ドラマの製作は「厳しい時間だったのは間違いないです」
9日からApple TV+で配信がスタートするサイコスリラー『クラウデッドルーム』に主演したトム・ホランドが、1年間俳優を休業すると発表した。
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本作はノンフィクション作「24人のビリー・ミリガン」に取り上げられた実在の多重人格者をモデルにしたミニシリーズで、ホランドは主人公のダニー・サリバンを演じている。
1970年代に複数の女性への性的暴行容疑で逮捕されたビリー・ミリガンが解離性同一性障害と診断され、無罪を言い渡された実話をもとに、『クラウデッドルーム』は1979年夏にニューヨークで銃撃事件への関与で逮捕されたダニーが、取り調べを通して自らの内にいる様々な人格を表出させていく。
主演と製作総指揮を兼任したホランドはドラマの製作について「厳しい時間だったのは間違いないです」とエンターテインメント情報番組「Extra」のインタビューに応え、「自分が今まで全く経験したことのない感情を探求していました。それに加えてプロデューサーとして、どんな撮影現場でも毎日起きる問題の数々に取り組むことが、さらなるプレッシャーになりました」と語る。
ホランドは「プロデューサーになる過程を学んでいくのが好きだった」とも話したが、精神的負荷の多いキャラクターを演じながらプロデューサーも兼ねる激務に心身共に疲れ果てたようだ。「激務には慣れています。よく働くことは良いことだと信じています。ただ、このドラマで僕は壊れてしまった。休暇が必要になって、ちょっと姿を消して1週間メキシコに行ってビーチでリラックスしました」。
「今は1年間の休暇中です。このドラマがどれだけ困難だったかの結果です」と一時的な休業を宣言したホランドは、ドラマの評価が「どうなるか楽しみです。私たちの努力が無駄ではなかったことを確信しています」と語った。
本作は1990年代から構想があり、監督としてジェームズ・キャメロンやデヴィッド・フィンチャー、主演にジョニー・デップやブラッド・ピット、マシュー・マコノヒーらの名前が挙がったことがある。レオナルド・ディカプリオがプロデューサーと主演を兼ねる企画が動きかけたこともあったが、実現しなかった。
ホランドは先月に「Entertainment Weekly」誌のインタビューでも、本作の撮影中に私生活でも「ちょっとした崩壊」を経験し、心機一転のために髪を剃り落とそうとして思いとどまったことを明かしている。
ホランドは1年4ヵ月間禁酒していること、『クラウデッドルーム』によって自身のメンタルヘルスについての見方が変わったと語る。
「メンタルヘルスについて学び、ダニーとビリーの苦悩について精神科医との話し合ったことは、僕自身の人生に非常に参考になりました。私は今、自分にストレスを与えるきっかけ、例えばソーシャルメディアですが、そういう要因を認識できるようになりました」と語った。
ホランドは昨年8月、ソーシャルメディアから距離を置くと発表。しばらく投稿を控えていたが、再開後は作品情報の告知などを主に投稿している。
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