腐女子が求める理想の“受け”を好演! 17年後半もBL映像化続々

#ボーイズラブ

『ひだまりが聴こえる』
『ひだまりが聴こえる』

…前編「人気コミックの映像化相次ぐ〜」より続く

【興行トレンド】2017年のBL映画を振り返る/後編
繊細テーマのBL作品も映像化!

2017年はいままでにないほどさまざまなテイストのBL作品が映像化された。6月の中村明日美子原作『ダブルミンツ』公開に続き、同じく6月に、障害という繊細なテーマを扱いつつ純愛も絡めた文乃ゆき原作の同名人気コミックを実写映画化した『ひだまりが聴こえる』が公開された。

『ひだまりが聴こえる』多和田秀弥×小野寺晃良インタビュー

難聴を患うナイーブな青年とまっすぐな苦学生の青年の、友だち以上恋人未満のピュアな交流が繊細に描かれている。まっすぐで活発な青年を演じた小野寺晃良がかわいくて、原作のイメージにぴったり。腐女子が求めるBLにおける受け(女役)の理想形を体現して好演を見せた。

7月には、ありいめめこ原作の人気作「ひとりじめマイヒーロー」のテレビアニメシリーズの放映がスタート。俺様攻めな教師とヘタレなヤンキー受けの男子高校生の恋模様が描かれた。原作は男子高校生たちの日常がわいわいと楽しいが、絵柄も手伝ってちょっとガチャガチャした印象。それが、アニメではすっきりと整理されて、その分、ストーリーやテーマがわかりやすくダイレクトに心に響く形となった。孤独を抱える主人公が徐々に心開き教師に懐いていく姿はいじらしく、心の中で応援したくなる。原作の良さを再認識できたのは大きな収穫だった。

2018年もどんな作品と出会うことができるかも楽しみだ。良作のBL映像化作品が多く製作されますように。(文:矢野絢子/ライター)