自分の背中を“アート作品”にした男の哀愁…自由と幸福は得られたか?

#IS#アート#イスラム国#カウテール・ベン・ハニア#ケーン・デ・ボーウ#モニカ・ベルッチ#ヤヤ・マヘイニ#皮膚を売った男#難民

皮膚を売った男
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東京国際映画祭で一番の完成度との評価相次ぐ

昨年20年ヴェネツィア国際映画祭オリゾンティ部門で男優賞を受賞、東京国際映画祭でも正式出品され、第93回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた『皮膚を売った男』が、11月12日に公開されることが決定。ティザーポスターが公開された。

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公開されたポスターには、主人公・サムの背中に彫られた「VISA」の文字が。彼の哀愁漂う背中とは対照的に無数の観客がサムの“作品”に拍手を寄せており、中心にはピンク色ににじむネオンカラーでタイトルが表記されている。

サムに扮するのは、第77回ヴェネツィア国際映画祭のオリゾンティ部門で男優賞を受賞した主演のヤヤ・マヘイニ。さらに本作品は、第26回リュミエール賞合作賞や第31回ストックホルム国際映画祭脚本賞も受賞している。

日本でも東京国際映画祭で上映されるや「大傑作」「監督は天才か?」「最大級の驚き」「予想もつかない結末」「今年一番の完成度か」と評判を呼び、劇場公開を望む声が挙がった。映画批評サイト「Rotten Tomatoes」でも92%フレッシュという高評価を獲得している(6月30日時点)。

本作品ではこのほか、モニカ・ベルッチやケーン・デ・ボーウといった豪華キャストが参加しているのも見物だ。

監督は、『Beauty and the Dogs』(17年)でカンヌ国際映画祭「ある視点」音響賞を受賞し、アカデミー国際長編映画賞のチュニジア代表にも選ばれた経歴を持つカウテール・ベン・ハニア。

自由を得るために自身がアート作品となった男の運命

本作品は、自身がアート作品となることで高額の報酬を手に入れることとなった1人の男の物語。

サムは、当局の監視下にあり国外へ出られなくなってしまう。海外で離れ離れになった恋人に会うため出国したいと考えていた彼は、偶然出会った芸術家からある提案を受ける。それは、背中にタトゥーをして”アート作品”となることだった。芸術品となれば大金を得ることができ、展覧会の度に海外にも行けると考えた彼はオファーを受けたが、次第に精神的に追い詰められてゆく。高額で取引されるサムを待ち受ける運命とは……?

『皮膚を売った男』は、11月12日に公開される。

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