学校で習ったハズの「ドレフュス事件」って?? 知られざる将校の視線で描く

#オフィサー・アンド・スパイ#ドレフュス事件#フランス#ロマン・ポランスキー

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『オフィサー・アンド・スパイ』初予告編

歴史的冤罪事件・ドレフュス事件をロマン・ポランスキー監督で映画化した『オフィサー・アンド・スパイ』が、6月3日より全国公開される。このたび、初の予告編が公開された。

公開された本編映像は、ルイ・ガレル演じるユダヤ人大尉のドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したというスパイ容疑で有罪となり、公の場で軍籍を剥奪されるシーンだ。

陸軍大学校の校庭に連行されるドレフュス。大勢の軍人や見物の民衆に囲まれるなか「被告を国家反逆罪で有罪とする」と言い渡され、問答無用で軍籍を剥奪される。

軍服のボタンを引きちぎられ、サーベルも真っ二つに折られながらも、直立不動のドレフュス 。

「私は無実だ!」

必死で訴えるも、その叫びは、居並ぶ軍の関係者や聴衆の心には届かず、虚しく響くのであった。

緊迫感もさることながら、陸軍大学校の広大な校庭に、整然と並ぶ軍人たちの衣装など、当時の状況を見事に再現した冒頭シーンに、観客はいきなり目を釘付けにされる。

1894年、ナショナリズムと反ユダヤ主義が高まる当時のフランス。ドレフュスはいかにして無実と名誉を挽回するのか──? その運命は、驚愕の真実にたどり着き、ドレフュスの無実を証明するため国家に立ち向かったひとりの男、ピカール中佐に命運が委ねられている。

ポランスキー監督は、本作品の企画の立ち上げたときのことを次のように振り返った。

「最初は当然のことのように映画をドレフュスの視点で描くのを想定していたのですが、すぐにそれが上手くいかないことに気づきました。パリを起点にして様々な登場人物が行ったり来たりするのに、ドレフュスが監獄島である“悪魔島”に服役しているので動きが生まれません。我々が映画を通して描きたかったのは彼の苦しみです。1年以上の長い時間をかけてこの問題と格闘し、脚本家のロバート・ハリスがこのジレンマに答えを見出しました。ドレフュスから離れて、物語の中心人物の1人であるピカール中佐の視点で語るのはどうか、とね」

国家を揺るがす隠蔽スキャンダル

本作品の舞台は、1894年フランス。ユダヤ系の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を宣告される。ところが新たに情報局長に任命されたピカール中佐は、ドレフュスの無実を示す衝撃的な証拠を発見。上官に対処を迫るが、国家的なスキャンダルを恐れ、隠蔽をもくろむ上層部に左遷を命じられてしまう。全て失ってもなおドレフュスの再審を願うピカールは、己の信念に従い、作家のゾラらに支援を求める。しかし行く手には腐敗した権力や反ユダヤ勢力との過酷な闘いが待ち受けていた……。

『オフィサー・アンド・スパイ』は、6月3日より全国公開される。

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