本木雅弘、黒沢清監督への愛が爆発! 『黒牢城』舞台挨拶で熱弁止まらず時間オーバー

#吉高由里子#本木雅弘#菅田将暉#黒沢清#黒牢城

『黒牢城』
(C)米澤穂信/KADOKAWA (C)2026映画「黒牢城」製作委員会
『黒牢城』
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世界30ヵ国超で公開決定、7月10日からモノクロ特別版も上映

映画『黒牢城』の大ヒットを記念した公開御礼舞台挨拶が6月30日に開催され、主演の本木雅弘をはじめ、共演の菅田将暉、吉高由里子らキャスト陣に加え、黒沢清監督が登壇。アメリカ、カナダ、フランス、韓国、台湾、インドネシア、ポルトガル、トルコ、チェコをはじめ、世界30カ国以上での公開と、『黒牢城 モノクロ特別版』の上映決定が緊急発表され、場内は割れんばかりの拍手と熱狂に包まれた。

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満員御礼で実施されたこの日、籠城する有岡城で発生した不可解な事件の謎に挑む主人公・荒木村重を演じた本木は、「封切りから随分時間が経ちましたけれど、皆さんの映画の様々な見方が届いて来て感無量で御座います」と挨拶。

重ねて、「さまざまな感想が飛び交っていて、新しい視点を与えていただいています。これが映画の奥深さなんです。この映画は、ただ事件の謎解きをするだけではなく、黒沢監督はどうしてこういう映画を作って、どうしてこういう撮り方になったのか。それが最大のミステリーで最大の魅力。ミステリー映画を見るというよりも、黒沢さんの映画に対する美学と底知れぬ映画愛を確認する。そういう映画だと思います」と力説した。

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続いて、織田方の危険な軍師・黒田官兵衛役の菅田は、公開後の周囲の反響について、「同業者とか映画界の人たちは、凄く面白がってくれた。うちの両親なんかは『久々に映画館で時代劇を見た』と言っていて、そこに自分が出ているという事も誇らしい気持ちになりました」と紹介。

村重の妻・千代保役の吉高も「同業者からは黒沢組最高!と言われたり、Xで検索していないのに関連でこの映画の感想が出てきたりして、そういったものを見ると公開した実感が湧きます」と喜んだ。

一方、黒沢監督は、大河ドラマ『豊臣兄弟!』でトータス松本演じる荒木村重が話題になったことに触れ、「トータスさん演じる荒木村重が出てきて。これが良かったですよね。本木バージョンとは全然違うんですけれども、トータスさんの村重も良い。人間味がある」と絶賛。

これに対し、大河ドラマで共演した菅田が「トータス松本さんから『本木さんの村重が素敵だった』という連絡が来ました」と座長を立てると、本木は「大河ドラマとクロスオーバーしたというのが私たちにとっては最大のプレゼント」と喜んだ。

そんな中、本作に対する愛と黒沢監督へのリスペクトがあふれる本木は、進行そっちのけで黒沢監督による演出や村重への解釈、カット割りの魅力などを熱弁。黒沢はロングショットを多用した狙いについて、「大きなスクリーンで見るとちょうどいい。映画館で見る映画として最適なものにしたいと思っていました。この映像でこのくらいの長さだと、色々なものが見えてきて色々な解釈にも繋がる。それが映画表現の一番面白いところだと思っているので、そのような風にしてみました」と解説した。

本木は一つの質問に対して熱弁し過ぎ、途中で「何に対して何を喋っているのか自分でもわからない…」と迷子になりつつも、「舞台劇を見ているような人物の配置や動線の組み立ては、いつどういう風に考えているのか?」などと黒沢監督に矢継ぎ早に質問。

これに黒沢監督が「こんな事を言うと元も子もないかもしれませんが、こうすれば明日は撮り切れるかなと。時間は大きいです」と答えると、本木は「過酷な現場ではあるけれど、ほぼ定時に終わる。そんな映画の現場はない」と黒沢組のスケジュール事情を紹介した。

黒沢監督は「定時に終わるのは社会人として当たり前です。定時に終われば次の日頑張れるわけで。みんなが順調にいって僕のプランも上手く伝われば定時に終わる。それを目指しています」と持論を展開した。

