【ヒットを探せ!/05】20代、30代女子はイケメン好き!? 世代別の人気作品とは?

湯田健太郎(Kentaro Yuda)…………HMVジャパン EC事業本部 ECコンテンツ部 ヴィジュアル&アザーズ課リーダー
1999年にHMV渋谷スタッフとして入社、池袋サンシャイン60通り店を経て、Eコマースへ。サイトのBlu-ray Disc、DVDなどの映像ソフト、サウンドトラックCDの商品展開などを担当。
湯田健太郎(Kentaro Yuda)…………HMVジャパン EC事業本部 ECコンテンツ部 ヴィジュアル&アザーズ課リーダー
1999年にHMV渋谷スタッフとして入社、池袋サンシャイン60通り店を経て、Eコマースへ。サイトのBlu-ray Disc、DVDなどの映像ソフト、サウンドトラックCDの商品展開などを担当。
湯田健太郎(Kentaro Yuda)…………HMVジャパン EC事業本部 ECコンテンツ部 ヴィジュアル&アザーズ課リーダー
1999年にHMV渋谷スタッフとして入社、池袋サンシャイン60通り店を経て、Eコマースへ。サイトのBlu-ray Disc、DVDなどの映像ソフト、サウンドトラックCDの商品展開などを担当。
『GALACTICA/ギャラクティカ』
発売元:デイライト/販売元:アミューズソフト/Film (C) 2004/2005 Universal Studios. All Rights Reserved.

最近はDVDをインターネット通販で購入する人が多いようだが、ネットではどんなDVDが人気なのか? HMVのネット部門を担当しているECコンテンツ部の湯田健太郎さんに、話を聞いた。

●世代別、男女別で異なる人気作品

HMVでは、PCサイトとモバイルサイトを展開しているが、両者の購買層はかなり違うようだ。

「PCサイトは30〜40代の男性がメイン。モバイルサイトで一番多いのは20代女性で、30代女性がそれに続きます」

それぞれの好みもハッキリしているという。30代〜40代の男性については、比較的お金を自由に使えるためか、『トランスフォーマー』や『ターミネーター』シリーズなどのフィギュア付き限定版といった高額商品が人気で、「男性のほうがコレクター体質かも」と湯田さん。

一方、20代女性は「イケメン好き」というのが特徴。最近では、岡田将生の『ホノカアボーイ』が人気。また、関ジャニ∞の大倉忠義の主演ドラマ『ROMES 空港防御システム』(5月12日発売)、嵐の相葉雅紀の主演ドラマ『マイガール』(3月26日発売)の予約も好調だという。

また、30代女性は海外ドラマ好きも多いそうで、人気なのは『プリズン・ブレイク』『スーパーナチュラル』『ハイスクール・ミュージカル』。主演俳優のイケメンぶりも話題の作品で、洋の東西の違いはあれども、イケメン好きという点では20代女性と変わりないようだ。

「30代の女性は子持ちの方も多いので、ディズニーものも人気です。また、NHK番組が年2回行っているプレミアコンサートを収録した『おかあさんといっしょファミリーコンサート』シリーズなどを、CDと併せて購入する方も多いですね」

さらに、50〜60代のシニア層は、クラシック音楽のファンが、CDと一緒に昔の名画のDVDを購入するパターンも多いという。また、『レッドクリフ』の前後編や007シリーズもシニア層に人気。まとめ買い、シリーズ買いをする人の割合も多いそうだ。ちなみにこの世代は大半がPCサイトユーザーだという。

●逆輸入作品『片腕マシンガール』が人気

また、隠れた人気作を聞いたところ、まず挙げてくれたのが『片腕マシンガール』。奇才監督としてカルト的人気を博す井口昇の作品で、主演はグラビアアイドルの八代みなせ。

「ちょっと暴力的で、セクシーなシーンもあるアクション映画で、30〜40代の男性に人気でした。カルト的作品なだけに、こういう作品を求めていた人も多かったようです。最初は『どうなのかな?』と思いながらも、少し大きめに取り上げたところ、かなりの反応がありましたね」

