Huluオリジナル『悪魔とラブソング』浅川梨奈インタビュー

正直すぎて悪魔みたい! 期待の若手女優が、本音ベースの女子高生に共感

#Hulu#マーガレット#マーガレット Love Stories#悪魔とラブソング#浅川梨奈

浅川梨奈

思ったことをすぐに言ってしまうところが自分に似ている

『悪魔とラブソング』
2021年6月19日よりHuluで一挙独占配信開始【全8話】
(C)桃森ミヨシ/集英社・HJホールディングス

少女マンガ誌「マーガレット」の不朽の名作をオンライン動画配信サービスHuluで継続的に連続ドラマ化する企画「マーガレット Love Stories」。第1弾の「マイルノビッチ」に続く第2弾として、『悪魔とラブソング』が配信される。

原作は、桃森ミヨシによる同名の少女コミック。美しい歌声と美貌を持ちながらも常に本音を話してしまうがゆえに周囲から“悪魔”と呼ばれている可愛マリアは、転校先でもなじめずにいたが、クラスメイトの目黒伸たちと関わるうちに次第に変化し、やがて他人に合わせて生きてきた同級生たちを変えていく。

正直すぎる“悪魔みたいな“主人公を演じるのは浅川梨奈で、目黒伸役の飯島寛騎とW主演を務める。浅川は「アニメやマンガが好き」と公言していて、最近ではマンガ原作の映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』(19年)で演じた藤原千花役の再現度が高いと注目を集めた。そんなマンガを愛する期待の若手女優に、撮影秘話を聞いた

浅川梨奈、ひとり暮らしになって「ちゃんと生活してます!」宣言/『悪魔とラブソング』インタビュー動画

──浅川さんはマンガがお好きだそうですが、マンガの実写化で主役を演じるにあたって、原作ファンの気持ちなどを考えるとプレッシャーもあったかと思います。撮影にはどのような気持ちで挑まれましたか?
浅川梨奈

浅川:原作は10年以上前の作品なのですが、実写化の情報が解禁された後、「懐かしい」という声を多く耳にしました。当時原作を読んで好きだった方々が、このドラマを見て、またマンガを読んでみようと思ってくれたら嬉しいと思いました。撮影で演技に迷った時には、原作を読み直してヒントを得たりしていましたね。プレッシャーもありましたが、マンガが好きな身としては、原作の中の役を演じられることは光栄でした。

──原作を読まれて、どのような感想をもたれましたか?

浅川:第一印象は、すごくきれいな世界観だと思いました。登場人物たちが色々と悩みを抱えていたり、後半になるとにつれ重さも出てくるのですが、タイトルに「ラブソング」と付くように、登場人物たちが音楽と共に成長するストーリーなんです。登場人物たちがマリアと出会うことでそれぞれ成長し、マリア自身も成長する姿がすごくリアルだけれどもきれいですし、自分自身がマリアと似ている部分もあったので、私自身も演じながら成長していけたように思います。

──マリアはすぐに本音や核心をつくことを言ってしまう、というキャラクターですが、浅川さんご自身はどんなところがマリアと似ていると思われたのですか?

浅川:良くも悪くも思ったことをすぐに言ってしまうところです。マリアの核となる部分がすごく似てるな、と思いました。私も知らず知らずのうちに人を傷つけていたりしていたんだろうなと改めて反省もしました。10代の頃は自分が考えていることをそのまま伝えるのが正しいと思っていたので、そんなところが似ていますね。今回はマリアにとても共感できたし、役柄を理解できたのかなと思います。

──つい何か言ってしまったことで失敗したことや、逆に言ってよかった、というような経験はありますか?
浅川梨奈

浅川:私、寝たらなんでも忘れてしまうので、何かあるかなあ。

──寝れば忘れるということは、どちらかというとポジティブな性格なんでしょうか。

浅川:そうですね。言わない方が良かったかなと思っても、「まあ、そういうこともあるよね。次から気をつけよう」というタイプなんですよね。

歌が苦手、半泣きになりながら撮影していた!?

