ヘンリー王子は学生時代から標的にされていたと証言
英大衆紙による電話盗聴の被害を訴えるヘンリー王子が6日(現地時間)、ロンドンの高等裁判所で証言を行った。
ヘンリー王子は、イギリスの大衆紙「デイリー・ミラー」などが彼の個人情報を「違法な手段」で収集したとして、各紙の発行元である「ミラー・グループ・ニュースペーパーズ(MGN)」を提訴していた。
王子は、1991年から2011年の間に掲載された33の記事が電話盗聴や詐欺、などの違法行為によるものだとして、取材手段を「下劣」と批判した。
50ページにも及ぶ証言書とMGN側の反対尋問で、「生まれた時から報道の敵意を経験してきました」と語った王子は学生時代の1996年から標的にされていたと証言。イートン校在学中に親指を骨折したことを報じた記事で、電話盗聴で得た情報に基づいたものだと主張した。一方、MGN側の弁護士は、記事の大半は他メディアの報道や王室の声明などすでに公になっていた情報に基づくものだとした。
王子は「よくある誤解ですが、英国で王族であった間、私は税金で5%以上賄われることはありませんでした。しかし、タブロイド紙は私を絶対的に所有しているかのように、私、私の人生、私の動き、私と行動を共にする人々の人生についてのことはすべて知る資格があると考えているかのように感じられました」「彼らの行動は、私の人生のあらゆる分野に影響を与えたと言えるでしょう」と訴えた。
「私の人間関係に非常に大きなパラノイアを生み出しました。私に関する記事で名前が挙がっている人物のことを、すぐに疑うようになりました。誰も信用できないと、あれほど若い頃に感じるのは辛いことでした」。
報道によって過去の交際相手と破局に追い込まれたことにも言及した。2004年から2011年までチェルシー・ダービーさんと交際していた時、マスコミが王子の交友関係を狭め、うつ病やパラノイアの発作の原因を引き起こしたとしている。
「今思えば、彼らのこうした行動はまったく下劣なものです」と振り返った王子は、大衆紙が彼と妻のメーガン妃の私生活についても「憎しみと嫌がらせ」を扇動したと述べた。
「“常に監視されている”という私の深刻な被害妄想は、結局のところ見当違いではなかったと実感しています」。
裁判は5日から始まり、王子は同日にも審理でも証言する予定だったが、4日が長女リリベットの2歳の誕生日でそのお祝いを優先して姿を現さなかった。
ヘンリー王子はチャールズ国王の次男で王位継承順位第5位、主要王族が法廷に立つのは、1890年のエドワード7世以来、約130年ぶりのことだ。
BBCが「歴史的」と報道した王子の出廷は大きな注目を集め、裁判所前にはメディアや一般市民が大勢つめかけた。
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