時の感動は今でも覚えてます」と述懐。
そして長崎・五島の泉水高校吹奏楽部に所属する佐々野円華を演じた中野も、「五島での撮影はナイトロケが多く、夜の山の上は本当に真っ暗でした。その中で星を見たときに、星ってこんなに近いんだと感じました。ほんとうに手を伸ばせば届きそうなくらいに近く感じたのを覚えています」と続けた。
コロナ禍で部活動を制限された中高生たちが、リモート会議を駆使して、同時に天体観測をする競技「オンラインスターキャッチコンテスト」に挑む学生たちの姿を描いた本作。山元監督は、「これは技術的な話になるのですが、なかなか星空を撮るのは難しいんです。動画としては、少し映りづらいところもあるため、今回は『Day for Night』や『疑似ナイター』と呼ばれるような、太陽を月明かりに見立てて撮影していく、要は日中に夜のシーンを撮るという撮影手法を採用しました。日本映画の中では、その撮影手法を全編通して行うという作品は少ないそうなので、そういった点でも見どころが多い映画なのかなと思っています」と明かす。
本作のキャッチコピーは「2020年、あの時を生きた君たちへ」。そこで登壇者たちの2020年について質問が及ぶと、まずは桜田が「当時、わたしは高校生でしたけど、文化祭や体育祭、そして部活で目指していた大会が中止になってしまった方たちが多くいました。わたしも、学校の行事や作品づくりをしている途中でコロナ禍になって。その後、自粛が明けてからは、フェイスシールド越しやマスク越しで皆さんと一緒にお芝居を交わすという時間がありましたね。それがなんとも不思議な感覚になったのを覚えています」と述懐。
水沢も「僕は16歳でデビューしたのですが、いざ頑張ろうというタイミングでコロナ禍になってしまったので、目の前の仕事がなくなってしまい、すごく取り残されたような感覚が常にありました。その気持ちも今みたいにしゃべれなかったので、誰にも伝えることもできず、抱え込む一方でした。ただあれから5年も経ち、マスクをしたり、消毒をしたりという日常をどんどん忘れてきている自分に、この作品を通して気付いたので、なんだか不思議な気持ちもありました」と語る。
そして中野も、「2020年はまだ中学生でした。卒業旅行や運動会もなくなって、中学最後の思い出がすべてなくなってしまったので、悲しさだったり悔しさがあります。でも、コロナ禍は自宅で家族と一緒に昔の映画をたくさん見たりもしていたので。今思い返せば、悲しい思い出ばかりではなく、自分の興味を育てる時間でもあったなと思います」と語る。
この日は、新宿バルト9の屋上で実際に星空を見上げてみよう、ということで、原作に登場する、天文部顧問のモデルにもなった土浦第三高等学校の岡村典夫先生がゲストで登壇。同校は実際の撮影場所としても協力してもらったということで、桜田も「実際にモデルになった高校を使わせていただくということもなかなかないですし、ほんとうに多くの方に協力していただいて実現することができました。部室などに置いてあるものも小道具ではなく、生徒の皆さんが実際につくった望遠鏡や材料が置いてある状態で撮影をさせていただきました。撮影に掛ける思いは人一倍違いましたし、実際に高校に通われている方がエキストラとして参加してくださっていたことにも感謝しかないです」としみじみ語った。
会場には天体望遠鏡が設置され、みんなで星空を見ることに。「今日は一つだけ、アークトゥルス(うしかい座の一等星)という星が見えています。映画の中でも出てきましたよね」という岡村先生のアドバイスとともに、次々と望遠鏡を覗く登壇者たち。5月から6月にかけて東京で見ることのできる星について、「東京ですと、明るい一等星はもちろん見えますし、意外と3等星くらいまでは見えるんです。今日は新月なので、月が見えなくて。月があれば、もうちょっとよく見えたかもしれないですね」という岡村先生の解説に熱心に耳を傾ける。そんな中、星を見ながら「見えました!」「輝いています!」などと大盛り上がりとなった。
イベントもいよいよ終盤。最後に山元監督が「この目の前にある望遠鏡も、肉眼では見えない星を捉えようとする装置なんですが、コロナ禍の先が見えない不安の中でも、なんとか自分自身を見つめ直して、先を歩いていこうとする学生たちの物語となります。どうかそういうキャラクター込みで、この映画を皆さんに愛していただけたら嬉しいです」とメッセージ。
桜田も「作品を見終わった後に、ほんとうにきれいで美しいなと思いました。映像の美しさだけでなく、人と人とのつながりの美しさだったり、リモートを通して全国の学校とつながる一瞬一瞬の輝きというものが、とても繊細に、きれいに、そして迫力のあるシーンに完成されています。コロナの時に学生だった皆さんや子どもたちを見守ってきた大人の方々にも刺さる、そんなすてきな作品だと思っています。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と呼びかけた。
『この夏の星を見る』は2025年7月4日より全国公開。
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