2023年に診断、家族とともに病と向き合う日々
映画『リーサル・ウェポン』シリーズや『カラーパープル』などで知られる俳優ダニー・グローヴァーが、アルツハイマー病と診断されていたことを公表した。米People誌やNBCの情報番組「Today」の独占インタビューで明かしたもので、2023年に診断を受けたという。
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7月22日に80歳の誕生日を迎えるグローヴァーは、自宅で取材を受けて現在の心境について「診断については、まだ心のどこかで完全には受け入れられていません」と語りつつ、「もちろん進行するにつれて状況は代わっていくでしょう」と現実に向き合う姿勢を見せた。「物事を記憶できるという事実を裏付けるように、ふと何かを思い出す瞬間や、決して忘れることのない瞬間もあるのです」。
最初に変化に気付いたのは、一人娘のマンディサだった。インタビューに同席した彼女は、グローヴァーがアカデミー賞ジーン・ハーショルト友愛賞を受賞した2022年に父の言動の異変に気づいたという。
「父は1970年までさかのぼって、どの角に立っていて、誰と話し、何を話し、どんな色の服を着ていたかまで覚えている人でした」。
「自分の両親についてよく話してくれていましたし、私もその話を何度も聞いてきましたが、話の断片が抜け落ちるようになったのです。『一体何が起きているんだろう』と思いました」と彼女は語る。
2023年の診断後、グローヴァーは家族とともに病気と向き合ってきた。現在はマンディサや弟のマーティ、介護スタッフらの支えを受けながら生活している。
マンディサは「父が自分の物語を自分でコントロールすることが重要で、今がそのタイミングだと思いました」と公表の理由を説明した。
グローヴァーは、「人生の終わりだとは思っていません。まだやるべき仕事があります」と前向きに語る。
インタビューでは、今も鮮明に残る記憶についても語った。それは母キャリーとの思い出だ。自身も俳優になる夢を抱いていたことのある母は息子の演技の才能に気づいて背中を押してくれたという。その母が、グローヴァーのキャリアの転機となった1984年の映画『プレイス・イン・ザ・ハート』への出演が決まった日に、交通事故で亡くなったことも明かしながら、「僕たちは恋人同士みたいによく言い争いをしましたよ」と母との思い出を懐かしそうに語ったという。
今では娘が祖母に代わって、グローヴァーと口論をしているそうだ。彼女は「私が祖母の代理みたいな存在なんです。父は誰かと議論する必要があって、その相手が私です。でも、すべては愛情からです」と話している。
長年にわたる俳優人生について、『リーサル・ウェポン』で共演したメル・ギブソンとの仕事を「素晴らしかった」と回想し、『カラーパープル』で演じた主人公の横暴な夫・ミスター役については「彼自身も痛みを抱えていた。その先には癒やしもあった」と役柄への理解を示した。
現在、兄と同居しサポートしている弟のマーティもコメントし、「衰えていく様子を見るのはつらい。感情的になることもあります。誰にもこんな経験はしてほしくありません」と胸中を明かした。
マンディサも、父にとっても自分にとっても「非常につらい」状況であるとしつつ、「日々を精一杯生きていくしかありません」と話した。マーティは「彼(グローヴァー)が私たちにそうさせてくれたように、彼にも最高の人生を送ってもらいたいと願うばかりです」と続けた。
グローヴァーは現在も家族や友人に囲まれながら日々を過ごしている。そして同じ病と向き合う人々に向けるように向けて、「伝えたいのは、人生は続いていくということです」と語った。
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