“人間的”クリーチャーのNGシーン! ダークファンタジーの裏側には心温まる笑い

#ダークファンタジー#ピノッキオの冒険#ほんとうのピノッキオ#マッテオ・ガローネ

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行く先々でトラブルを巻き起こすピノッキオの悪童ぶり

ピノッキオの奇想天外な大冒険を描いたダークファンタジー『ほんとうのピノッキオ』が全国で公開中だ。これに併せて本作品のNGシーンを収めたメイキング映像が公開された。

・今まで見たことのなかったピノッキオの誕生秘話『ほんとうのピノッキオ』

1883年に出版されたイタリアの作家カルロ・コッローディの「ピノッキオの冒険」は、100年以上にわたって世界中で読み継がれてきた児童文学で、ディズニーによるアニメーションも広く親しまれてきた。しかし誰もが思い浮かべるのは“嘘をつくと鼻が伸びる”エピソードであり、この名著の主人公の実像を知る人は少ない。無邪気な操り人形に見せかけて、実は行く先々でトラブルを巻き起こす、“悪童”だということを──。

丸太棒が変身したピノッキオの奇想天外な大冒険を、『ゴモラ』(11年)の鬼才マッテオ・ガローネが原点に回帰して斬新にビジュアライズ。旅の途上に登場する世にも奇妙な生きものたち、人生の不条理や社会風刺を盛り込んだ寓話的なストーリー展開を圧倒的な映像美で描き出した。本国イタリアで公開されるやその年公開のイタリア映画No1の動員を記録し、オスカー候補にも名を連ねた。絢爛にして驚きに満ちた、まさに大人のためのおとぎ話と呼ぶにふさわしい、神秘的で驚きに満ちたダークファンタジーがここに誕生した。

公開するやいなや、本作品を鑑賞したネットユーザーから「美しい映像に息を呑んだ」「衣装とメイクが素晴らしい」というような、美しくもダークな世界観を称賛する感想が挙がっており、興行通信社の発表するミニシアターランキング(小規模公開作品週末観客動員数)では2位にランクインして話題を呼んでいる。

CGでなく人間が演じるがゆえのNG…心温まるメイキングシーン

今回公開されたのは、撮影時のNGカットを集めたメイキング映像。

カタツムリが通った後のヌルヌルでおしゃべりコオロギが滑るシーンに思わず笑ってしまう様子や、妖精とのシーンで垣間見えるピノッキオを演じたフェデリコ・エラピの機転が利いたリアクション、そしてキツネとネコの食事シーンでは机を強く叩き過ぎた結果食べ物が飛び散り、それに驚いたフェデリコ・エラピが思わず椅子から転げ落ちてしまうというハプニングが収められている。

「この物語に登場するネコ、キツネ、カタツムリには“人間性”が備わっているんだ」と語るマッテオ・ガローネ監督は、「少し動物的で、少し人間的」なキャラクターをめざし、過度にCGに依存しない“擬人化したクリーチャー”を生み出した。まさに人が演じているからこそ生まれるNGカットは、奇妙なクリーチャーたちの人間味溢れる一面を見ることができる。本作品はダークファンタジーでありながらも、その撮影現場は心温まる笑いで包まれていた。

『ほんとうのピノッキオ』は全国公開中。