──今回は歌うシーンもありますが、歌には苦手意識があったそうですね。

浅川:私は今までも歌を歌ってはいたのですが、1人で歌うパートはあまりなかったですし、自分は歌がうまくないんだなと思っていたんです。だから、歌を歌う役です、と言われた瞬間に、ボイストレーニングできますか、と聞いたぐらいに自信がなかったですね。でも、ボイトレの先生や、毎回現場に来てくださるプロデューサーさんやスタッフさんがすごく褒めてくださったんです。それがありがたかったですね。本当に自信がなかったけれど、ボイトレを2カ月やって、撮影を2カ月やって、合計4ヵ月くらい音楽に触れたことで歌をすごく好きになったし、少し自信もつきました。撮影が終わったとき、ボイトレの先生が「頑張りましたね」って涙ぐんでくださったのを見て、本当に頑張って良かったなと思ったし、これからも歌を大切にしていきたいなと思いました。

──みんなの前で歌うシーンの撮影では緊張されましたか?

浅川:めちゃめちゃ緊張しました! 教室の中で「アメイジング・グレイス」を歌うシーンがあるのですが、緊張しすぎて下を向いてしゃがんでいて、監督や助監督に「大丈夫、大丈夫」と言われても半泣きっぽくなりながらやっていたのですが、うまくいかなかったところを何回か歌わせてもらったりもして、緊張しながらも楽しく歌えました。歌った後にクラスのみんなが拍手してくれて、ちょっと恥ずかしかったけど嬉しかったです(笑)。

──得るものが大きい現場だったんですね。

浅川:歌の面でも成長させていただきましたが、お芝居に関してもいろいろなことを学ばせてもらいました。他の俳優さんと一緒にお芝居をすることがこんなに楽しいんだ、と思える瞬間がいくつもありました。

──撮影現場で特に楽しかったエピソードを教えてください。

浅川:最初の1ヵ月間は役柄のこともあってみんなと距離をとって接していたんです。でも、ひとりひとりの大事なシーンが終わった後、そろそろいいかなと思って、仲良くなり始めたら、みんなめちゃめちゃ面白い人たちばっかりで。飯島さんは本当におちゃめな方で、スタッフさんとキャストでジャンケンをして負けた人が自動販売機まで行ってみんなのジュースを買ってくる、というのをやっていたのですが、飯島さんが1発目で勝って抜けたんですよ。その時の喜び方が可笑しくて、ジャンプして小刻みに踊りだしたりするんですよ。楽屋でみんなが倒れるように笑ってて、腹筋がつりそうでした。

──楽しい現場だったんですね。ところで、話がそれてしまいますが、コロナ禍で家にいる時間が増えたことで何か変わりましたか?

浅川:このステイホーム中に色々と断捨離をして洋服や小物などをですね、色々なものを捨ててだいぶスッキリしましたね 。

悪魔とラブソング

──それはよかったです(笑)。では、最後にこの作品の見所をお願いします。

浅川:この作品は若者が音楽と共に成長していく青春群像劇です。マリアと関わることで成長していくクラスメイトたちの姿を通じて、見ている人に何か勇気を与えられる作品になっているのではないかなと思います。『悪魔とラブソング』の美しい世界観を感じていただけたら嬉しいです。

(text:中山恵子/photo:谷岡康則)
(ヘアメイク:佐々木篤〈GLUECHU〉/スタイリスト:髙橋美咲)

 

浅川梨奈
浅川梨奈
あさかわ・なな

1999年4月3日生まれ。埼玉県出身。趣味はアニメ、マンガ、ゲーム。2016年に『14の夜』で長編映画デビュー。17年には『人狼ゲーム マッドランド』で長編映画初主演。19年の映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』では原作でも人気のキャラクター藤原千花役を演じ、注目される。その他の出演作に、『honey』(17年)、ドラマ『女子高生の無駄づかい』(20年)、「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」(21年)などがある。また、映画『胸が鳴るのは君のせい』が6月4日公開、『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ファイナル』が8月20日公開予定。