ちなみにこの作品は、過激描写がウリの日本映画を輸入し、ヒットさせてきた北米のビデオメーカー「メディアブラスターズ」が、自ら製作に乗り出した新レーベル「TOKYO SHOCK」シリーズの第1弾。いわば逆輸入商品なのだ。

昨年のアカデミー賞で短編アニメーション賞を受賞した『pieces of love Vol.1 つみきのいえ』も隠れた人気作のひとつ。また、コカ・コーラのCMを集めた『The Coca-Cole TVCF Chronicles』は、テレビ番組で紹介されたところ、面白いと話題を呼んだという。

DVD作品の最近の傾向について聞くと、「Webやモバイルで配信された作品をDVD化することが増えてきています。地上波に比べて見る機会の少ないCS の放映作品も同じ傾向があります」と湯田さん。

ちなみに今月上旬にリリースされた『毎日どっきりVS出川』も、モバイル配信された後、DVD化された作品。『毎日どっきり』は、携帯サイトのBeeTVの一番人気のバラエティで、タレントの出川哲朗が、1カ月間、毎日「どっきり」を敢行するというもの。気軽に見られて大笑いできるあたりが人気の理由のようだ。

●女性には絶対すすめられないショッキングなフランス映画とは?

最後に、DVDを熟知する湯田さんに、個人的にオススメしたい作品について聞くと、3つを挙げてくれた。

「まずは海外ドラマの『GALACTICA/ギャラクティカ』。老朽艦ギャラクティカに残されたわずかな人類と機会生命体サイロンの壮絶な戦いを描いたSF作品で、死ぬほど面白いです。もっと売れて欲しいので、サイトでも大きく取り上げたりしていますが、ちょっと苦戦気味です。苦戦の原因は、暗くて重くて、とっつきづらいイメージがあるのかも……(笑)。でも、今、一番売りたい作品なので、今年の夏にファイナルシーズン【結:season 4】がリリースされるときには、メチャクチャ力を入れたいと思っています」

ニコラス・ケイジ主演のSFパニック『ノウイング』もオススメ作のひとつ。「ある意味、おバカなので、個人的には大好き。M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』の再来と言えるくらいの衝撃的な内容で、『そこにオチをもってくるか!?』と驚きましたね。『バカじゃないの?』といつくしむ感じで、もっと話題になってもいい作品だと思います」

最後に挙げてくれたのが、正真正銘の衝撃作『マーターズ』。

「フランスの作品で、ホラーで売っていますが、中味はサスペンス。女性には絶対すすめられない……。グロいだけじゃなくて、ストーリーがすごいんです。なので、見て、落ち込んで、見た者同士でそのショックを分かち合ってほしいですね。繰り返し見るには、かなり勇気のいる作品だけど、見れば、見た者同士でそれについて話さずにはいられなくなるんです」

HMV 2009年 DVD売り上げランキング ベスト10
(店舗、インターネット、モバイルの合計ランキング)

[邦画]
1位 『花より男子ファイナル』
2位 『おくりびと』
3位 『ザ・マジックアワー』
4位 『クローズZERO II』
5位 『パコと魔法の絵本』
6位 『容疑者Xの献身』
7位 『20世紀少年<第1章>終りの始まり』
8位 『デトロイト・メタル・シティ』
9位 『ドロップ』
10位 『20世紀少年<第2章>最後の希望』

[洋画]
1位 『ダークナイト』
2位 『セックス・アンド・ザ・シティ』(映画)
3位 『レッドクリフ Part I』
4位 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
5位 『マンマ・ミーア!』
6位 『ハイスクール・ミュージカル/ザ・ムービー』
7位 『レッドクリフ Part II ─未来への最終決戦─』
8位 『007/慰めの報酬』
9位 『ウォンテッド』
10位 『007/カジノロワイヤル』

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