先日のカンヌ国際映画祭での高評価や日本での大ヒットを受け、アメリカ、カナダ、フランス、韓国、台湾、インドネシア、ポルトガル、トルコ、チェコをはじめ、世界30ヵ国以上での公開が決定。これに本木は、「ある意味その予兆がカンヌで確認できたところはある。登場人物が多くて関係性も複雑ながらも、だんだん何かが見えてくる。時代劇でありながら難しいセリフが散りばめられていても何か通じてしまうという。黒沢さんの何らかの手法が隠されていて…いやいや、また喋り過ぎちゃった」と興奮気味にまくし立てた。

さらに、7月10日より一部劇場で『黒牢城 モノクロ特別版』の上映が決定。当初、デジタルでモノクロ化することに懐疑的だったという黒沢監督だが、「試写を見てみたら、これがめちゃくちゃいい。まず俳優の表情がわかる。遠くにいても白目とかが物凄くクッキリと見える。着ている服の模様もはっきりとわかる。カラーバージョンの方が情報は豊かですが、白黒にすることで情報が絞られる分、カラー版では見えていないものがクッキリと見えてくる。僕も驚きましたので、皆さんも騙されたと思って一度ご覧になってください。ビックリしますよ」とアピールした。

『黒牢城』

一方、吉高は、映画を見た観客から寄せられた「吉高スゲエ!」「吉高様、黒沢作品の相性良すぎでござる」という感想を喜ぶと、黒沢監督から「吉高さんとは相性がいいなと思いました。吉高さんは現場で『え~?』とか『あ~』とか言いながらも、いざやるとなったら思いっきりやってくれる」などと評され、照れながらも笑顔を見せた。

続いて、主人公・村重が歴史上「裏切者」と表現されることが多い一方、本作では必ずしもそうとは言い切れない人物像が描かれていることにちなみ、「みんなからこう思われてるけど実は違うところ」をテーマにトークを展開。吉高は、「緊張したことないでしょ?ってよく言われるんですけど…凄くします。どうせヘラヘラ喋ってるだけと思ってるかもしれないけど、今この場も緊張してます! 何個の目で見られてると思ってるの!?」と観客に訴え、「生きていると、緊張してるか眠いかのどっちかなんです。そういうタイプの人間なんで(笑)」と名言のような一言で笑いを誘った。

菅田は「『黒牢城』での官兵衛役もそうですが、賢い役が続いていますが、僕は無茶苦茶バカです! 国語とか全然できなくて、台本を読むとか作戦を練るとかすごく苦手!」と、役柄とは真逆の“意外な素顔”を告白。

そんな2人に対し、本木は、「地頭が良いということ」とフォローしながら、「2人のように地頭が良くて、それでいて気楽にいるように見える。そういう人たちに私は本当に憧れます」と羨望のまなざしを向け、会場の笑いを誘った。

終盤には、本木による『黒牢城』と黒沢監督への愛あふれるトークに多くの時間が割かれた結果、舞台挨拶は終了予定時刻をオーバー。台本に用意されていた質問も1つしか取り上げられないという事態に陥る場面もあった。

これに吉高が「本木さんの作品に対する探求心もそうですが、映画の撮影が終わってからもさらに探そうとしている」と舌を巻くと、菅田も「舞台挨拶で監督に撮り方を聞く主演はいない。自分が聞きたいことを聞く。もう愛でしかない!」と感激。

恐縮する本木を横に、吉高は「司会をぶった切って自分がMCをやろうとするし、結果質問事項は5個あったのに1個しか答えられないという…。本当は舞台挨拶も終わってる時間ですからね!?」と愛あるイジりを見せ、場内は爆笑に包まれた。

最後は、黒沢監督から「『黒牢城』を見たことで、荒木村重という人物に関して関心を持たれた方、あるいは映画館で映画を見るということが面白い体験だと気が付かれた方は、ぜひ映画を2回3回と見ていただきたい。『黒牢城』でなくても映画館で映画を見ていただけると嬉しいです」と、最大級の映画愛を込めたメッセージが送られ、盛大な拍手の中、イベントは幕を閉じた。

『黒牢城』は現在公開中。